神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
猫の慢性進行性多発性関節炎

皆さまいかがおすごしでしょうか?

最近はだいぶ日が落ちるのが早くなってきましたね。

 

動物病院で毎日何十件と、何年も診察していると、

症状からだいたいこんな病気だなとか見分けられるようになってきます。

しかし…、

動物は人間みたいに言葉をしゃべらず苦痛を訴えないですし、中には診断が難しい病気や、

教科書に載っていないんじゃないかと思われるような病気も少なからずあるので、

獣医師もけっこう大変なのです。

 

さて最近、

「慢性進行性多発性関節炎」の猫ちゃんが来院されたのでこの件について。

 

こちらの猫ちゃん、40℃以上の高熱が1週間以上続いており(猫の平熱は38〜39℃台くらい)ました。

 

数日前からお近くの動物物病院で診察と治療(抗生物質、抗炎症薬の投与)を受けられていたそうなのですが、

体温が一向に下がらず、主治医の先生は原因が全く分からないと仰られていて原因不明とのこと。

 

当院で診察させて頂くと、

確かに体温が高くぐったりしています。

 

来院された当初、ずっと発熱が続いているので何らかの感染症をまず考えたのですが、

 

触診をすると四肢の関節がやや腫れており、感染症ではなく免疫の異常による関節炎が疑われました。

 

リウマチみたいに免疫に異常が生じることで関節炎が起こる病気が犬や猫にもあります。

 

今回のような多発性関節炎(←免疫の異常によっておこる関節炎)は犬では時々見かける病気なのですが、

猫ではかなりレアケースだと思われます。

 

臨床症状としては、

発熱、嗜眠、歩くことを嫌がる、関節の腫脹、疼痛が挙げられます。

 

この子の場合もこれらの症状は全て合致していました。

 

更に診断を確定させるために、基礎疾患が無いか精査を行い、

四肢の関節液を採取してその性状をチェックしたり感染が無いかなどを調べ診断しました。

 

今回の猫ちゃんの場合、

プレドニゾロンやシクロスポリンといった免疫抑制剤に良い反応を示して

熱も下がり調子が良くなったのでホッとしています。

 

やはり触診などの身体検査は重要だと改めて思わされました。

原因不明の発熱、高熱が続いているワンちゃんや猫ちゃんは、

触診などの身体検査をしっかりして免疫介在性関節炎が起きてないか一度は疑った方が良いかもしれません。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

 

 

| tarumioasis2 | 整形外科 | 19:07 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
エボシカメレオンの眼症状

だいぶ寒くなってきて冬の気配です。

仕事柄診察室で色んな方とお話をする機会があるのでインフルエンザのワクチンを接種してきました。

完全な予防はできないかもしれませんが、感染すると大変ですので打とうかなという方はお早めにどうぞ。

 

当院ではこのところ、爬虫類の患者さんが時々来院されています。

意外と爬虫類や両生類を飼育している人はいるみたいなのですが、

病気になった時に診察を引き受ける動物病院はほとんどありません。

 

昨年、関東まで毎月、爬虫類、両生類の研修を受けに行っていたこともあり、

当院では難しい症例は爬虫類専門の先生に相談したりしながら爬虫類の診察をしています。

 

先日来院されたのは、眼が開かないという症状のエボシカメレオンちゃんでした。

カメレオンはアフリカ大陸や、マダガスカル島、アラビア半島などに住んでいて、眼が左右独立して動き、身体の色を変化させ、長い舌を伸ばして餌をとる生き物です。

ジャクソンカメレオン、エボシカメレオン、メラーカメレオン、パンサーカメレオンなどの種類があり、その中ではエボシカメレオンが比較的飼い易いといわれています。

しかし、一般的にはカメレオンの飼育は難しく、温度・湿度の設定や、通気性、スペース確保、ストレスの回避、飲水方法、餌のやり方などが上手くいかないと、不適切な飼育のために短命に終わることが多かったです。

まずはそのあたりの飼育管理をきちんとして、その後に疾病について考える必要があります。

 

今回の子のような眼症状はカメレオンには良くあり、

UVランプやバスキングランプの設置場所の問題、本人の脱水症状などの飼育管理の問題だったり、

角結膜炎、結膜炎、眼瞼膿瘍、ハーダー腺過形成などが原因になることもあります。

眼が見えないと餌が食べれないため早めに改善させてあげる必要があります。

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

 

 

 

 

| tarumioasis2 | 共通の病気について | 10:48 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
ハムスターの腫瘍(体幹部のできもの)

先日、大阪からお腹にできものが出来ているという症状のハムスターちゃんが来院されました。

お歳は2歳を過ぎているハムスターちゃんでしたが飼主さんとご相談した結果、摘出することになりました。

あとは腫瘍が再発せずに穏やかに過ごせることを願うばかりです。

 

↑麻酔をかけて寝て貰います

 

↑無事に目覚めてくれてお家へ帰って行ってくれました。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | ハムスター | 10:53 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
TPLO(前十字靭帯断裂)

先日、前十字靭帯断裂に対してTPLOを実施したワンちゃんが術後の検査に来院されました。

飼主さんからお話をお伺いすると、手術した肢もだいぶ回復して活動的に動き回っているとのことで良かったです。

 

やはり、術後の回復の早さや、術後成績は他の手術法と比較して良好ですので、

活動的なワンちゃんにはTPLOは特にお勧めできると思います。

 

 

↑左後肢の前十字靭帯が切れてしまい跛行しています。

TPLO手術前の様子(手術前のため毛刈りしています)。

 

 

↑TPLO手術の術後2か月目の様子です。

手術をした患肢(左後肢)を使って問題なく歩けるようになっています。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

| tarumioasis2 | 整形外科 | 20:35 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
SFTS(重症熱性血小板減少症)について

野良猫を捕まえて動物病院へ連れて行こうとした女性の方が、

猫に咬まれてしまい後日亡くなられたという痛ましい事件の報道が昨年ありました。

猫がもっていたSFTSウイルスが感染してしまったのが原因でした。


「厚生労働省は24日、野良猫にかまれた50代の女性がマダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を発症し、10日後に死亡していたと発表した。かまれたことが原因とみられ、猫からヒトへの感染事例が明らかになるのは初めて。

厚労省や国立感染症研究所によると、女性は西日本に在住。昨年、衰弱した野良猫を動物病院に連れて行こうとして手をかまれた。数日後にSFTSを発症したという。女性がダニにかまれた形跡はなく、感染研は野良猫が最初に感染し、女性にうつしたとみている。

これまでSFTSは森林や草地に生息するマダニに人が直接かまれることで感染すると考えられていた。

厚労省は今年に入り、SFTSウイルスに感染し、発症した飼い猫と飼い犬も確認。感染はまれで、屋内で飼っている猫にはリスクはないとしているが、屋外にいる体調不良のペットに接触する場合は注意するよう呼び掛けている。

SFTSの初期症状は発熱やだるさなど。5〜6日後に意識障害や出血などが起きることがあり、致死率は約20%とされている。特効薬はない。国内ではこれまで、西日本を中心に266人の患者が報告された。死亡例は全て50代以上で、高齢者が重症化しやすいと考えられている。シカやイノシシなどからも、ウイルスに感染していたことを示す抗体がみつかっている。」

 マダニ感染症、猫から感染 女性死亡 「ネコからヒト」初確認 日本経済新聞より


 

西日本中心に発生が見られているSFTSウイルスは感染すると人間の死亡率が30〜63%ともいわれており、

従来は「マダニから人間へ」感染すると考えられていた危険なウイルスです。

 

それが、「犬や猫から人間へ」感染することが分かったのでニュースになったのだと思います。

動物病院で勤務する立場として、犬や猫に接触したり咬まれることもあるため、「怖い事件だな…」と思っていました。

 

すると最近、

獣医師と動物看護師がネコからSFTSに感染!

というニュースが飛び込んできました。


「致死性のSFTS(重症熱性血小板減少症)ウイルスがイヌとネコからヒトに感染した事例については、このホームページの一般向け情報(イヌとネコは致死性SFTSウイルスを媒介する;2018年5月28日)でお知らせしたところです。今般、宮崎県において小動物臨床を行う動物病院に勤務する獣医師がネコから感染した事例が明らかにされましたので紹介したいと思います。

2018年8月16日に体調が悪いネコを診察・治療しました。当該ネコは前日に別の獣医師が診察したところ、SFTSを疑い、診断のため宮崎大学に遺伝子検査を依頼しており、8月18日にSFTSと診断されました。獣医師はネコとの接触から10日後に発熱と倦怠感を訴え、県内の医療機関を受診しました。臨床所見からSFTSが疑われたため、県内の高次医療機関に転院し、SFTS検査を受けるも、当初の診断結果は陰性でした。疫学的所見および臨床所見から依然とSFTSが強く疑われたことから、SFTSを念頭に置いた治療が実施されました。その後の継続的な再検査で、3および4病日目にSFTSウイルス遺伝子検査が陽性となり、8月31日にSFTSと確定診断されました。診断前の早期の治療の結果、獣医師はその後回復したそうです。

また、獣医師がネコを治療した時に補助した動物看護師も、12日後の8月28日に症状を訴え、県内医療機関を受診しました。この時、臨床所見からSFTSの可能性は低いと判断され、通院治療にて間もなく回復したようです。しかし、獣医師の件を踏まえ、動物看護師のペア血清を用いたSFTSウイルス抗体検査を実施したところ、SFTSと診断されました。

なお、SFTSのネコは皮下点滴の際に出血し、獣医師と動物看護師が血液のふき取りと止血処置を行ったそうです。また、獣医師と動物看護師は治療を行う際に、感染予防対策としてグローブとマスクを着用していましたが、ゴーグルやフェイスシールドは着用していなかったそうです。

以上のように、小動物病院で来院したイヌやネコの通常の治療過程で、グローブとマスクを着用していたにも係らず、容易にSFTSウイルスに感染することを示しております。疑わしい症例に遭遇した場合は、完全なる院内感染防止対策をとることが必要であることを、今回の事例は示しています。」

酪農学園大学HPより


 

診察中に猫ちゃんからSFTSウイルスが動物病院のスタッフに簡単に感染してしまったということです。

 

 

動物病院の獣医師やスタッフが診察中にノミ・ダニの予防をお勧めすることがあると思います。

 

以前から当院ではトリミングやペットホテル、手術などの際はワクチン接種とノミ・ダニの予防を必ずお願いしています。

「うちの子にノミやダニなんて居ないし、予防接種なんて必要ない」とお叱りを受けることが時々あるのですが、

感染症予防のため、動物たちのため、飼主さんのため、動物病院など動物に関わるスタッフのためにも普段から予防をお願いしたいと考えています。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 共通の病気について | 13:57 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
サバンナモニターの代謝性骨疾患

背骨に何かできもの?ができたというサバンナモニター(サバンナオオトカゲ)が来院されました。

ふらつきが見られレントゲン検査を行ったところ、明らかに背骨が曲がってしまっていることから代謝性骨疾患が疑われました。

紫外線(UV)が足りないか、栄養性(カルシウム不足、ビタミンD不足)が考えられることから、

この辺りを改善し経過を見ていくことになりました。

 

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 共通の病気について | 17:42 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
迷い猫のお知らせ

 

猫ちゃんが行方不明になり「当院へ張り紙をさせてくれないか。」と飼主さまが来院されました。

行方不明になるとほんとうに心配です。

似た猫ちゃんを発見した方はぜひ連絡してあげて下さい。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | お知らせ | 18:26 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
甲状腺腫瘍

先日、首の喉ぼとけの下辺りが腫れているワンちゃんが来院されました。

飼主さんが触っていて、「喉の辺りが腫れているような気がする」と気づかれて連れてこられたのでした。

 

頸部周辺が腫れている場合、リンパ節が腫れている場合や、唾液腺が腫れている場合や、

その他の腫瘍などが原因として考えられます。

 

このワンちゃんの首が何故腫れているのか詳しく調べるために針生検を実施したところ…、

甲状腺腫瘍」を疑わせる細胞が採取されました。

 

甲状腺腫瘍とは、

犬においてみられる甲状腺腫瘍の多くは悪性の甲状腺癌であり、浸潤性が高く、

転移しやすい腫瘍(リンパ節、肺、肝臓など多臓器へ転移率は初診時で35〜40%)だと言われています。

 

比較的珍しいタイプの腫瘍なのですが、

中高齢(平均10歳)で発症し、ビーグル、ゴールデンレトリバー、ボクサーは好発犬種ですので、

これらの犬種を飼われている飼主さまはときどき喉の辺りを触ってみて腫瘍が出来ていないか観察することが大切です。

 

気づかずに時間が経過すると症状が進行し、

発咳、呼吸困難、元気消失、体重減少、嘔吐、食欲不振、嚥下困難、顔面の浮腫などが認められるようになります。

 

診断は、

血液検査、レントゲン検査、超音波検査、細胞診、触診などを実施して診断していきます。

 

治療は、

腫瘍組織に可動性があり、周囲組織への浸潤がなく転移の見られない腫瘍は外科的に摘出することができます。

また、周辺組織へ浸潤していて切除困難な腫瘍に対しては放射線療法(できない場合は化学療法)が有効だと言われています。

 

今回のワンちゃん(チワワちゃん)の場合は、

幸いなことに腫瘍組織に可動性があったため甲状腺腫瘍を摘出することが可能でした。

 

 

喉の辺りを触ったり、全身を触ったりしてあげていると腫瘍の早期発見につながるため、

普段からワンちゃんをナデナデしてあげてスキンシップを取ることをお勧めします。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

| tarumioasis2 | 腫瘍 | 18:07 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
TPLO(前十字靭帯断裂)

以前記事に書いた後肢の前十字靭帯部分断裂に対してTPLOと呼ばれる手術を行ったワンちゃんが来院されました。

 

あれから術後6週間が経過しており歩様は良好でふつうに歩きまわっているとのこと。

骨切りをした部位の骨癒合まであと1〜2か月くらい掛かると思われるためもう少し安静が必要です。

 

↑術後6週目のX線検査。だいぶ仮骨ができており癒合が進んでいます。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 整形外科 | 17:57 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
腹腔内陰睾(潜在精巣)

先日、腹腔内陰睾のワンちゃんの手術がありました。

 

腹腔内陰睾とは生後しばらくしても陰嚢の中に降りてくるはずの精巣が精巣内に降りてこず、

腹腔内にあるものをいい、原因は生まれつきのもの(遺伝性)だといわれています。

 

この場合、お腹を開けて(開腹手術)精巣を摘出することが一般的に行われています。

 

当院では、開腹手術ではなく腹腔鏡を使って腹腔内陰睾の手術を行っており、

 

とても小さなキズ(5弌腺隠悪伉度)が2ヶ所程でお腹の中の精巣を摘出することができます。

 

 

↑お腹にトロッカーという管を差し込みます。

 

↑気腹しカメラを見ながら、鉗子で精巣を摘出します。

 

↑体外へ取り出した腹腔内にあった精巣。

 

↑術後の様子。腹腔鏡下手術の場合、キズが小さく身体への負担が少なくて回復が早いのが特徴です。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 腹腔鏡 | 19:12 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
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