神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
夏季臨時休診のお知らせ

このところ毎日暑いですね。

今年はウイルスの影響もあって、

お盆休みもお家でのんびりされている方が多いのではないでしょうか?

帰省される方やご旅行に行かれる方も熱中症や事故にお気をつけください。

 

2020年夏季臨時休診のお知らせです。

 

8月16日(日)  臨時休診

 

誠に勝手ながら、上記の日につきましては臨時休診とさせていただきます。

よろしくお願いいたします。

 

垂水オアシス動物病院

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

| tarumioasis2 | お知らせ | 12:27 | comments(0) | - | ↑TOP
カメの甲羅が赤くなっている場合の対処法【甲羅の感染症】

 

先日、珍しい種類のカメさんが来院されました。

その名も「ブランディングガメ」(Emydoidea blandingii)という北米原産のカメです。

 

こちらのカメさん、

甲羅(腹甲の一部)が赤くなっていて、様子がおかしいという主訴で来院されました。

 

このように、

カメの甲羅が赤色になっている場合、

カメ自身や甲羅が感染症に罹患している可能性があります。

 

 

原因

 

 

甲羅の感染症は飼育環境(温度、水の汚れ)が悪かったり、外傷がきっかけとなり発症することが多く、

二次的に細菌感染や、真菌感染、寄生虫の感染が引き起こされます。

 

この細菌感染や真菌感染は日和見感染であり、もともとカメ自身が持っている菌が、

何等かの原因(若齢、不適切な食餌内容など)で免疫力が落ちた場合に増殖してしまい感染が広がっていきます。

 

 

症状

 

 

甲羅に感染がおこると、まず甲羅に赤色の部位が少し出てきます。

さらに進行すると、赤色の浸出液が染み出てくるようになったり、甲羅の一部が脱落することもあります。

 

 

診断

 

 

視診、触診などから感染症を疑います。

病変部位の細胞診を行い、細菌、真菌、原虫、寄生虫などが居ないか調べます。

どのお薬が効くかを調べて(薬剤感受性試験)適したお薬を使います。

 

 

治療

 

 

まず、飼育環境(温度、水質、UV、餌の種類など)の見直しを行います。

 

細菌や真菌感染が部分的な場合は、十分に甲羅の洗浄を行い、

ポピドンヨード液を希釈して1日1、2回薬浴を行ったり、

局所的に抗生物質の軟膏を塗布したり、

水から定期的に1〜2時間程度出して乾燥させたりします。

 

全身的に細菌感染が見られる場合は、薬浴に加えて、全身的な抗生物質の投与を行います。

真菌感染の場合は、マラカイトグリーンを使った薬浴も効果があります。

 

 

今回のブランディングガメの場合、

甲羅の赤くなっている部位のスメア検査(サンプルを採材して顕微鏡で調べる検査)を行ったところ、

寄生虫が大量に検出されたため、抗寄生虫薬を投与することになりました。

 

 

さいごに

 

治療を行っても飼育環境に問題があると再発し易いため、

再発予防のためにも環境(温度、UV、餌など)を見直してみてください。

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

| tarumioasis2 | 爬虫類 | 19:19 | comments(0) | - | ↑TOP
獣医師不在のお知らせ

ー獣医師不在のお知らせー

 

8月2日(日)8月3日(月)8月4日(火)は院長不在にしています。

 

診察は通常通り行っておりますのでご来院ください。

池田獣医師による診察になります。

 

大変ご迷惑をお掛け致しますがご了承お願い致します。

 

垂水オアシス動物病院

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | お知らせ | 10:06 | comments(0) | - | ↑TOP
カメの手足がかじられる事故発生!アライグマに注意!!

垂水オアシス動物病院では犬猫以外にも色々な動物(うさぎ、ハムスターなどの小動物や、両生類、爬虫類など)を診察しているため、このところ、当院へカメの患者さんがよく来院されます。

 

先日の出来事なのですが、

屋外の水槽で飼われているクサガメちゃんが何者かによって手足を食べられてしまい来院されました。

不幸中の幸いで頭は甲羅の中に隠れることが出来たようでしたが、

手足が無くなってしまっており、大変なことになっています。

 

さっそく、食いちぎられた部位を洗浄、消毒して糸で縫合し、抗生剤の注射をしました。

 

 

いままで数日経過を見ていましたが、食欲も戻ってきて徐々に回復してきてくれているそうでほんと良かったです。

手足が不自由で動けないものの、飼い主さまの看護により食餌もとれるようになったご様子。

 

屋外の水槽でカメを飼育されている飼い主さまは、

アライグマなどの野生動物が近年増えており、カメさんがその被害に合う可能性があるのでお気を付けください!!

水槽に侵入されないように、網を被せるなどの対策を!!お勧めします。

(当院だけでも2例目の被害にあったカメさんです)

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 爬虫類 | 20:57 | comments(0) | - | ↑TOP
犬猫の骨折を手術しないとどうなる?

ソファから飛び降りた、自転車の車輪に巻き込まれた、車に轢かれた、などの原因で、

犬猫が骨折してしまうことがあります。

このような場合に動物病院を受診されると、手術が必要と診断されるケースが多いと思います。

 

今回は、

骨折の手術をしないとどうなるのか?」について解説していきます。

 

まず結論からですが、

骨折の手術をしないといけない状態なのに治療せず放置した場合、

 

足先が変な方向を向いてしまった状態で骨が固まってしまったり、

最悪の場合、

3本足歩行になってしまったり、

骨が皮膚を突き破ってしまい感染を起こしてしまい断脚が必要になるケースも考えられますので、

 

基本的には放置してはいけません。

 

 

まず、

「骨折の手術が必要な部位かどうか?」が重要で、

 

前足(橈骨・尺骨)、上腕骨、脛骨、大腿骨など、

四肢の骨が完全に折れてしまっていた場合は基本的に手術が必要になります。

 

人間でしたらギプスをして松葉杖をついて患部を動かさないようにすることが出来ますが、

動物の場合はそうはいきません。

 

たとえギプスをすることが出来たとしても、

絶えず動き回ろうとするため皮膚が蒸れて擦れてしまい

骨が見える位にお肉がえぐれてしまったりするなど、骨折に加えて更に大変な事態になることもあり、

ギブスで治そうとするのは手術をして治すのとは違った難しさがあります(ギプスの方が術後管理が大変で難しい)。

 

骨盤の骨が折れていた場合、骨折部位によっては便秘になってしまったり、後足で歩けなくなってしまうことがあるため、

整形外科を診察している獣医師にレントゲン検査をして診てもらった方が良いです。

 

指の骨が折れている場合、折れた本数が少なかったり、部位によっては外固定で包帯を巻く程度で骨が癒合できることもあります。

 

骨折した場合に手術が必要かどうかは自己判断が難しいため、

動物病院で診察を受けて適切な治療をしてもらうようにしましょう。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

 

 

 

 

| tarumioasis2 | 骨折 | 18:14 | comments(0) | - | ↑TOP
骨折した犬への海綿骨移植

昔は骨折の原因といえば、

車にはねられてしまったなどの事故が一般的な原因でしたが、

近年では落下事故で骨折してしまうことが最も多い原因になっています。

具体的には、ソファから飛び降りた、抱っこしていて落としてしまった、などが多いでしょう。

 

そのような骨折を修復するために、

医療機器メーカー各社がロッキングプレートシステムという新しい原理の骨折修復システムを発売しており

動物病院でも使われるようになってきました。

 

当院でもシンセス、KYON、Fixinなどのロッキングプレートを症例に応じて使い分けて使用しており

手術成績はとても良好です。

 

ただ、世間一般的には骨折の癒合不全の件数が増えているといわれております。


そのような癒合不全の時や再手術時に行うことが多い手術が、自家骨移植(海綿骨移植)です。

この手術は、骨折した骨が感染してしまい癒合しない場合や、手術を行ったものの治らなかった場合などに行います。

 

海綿骨移植の方法は、骨折している犬猫自身の骨盤の骨の一部を採取したり、上腕骨に孔をあけて海綿骨を採取したりします。

そして、骨折している部位の骨断面をきれいして、骨折部位の周りに採取した海綿骨を詰め込み、プレートで固定します。

 

以前に手術して治らなかった骨折症例などでも、この方法を使うと治癒が期待できることがあります。

当院でもこの方法で癒合不全に陥った犬の治療を行っており、とても良好な成績を得ています。

 

治療が上手く行かず癒合不全に陥ってしまっていたとしても、

骨移植や特殊なチタンプレートを上手く使い固定することによって、

また機能を取り戻して歩けるようになる可能性があります。

 

骨が癒合せずにもう歩けるようにならないんだろうか、とお悩みの方は、

 

「まだ治すことができる骨折なのか?」など

どうすれば良いかなどアドバイスもできますので、

一度ご相談に来院してみてください。

 

別記事⇒犬橈尺骨の癒合不全(トイプードルの前足骨折)

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 骨折 | 14:09 | comments(0) | - | ↑TOP
ウーパールーパー(暑さ対策・夏の過ごし方)

ウーパールーパーを飼いたい!と思って飼育方法を調べていると、

「アホロートルは冷たい水を好み(5〜15℃)、高温には弱いため20℃以上にはしないようにします。」

と書かれていたりします。

 

ウーパールーパーについて詳しくは⇒「ウーパールーパー知っておくべき【なりやすい4つの病気】」

 

日本の夏は温暖化の影響もあるせいか、気温が30℃を超える日も珍しくありません。

ここで、ウーパールーパーのために水温を低く保つにはどのように飼育すれば良いの?

という疑問が浮かぶのではないでしょうか?

 

考えられる温度を管理する方法は以下の通りです。

 

.┘▲灰鵑鮖箸辰道育

電気代は掛かるが簡単に温度管理が可能。

 

 

▲ーラーボックスの中に水槽を入れて飼育

保冷剤を毎日入れ替えて温度管理を行う。

手間がかかる。

 

 

ワインセラーなどの中で飼育

温度管理が簡単で便利だが、ワインセラーを準備する必要がある。

 

 

た總緲僂離ーラーを使って飼育

便利だが、装置が高価。

 

 

ちなみに、我が家のウーパールーパーくんは、

,離┘▲灰鵑鮖箸辰道育しています。

ただし、猛暑日の中で20℃以下なんて温度設定には中々出来ないため、

涼しい玄関に水槽を置いて、昼間の暑い時間帯だけエアコンをつけたりして28〜30℃以上にはならないようにしています。

 

ウーパールーパーには20℃以下の水温が理想ですので本来はかい覆匹より良いのですが、

実際は水の交換やフィルター掃除などを頻繁にすれば、意外と日本の夏でも乗り越えることが可能です(※地域によるかもしれません)。

 

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

 

| tarumioasis2 | 両生類 | 20:00 | comments(0) | - | ↑TOP
犬の前足の骨折(症例まとめ)

先日、神戸市兵庫区の動物病院の先生からご紹介頂きまして前足を骨折した犬が来院されました。

 

この子も前足が骨折しており、ソファから飛び降りて骨が折れてしまったそう。

体重が2kg台と小さく、

骨の厚みが2〜3mm程度と小さいためかなり繊細な手術が必要になりましたが、

今回もチタン製プレートを使って問題なく整復固定できました。

 

↑プレート法で固定

 

超小型犬の前足の骨折は癒合不全に陥りやすいため注意が必要ですが、

当院で治療させて頂いた症例では現在までのところ問題なく全例骨癒合しており、

今回も癒合してくれるはずです。

 

ただ、また飛び降りたりするとプレートごと壊れることが有り得るため、

2〜3か月の間は安静が必要です。

 

ワンちゃんがんばりました!

早く良くなりますように。

 

犬の前足骨折(橈尺骨骨折)治療例

1、橈尺骨骨折(前足の骨折)

2、橈尺骨骨折(髄内ピン法)

3、橈尺骨骨折(LCPプレート法)

4、橈尺骨骨折(LCPプレート法)

5、橈尺骨骨折(LCPプレート法)

6、橈尺骨骨折(LCPプレート法)

7、橈尺骨骨折(LCPプレート法)

8、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

9、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

10、橈尺骨骨折(髄内ピン法)

11、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

12、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

13、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

14、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

15、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

16、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

17、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

18、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

19、橈尺骨骨折(髄内ピン法)

20、橈尺骨骨折(髄内ピン法)

21、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

22、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

23、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

24、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

25、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

26、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

27、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

28、橈尺骨骨折(ギプス固定)

29、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

30、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

31、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

32、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

33、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

34、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

35、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

36、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

37、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

38、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

39、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

40、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

41、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

42、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

43、橈尺骨骨折(ALPSプレート法)

…etc

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

 

 

 

 

| tarumioasis2 | 骨折 | 16:57 | comments(0) | - | ↑TOP
カメの鼻水、涙が出る、呼吸音がする、眼の腫れの原因は?【カメの上部呼吸器疾患・鼻炎】

鼻から何か「ヒューヒュー、ピーピー」と変な呼吸音が聞こえるようになった、

という主訴でカメが動物病院に連れて来られることがあります。

このような場合は、なんらかの呼吸器疾患の可能性がありますので注意が必要になります。

(カメの中でも呼吸器疾患は、水棲ガメには少なく見らリクガメに多くみられる

 

哺乳類と同じようにカメの呼吸器系は上部呼吸器と下部呼吸器に分類されます。

上部呼吸器とは鼻周辺のことを言い、下部呼吸器は気管や肺などをいい、

今回は上部呼吸器疾患(鼻炎)についてカメを診察している獣医師が解説してきます。

 

原因

感染性:細菌、マイコプラズマ、ウイルス、真菌 ⇔ほとんどの原因は感染性

 

非感染性:異物(床材のチップなど)、外傷

 

多くの場合、

不適切な飼育管理(温度湿度、食餌内容、ケージ、ビタミンA不足、多頭飼育など)や、

ストレス(温度の変化、栄養失調、繁殖期、冬眠など)などの免疫低下時に引き起こされる。

 

症状

上部呼吸器疾患になると、鼻水、流涙、眼周囲の腫れ、口内炎などが認められます。

鼻水は感染を起こすと、白く濁るようになってきます。

 

症状が進行すると、鼻水や膿などで鼻孔が塞がってしまい呼吸が出来なくなるため、

開口呼吸をしたり、呼吸をするために前足を動かしたり、頭を伸ばす様子が見られるようになってきます。

食欲の低下や活動性の低下が認められます。

水棲ガメでは水中に潜れなくなったり、水中で傾いてしまったりすることもあります。

 

 

診断

問診(飼育環境、餌などの聞き取り)や身体検査を行い、上記の症状が認められれば上部呼吸器感染症を疑います。

その後、鼻水の細胞診検査、細菌感受性検査(どの種類の抗生剤が効くかどうか調べる検査)、レントゲン検査、

場合によってはCT検査などを実施していきます。

カメの状態によっては念のためレントゲン検査を実施して、肺炎になっていないか確認が必要です。

 

治療

まず飼育環境の見直しを行います。

環境温度の設定はそれぞれの種類の至適温度の範囲で高めの温度を維持するようにします。

細菌感受性試験の結果に基づいて、抗生剤を選択して全身投与(経口投与など)します。

また、鼻腔洗浄を行ったり、ネブライザーを使って蒸気や薬剤を吸入することも有効です。

 

 

最後に

慢性化してこじらせないようにするために、鼻の症状が気になる場合は早めに動物病院へ受診させてあげて下さい。

 

| tarumioasis2 | 爬虫類 | 08:56 | comments(0) | - | ↑TOP
うさぎの強制給餌の方法

垂水オアシス動物病院では、

ウサギの診察を行っておりまして、よく食欲不振のウサギが来院します。

 

「昨日まで食べていたのに、今日から突然食べなくなってしまった!」など、

ウサギを飼育されている方なら覚えがあるのではないでしょうか?

 

食欲不振の多くの原因は胃腸うっ滞であったり、歯が伸びすぎていたり、内臓に異常が有ったりする訳ですが、

そのような病気の治療をしつつ、平行して行う必要があるのが「強制給餌」です。

 

食べなくなった場合、胃腸の働きが停止してしまい、

更に食べなくなる悪循環ループに嵌ってしまうと抜け出せずに急激に弱っていってしまいます。

そこで、強制的に流動食を口に入れていき、食べさせる方法が「強制給餌」なのです。

 

今回は、その強制給餌のやり方ついて説明していきます。

 

 

  • 準備

必要なものを準備します。

流動食の粉、シリンジ、水、ティッシュなど

 

  • 流動食を作成

流動食の粉と水を混ぜて、流動食を作成します

 

  • 強制給餌の方法

ウサギへの強制給餌は仰向けで行うことも、うつ伏せの状態で行うことも出来ます。

どちらが良いかは、ウサギの嫌がり方の度合いや、飼い主さんの好みもありどちらでも可能です。

 

ウサギの口に流動食が入ったシリンジを口の斜め方向から差し込んで(歯でシリンジを噛まれないように注意)、

少しずつ流動食を入れていきます。

一度に大量に給餌せず、少しずつ、飲み込んだのを確認しながら投与してきます。

 

ウサギが流動食を出してきてしまう場合は、

シリンジをもう少し口の奥へ入れて流動食を入れるようにします。

 

強制給餌中にウサギが嫌がって暴れた場合、無理やり押さえつけると骨折する原因になるため、

無理をせずに力を抜いて、ゆっくりと強制給餌を行ってください。

 

また、

飛び降りてしまい骨折してしまうなどの事故を防ぐために、

机などの上では行わずに床の上で地べたに座って強制給餌を行ってください。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

 

| tarumioasis2 | うさぎの病気 | 09:28 | comments(0) | - | ↑TOP
前足の骨折について(橈尺骨骨折)

先日、前足を骨折したワンちゃんが明石にある動物病院の先生からご紹介頂いて来院されました。

まだ幼い体重が2kg台のトイプードルちゃんのため、骨が柔らかくとても折れやすいです。

 

↑手術前(橈骨と尺骨が折れています)

 

↑手術後(プレートで骨折を整復固定しました)

 

特に問題なく手術も終了しましたので、

だいたい2〜3か月程度で癒合するはずです。

 

がんばりました!

早く良くなりますように…。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です )

| tarumioasis2 | 整形外科 | 10:17 | comments(0) | - | ↑TOP
ウサギの子宮癌(避妊手術)

先日、ウサギの子宮癌の摘出手術を行いました。

 

以前から爪切りなどで定期的に来院されていたウサギさんだったのですが、

中高齢の雌ウサギで、避妊手術は行っていませんでした。

 

爪切りで来院された時に、

念のため腹部のエコー検査を実施すると、

お腹の中の子宮と思われる部位が腫れています。

 

3歳を超えると80%程度の雌ウサギに子宮癌が認められるとも報告されていることから、

子宮癌の可能性も否定できないため飼い主さんとご相談の結果、

子宮・卵巣摘出術を行うことになりました。

 

すると、やはり子宮がとても腫れており、

術後の病理組織検査でも「子宮癌」との診断結果がでました。

 

↑※閲覧注意(手術画像です):子宮がボコボコに腫れています

 

↑閲覧注意(手術画像です):摘出された子宮と卵巣

 

まだ転移が認められない無症状のうちに子宮癌が摘出ができてとてもラッキーだったと思います。

 

気づかずに放置すると、

お腹の中や肺に転移してしまったりするため、

避妊手術を受けていない女の子ウサギさんは気を付ける必要がありそうです。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

| tarumioasis2 | うさぎの病気 | 09:37 | comments(0) | - | ↑TOP
ジャンガリアンハムスターの腫瘤(膿瘍手術)

先日、お尻の辺りに出来物が出来ているという主訴でジャンガリアンハムスターが来院されました。

 

 

確かに、

診させて頂くと肛門の右側辺りに1cm大の腫瘤ができています。

このような場合は、腫瘍か膿瘍などが考えられます。

 

飼い主さんとご相談の結果、

腫瘤を摘出することになりました。

 

 

肛門や直腸のすぐ付近の腫瘤だったため、

難易度の高い手術でしたが大きな問題もなく摘出でき、

腫瘍ではなく膿瘍だったため、膿瘍の被膜ごと切除して終了となりました。

 

 

お疲れさまでした!

早く元気になりますように…!

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

| tarumioasis2 | ハムスター | 09:24 | comments(0) | - | ↑TOP
ジャンガリアンハムスターの腫瘍(前足のできもの)

先日、大阪からジャンガリアンハムスターちゃんが来院されました。

前足に出来た腫瘍が大きくなり、摘出を希望されて来院されたのでした。

飼い主さま遠くまでお疲れさまです。

 

飼い主さまはなるべく前足を温存したいというご希望だったのですが、

前足そのものから腫瘍が発生していたため、ほぼほぼ腫瘍のみを摘出することは難しそうでした。

 

ご相談の結果、腫瘍の摘出術をまず試みて、

腫瘍の摘出が難しい場合は、前足の断脚手術を実施することになりました。

 

 

まず、ガス麻酔で寝てもらいますZZZ

↑右前足に大きな腫瘍ができています

 

↑右足の腫瘍を摘出しました。やはり腕からの腫瘍だったため、断脚手術を実施しました。

 

今回も半導体レーザーを使うことで、ほぼ一滴の出血も無く摘出が可能でした。

 

この後、問題なく目覚めてくれてお家へ帰っていってくれたので良かったです。

 

飼い主さまから大切にされて

本当に幸せなハムちゃんだなといつも思います。

元気で長生きしてね〜!

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | ハムスター | 11:44 | comments(0) | - | ↑TOP
猫を探しています

こちらの猫ちゃんを見かけた方は連絡してあげて下さい。

よろしくお願いします。

 

| tarumioasis2 | お知らせ | 20:29 | comments(0) | - | ↑TOP
犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)を「手術しない」とどうなる?

膝蓋骨脱臼とは、

膝蓋骨が大腿骨遠位にある滑車溝から内方もしくは外方に脱臼する疾患です。

 

膝蓋骨脱臼の症状がある犬では、

 

  • 突然キャンとないて後足を痛そうにする
  • 後足を曲げ伸ばしした時に膝からコキコキと変な音が聞こえる
  • 時々後足でスキップ様の歩行をする(ケンケンする)
  • 脱臼している膝蓋骨を自分で戻そうとして後足を伸ばす動作をする


などの症状がみられます。

 

膝蓋骨脱臼のグレードや状態にもよりますが、【グレード分類についてはこちらへ

 

グレード1〜2で全く無症状の場合は手術をせずに経過観察することが多いです。

無症状のグレード1〜2の小型犬の場合、

床を滑らないようにマットを敷いたり、

太らないように体重を管理したり注意をしていけば、

膝蓋骨脱臼があったとしても関節炎や痛みを引き起こさないこともあります。

 

ただし、

グレード1〜2でも症状がある場合や、

グレード3以上の場合は、

手術しないで放置すると、

高齢になってから最終的に変形性関節症(関節炎)になる可能性が高いことから、

若いうちに整復手術を受けた方が良い場合が多いです。

 

また、

文献によると膝蓋骨脱臼のある犬の少なくとも15%から20%では、

高齢になると最終的に前十字靭帯が断裂すると報告されています。【前十字靭帯断裂と膝蓋骨脱臼の併発症例の記事はこちら

 

 

これは膝蓋骨が脱臼することで膝の生体力学が変化してしまい、

前十字靭帯により多くのストレスと負荷が掛かるためと考えられます。

 

以上のことから、

膝蓋骨脱臼を手術しないで放置すると、

関節炎が進行してしまったり、前十字靭帯が断裂してしまったりするため、

特に、

症状のある犬、

またはグレード3以上の場合は若いうちに整復手術を行った方が良いと思います。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

| tarumioasis2 | 膝蓋骨脱臼(パテラ) | 19:24 | comments(0) | - | ↑TOP
犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)両足とも手術するべきか?

今回は犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)について。

「両足同時に膝蓋骨脱臼の手術は出来ますか?」という質問を頂くことが時々あります。

 

飼い主さんとしては、

一度に手術を済ませた方が短期間で済みますし、

麻酔も一回だけですし、

犬にとっても楽なんじゃなかろうか、

とお考えになるのだと思います。

 

確かに同時にできるものなら、

同時に両足を治してあげた方がメリットが多くて良さそうですよね。

 

下記の報告によると、

 

Simultaneous Surgical Repair of Bilateral Medial Patellar Luxation: Clinical Outcome and Complications in 21 Dogs and 5 Cats」 WSAVA/FECAVA/BSAVA World Congress 2012 R. DeSousa; M. Farrell; N. Fitzpatrick Fitzpatrick Referrals, Eashing, Godalming, Surrey

 

結論として、

「両側の内側膝蓋骨脱臼は、犬、猫、小型、中型、大型の品種で同側同時に手術が可能で、合併症率と臨床転帰は良好」

とされています。

 

また、

Comparison of short‐term complications between unilateral and single‐session bilateral surgery for medial patellar luxation in small/medium breed dogsJSAP Volume60, Issue1 January 2019Pages 51-57

 

では、片側を手術したグループ(12%)と比較して、両側を手術したグループ(23%)の方が、

合併症の頻度が高かった、と報告されています。

 

ということで、

両足を同時に手術することは技術的にできますし、

術後成績にそれほど大きな差はなさそうなため、両肢を同時に手術することは可能です。

 

両足を同時に手術される先生もいらっしゃると思います。

 

ただ、犬は松葉杖を使えないですし、後肢が同時に両方とも使えなくなる(後肢が立てなくなる)と

しばらく生活が大変そうな気がします。

そのため、当院では片側ずつ時間をあけて膝蓋骨脱臼の手術をお勧めしています。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 膝蓋骨脱臼(パテラ) | 10:47 | comments(0) | - | ↑TOP
膝蓋骨脱臼(パテラ)のサプリメントについて

患者さんから

「犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)に効果があるサプリメントはないですか?」と、

質問を頂くことがあるのでご紹介したいと思います。

 

先にお伝えせねばなりませんが、

膝蓋骨脱臼は物理的に膝のお皿の骨が外れてしまう疾患のため、

サプリメントを与えても膝の骨、筋肉、関節が治ることはありません。

残念ながら、

根本的な治療法は外科手術しかありません。

   

サプリメントの使い方としては、

グレードが軽く様子を見たい場合や、

手術後にも関節炎がひどくならないようにしたい場合や、

持病があり手術ができない場合などに良いと思います。

 

※グレード分類については

【犬のパテラ(膝蓋骨脱臼)グレード分類について】記事をご覧ください

 

各社いろんなメーカーがサプリメントを製造・販売していますが、

当院ではその中でも「アンチノール」をよくお勧めしています。

 

こちらのアンチノールについては、くわしくは公式サイトを見てください。

 

個人的な感想としても、

アンチノールはとても効果が実感できるサプリメントだと思います。

当院でもお渡しすることがよくあり、

飼い主さんも効果を実感されて継続されている方が多いと感じます。

 

一般的にサプリメントはエビデンスが無いことが多いと思われますが、

アンチノールは海外を中心に色々研究がされていて効果が認められているようです。

 

昔、私自身の肩がとても痛くて整形外科通いをしていた時がありまして、

あまりにも良くならないため犬猫用のアンチノールを飲んでみたことがありました。(←人体実験?)

すると、アンチノールを飲んでいる間は痛みが軽減して、

止めるとまた痛くなり、また飲み始めると痛みが減りました。

 

それ以来、

関節炎の犬猫にはアンチノールをお勧めしています。

 

いちど試してみたい方は、

当院スタッフまでお声がけ下さい。

※アンチノールは人間用ではありません

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

 

  

 

 

| tarumioasis2 | 膝蓋骨脱臼(パテラ) | 13:47 | comments(0) | - | ↑TOP
犬のパテラ(膝蓋骨脱臼)グレード分類について

 

犬のパテラ(膝蓋骨脱臼)とは

 

 

犬のパテラ(膝蓋骨脱臼)は、後肢にある膝蓋骨(いわゆる膝のお皿)が正常な位置からずれてしまっている状態をいいます。

 

※詳しくは「犬の膝蓋骨脱臼」記事へ】

 

ひとことでパテラと言いましても、ほぼ問題の無い軽度のものから、重度なものまで程度は様々です。

今回は、パテラのグレード分類について説明してきます。 

 

 

犬のパテラ(膝蓋骨脱臼)のグレード分類

 

 

犬のパテラには重症度の分類法があり、

グレード1(軽度)〜グレード4(重度)までに分けられます。

グレード1

 

膝蓋骨は指で押すと脱臼するが、指を離すと元に戻ります。

膝蓋骨は、膝関節を伸ばした状態で膝蓋骨を用手で押すと脱臼しますが、手を離すと自然に滑車溝に戻ります。

脛骨が非常にわずかに回転していることがあります。

グレード2

 

指で押すと容易に脱臼するが指を離しても自然には元に戻らない。

膝蓋骨脱臼が頻繁に発生します。30°程度の内側への脛骨のねじれと、脛骨稜がわずかに内側へずれている場合があります。

グレード2の犬の多くは、無治療でも何年間か良い状態で過ごすことができます。

しかし、滑車溝から膝蓋骨が脱臼することで、膝蓋骨の関節面および関節軟骨の摩耗が進行していくことがあります(軟骨は再生しません)。

グレード3

 

普段から脱臼したままで、指で押すと正常な位置に戻せるが、指を離すとすぐ脱臼してしまう。

脛骨に30°〜50°のねじれと脛骨稜のずれが認められ、ずっと脱臼したままです。

多くの動物は、半屈曲した状態で後肢を使用します。滑車は非常に浅くて平らになっています。

グレード4

 

普段から脱臼したままで、指で押しても正常な位置に戻せない。

脛骨は50〜90°程度ねじれており、膝蓋骨は永久的に脱臼しています。滑車溝は全く存在しないか、凸状のことさえあります。

後肢を屈曲した状態で、しゃがんだような様子で歩きます。

 

 

 

 

最後に

 

 

今回は膝蓋骨脱臼のグレード分類について書いてみました。

 

グレードと症状の重さは必ずしも一致しないため、

「うちの犬は無症状なので軽症だろう」と飼い主さんが思っていると、

実はグレード4だったということも有り得ます。

 

逆に、グレードが1や2でも時々スキップ様の跛行などの症状が認められることもあり

グレード分類で全てを表せる訳ではありません。

 

治療が必要かどうかなど詳しくは

膝蓋骨脱臼の治療を行っている動物病院の先生にご相談してみて下さい。

 

 

 

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

| tarumioasis2 | 膝蓋骨脱臼(パテラ) | 13:00 | comments(0) | - | ↑TOP
犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)

 

犬の膝蓋骨脱臼とは

犬の膝蓋骨脱臼は、後肢にある膝蓋骨(いわゆる膝のお皿)が正常な位置からずれてしまっている状態をいいます。

 

膝蓋骨脱臼には、内側に外れれる内方脱臼と、外側に外れる外方脱臼がありますが、ほとんどのケースは内方脱臼です。

 

この膝蓋骨脱臼はどんな犬種にも見られますが、内方脱臼は小型犬(トイプードル、チワワ、シーズー、ヨークシャテリア、ポメラニアン等)に多く、外方脱臼は大型犬にまれに見られる傾向があります。

 

膝蓋骨脱臼は内方脱臼が見られることが多く、重度の場合では大腿骨が湾曲してしまい、内反股(ないはんこ:大腿骨が内側に湾曲するする状態)になってしまいます。

 

また、外方脱臼は大型犬にまれに見られ、重度の場合では外反股(がいはんこ:大腿骨が外側に湾曲する)になることがあります。

 

 

 

 

犬の膝蓋骨脱臼の原因

先天的原因【ほとんどの原因】

膝蓋骨脱臼になる犬は、生まれた時から先天性に(遺伝的)膝関節周囲の筋肉や骨に異常が存在していることから、

成長と伴に筋肉と骨の成長がアンバランスになり、膝蓋骨が脱臼してしまうと考えられています。

 

後天的原因【稀な原因】

後天性のものでは、事故などによる外傷などで膝周囲の組織に損傷が生じたり、

膝周囲の骨が骨折して膝蓋骨脱臼が引き起こされることもあります。

 

 

 

 

犬の膝蓋骨脱臼の症状

膝蓋骨脱臼の症状は、その程度により、全くの無症状から歩くことが難しいケースまで様々です。

程度により、後肢を曲げたまま歩く、スキップ様の歩行をする、後肢を伸ばしてケンケンする等の症状が見られます。

 

 

 

 

犬の膝蓋骨脱臼のグレード分類

犬の膝蓋骨脱臼には重症度の分類法があり、

グレード1(軽度)〜グレード4(重度)までに分けられます。

グレード1

指で押すと脱臼するが、指を離すと元に戻る。

グレード2

指で押すと容易に脱臼するが指を離しても自然には元に戻らない。

グレード3

普段から脱臼したままで、指で押すと正常な位置に戻せるが、指を離すとすぐ脱臼してしまう。

グレード4

普段から脱臼したままで、指で押しても正常な位置に戻せない。

 

 

 

 

犬の膝蓋骨脱臼の治療法

症状に合わせて治療方法を選択していきます。

症状が軽度であれば一時的に運動を控えたり、痛み止めを投与するなどの内科治療を行います。

 

膝蓋骨脱臼は、物理的に膝蓋骨がずれてしまう病気であり、

痛み止めやサプリメントなどを飲んだり、

サポーターを着けたりしても、

膝蓋骨が外れなくなる訳ではないため、

症状が継続して見られるようであれば膝蓋骨を正常な位置に戻す手術を行う必要があります。

 

ただしグレードが進行しすぎ、変形が重度の場合には手術に適さないこともあります。

 

 

 

 

膝蓋骨脱臼の手術が必要になる場合とは?

膝蓋骨脱臼はその程度により、最も軽いグレード1〜最も重いグレード4に分類されます。

現在獣医療界では様々な手術法が考案されており、手術の適応の基準も病院によって様々です。

 

当院では以下の場合に膝蓋骨脱臼に対して手術が必要と考えています。

 

・ グレード3以上の場合

 

・ 若齢時におけるグレード2以上で、成長に伴い今後骨の変形が予想される場合

 

・ グレードが1〜2であっても、脚をあげたり痛がったりが高頻度に見られる場合

 

全くの無症状の場合は、手術をせずに経過観察していくこともあります。

 

 

 

犬の膝蓋骨脱臼の手術方法

造溝術、内側支帯の解放、外側関節包の縫縮、人工靭帯による脛骨の牽引(大腿骨と脛骨の位置関係が変わってしまっている場合)、もしくは脛骨粗面転移術といった術式を組み合わせて行います。

 

最重症のグレード4の場合で大腿骨に変形が認められる場合、

大腿骨を骨切りしての変形矯正が必要になることがあります。

 

↑脛骨粗面転移術

 

↑人工靭帯による脛骨の牽引

 

手術前のX線検査画像。膝蓋骨(黄色矢印)が脱臼しています。

手術前のX線検査画像
膝蓋骨(黄色矢印)が脱臼しています。

 

膝蓋骨脱臼整復後のX線検査画像。膝蓋骨(黄色矢印)が正常位に整復されました。

手術後のX線検査画像
膝蓋骨(黄色矢印)が正常位に整復されました。

 

 

犬の膝蓋骨脱臼の予防法

膝に負担をかけないことが重要です。

フローリングなどの硬くて滑りやすい床は膝への負担がかかりやすいので、

じゅうたんやマットなどを敷くといいでしょう。

 

 

 

 

犬の膝蓋骨脱臼についてのQ&A

Q1、犬の膝蓋骨脱臼は手術するべきか、しないべきか?
グレード3で時々外れがち、痛みはたまにあるようです。

 

A1、グレード3で症状があるようであれば手術適応になります。

若いうちに手術を済ませておいた方が良いでしょう。

無治療で様子をみると軟骨が損傷したり、関節炎が悪化したり、

将来的に前十字靭帯も切れてしまう場合があります

 

 

 

Q2、膝蓋骨脱臼の手術後はどのくらいの期間安静が必要ですか?

 

A2、骨が癒合するのに2〜3か月程度掛かります。

そのため、2〜3か月は安静にする必要があります。

 

 

 

Q3、両足同時に膝蓋骨脱臼の手術は出来ますか?

 

A3、技術的には可能ですし、両肢を同時に手術される先生もいらっしゃると思います。

ただ、犬は松葉杖を使えないため後肢が同時に両方とも使えなくなるのはとても不便だと思います。

そのため、当院では片側ずつ時間をあけて膝蓋骨脱臼の手術をお勧めしています。

 

詳しくはこちらへ⇒【犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)両足とも手術するべきか?】

 

 

Q4、手術後に膝蓋骨脱臼が再発する可能性はありますか?

 

Q4、グレード1、2、および3の膝蓋骨脱臼の外科的修復を受けた犬の90%以上は、重大な合併症はなく、

手術で正常または正常に近い機能に戻ると報告されています

 

当院では膝蓋骨脱臼の整復手術を過去にも行ってきました。

経験的にもグレード1〜3までの膝蓋骨脱臼症例では

ほとんどのケースで正常または正常に近い機能に戻ると考えています。

 

ただ、最重度のグレード4では、標準的な手技では膝蓋骨脱臼の整復が難しく、

脱臼を整復するために大腿骨を切ってプレートで固定(大腿骨の変形矯正)する必要がある場合がありますし、

状態によっては機能回復し難いことがあります。

 

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

| tarumioasis2 | 膝蓋骨脱臼(パテラ) | 19:01 | comments(0) | - | ↑TOP
TPLOの合併症(前十字靭帯断裂)

犬が急に後ろ足を痛がりだして、ケンケンしている、ということで、

動物病院へ連れていくと「前十字靭帯断裂」と診断されることが多いと思います。

 

前十字靭帯の断裂は小型犬〜大型犬の跛行(歩様の異常)の一般的な原因の一つです。


糸を使用した関節外安定化術が国内では一般的に行なわれておりますが、

関節外安定化術では膝関節の安定性を得るために非吸収性の糸を用いて行なわれる為、

糸の「断裂」や「ゆるみ」により手術後に臨床症状が再発する症例が存在します

 

特に、関節外安定化術では体重負荷の大きい大型犬や、

脛骨高平部の角度が急な小型犬(ヨーキーなど)では、

たとえ完璧な手術を実施したとしても、

術後に糸が切れてしまい症状が再発するケースがどうしても一定数(10%程度)認められていました。

 

そこで、


1993年にアメリカのDr.Slocumらが考案した、犬の前十字靭帯断裂症に対する新しい手術法がTPLO(Tibial plateau leveling osteotomy : 脛骨高平部水平化骨切術)です。以後米国を中心として20年以上の歴史があり、当初は大型犬へ応用されていましたが、現在では小型犬や猫にも広く行われています。

 

ただ、海外では広く行われていますが、

国内ではTPLOを施術している動物病院は全国的にみても少なく、

神戸市内でもTPLOを実施している施設はほとんどありません。


複雑な手術で、特別な器具とトレーニングが必要となりますが、国内で一般的に実施されている関節外安定化術よりも多くの点で優れており、現在、最も成績の良い治療法とされています。(90%以上に症状の改善が認められる)
TPLOには術後早期の回復が得られること、術後の機能回復がより良好であること、手術後の骨関節炎の進行がより軽度であること、手術後の半月板損傷の発生率が低いなどのメリットがあります。


当院では小型犬〜大型犬のTPLO専用器具一式を揃えており、

前十字靭帯の損傷に対して、積極的にTPLOを実施しています。

 

 

TPLOの合併症とは?

ただ、術後の回復が最も良いとされているTPLOにも合併症は存在します。

 

報告によると、

TPLO手術に伴う合併症の発生率は10〜34%で、再手術が必要な合併症は<5%とされています。

 

どんな合併症が起こりえるのか見ていくことにしましょう。

 

まず、

術中の合併症から。

 

1、脛骨や腓骨の骨折

 

2、前脛骨動脈からの出血

脛骨をソーで切る時に動脈を傷つけると、大量の出血が引き起こされることがある。

術中に骨から筋肉を分離したり、ガーゼを詰めたりすればある程度回避可能。

出血した場合は、止血が必要。

 

3、ドリルやスクリュー、ピンの破損

骨に穴を開けたときに、ドリルやスクリュー、ピンが途中で折れてしまうと取り除けなくなることがある。

そのままにするしかない場合が多い。

 

4、スクリューが関節内に入る

スクリューを挿入する角度を間違えると、関節内にスクリューが入ってしまう。

術中に気を付けて手術を行い、必要があれば術中にレントゲン検査を行えば回避できる。

 

5、スクリューが骨切り線に入ってしまう

プレートの設置位置をよく検討して、スクリューを挿入する必要がある。

必要があれば術中にレントゲン検査を行う。

 

次に、

術後の合併症

 

1、感染

術後に感染が発生することがある。

感受性試験や抗生剤の投与を行い治療を行う。

 

2、漿液の貯留

術後に圧迫包帯を行って予防。

 

3、半月板損傷

内側半月板が損傷することがある(<5%)。

 

4、脛骨粗面の骨折

TPLOで骨を切っているため、

この部位(脛骨粗面)が折れることがある。

 

5、スクリューの破損

術後の安静不足。

プレートやスクリューのサイズを大きくすれば予防できる。

 

6、スクリューが緩む

ロッキングプレートやスクリューを使用すれば予防できる。

 

詳しく知りたい方は、

英文になりますが(グーグルの翻訳機能などを駆使してみてください)

 

Complications associated with tibial plateau leveling osteotomy: A retrospective of 1519 procedures

 

Complications of tibial plateau levelling osteotomy in dogs

 

をご覧ください。

 

今回は合併症について記載しましたが、

実際のところTPLOは重度の合併症も少なく良好に治癒することがほとんどです。

 

当院でのTPLO手術症例でも幸いなことに今までのところ大きな問題は発生しておらず、

術後の運動機能の回復も良好で皆とても良い感じです。

 

TPLOは術後成績が良くメリットが多い手術です。

 

ただ、

確率としては少ないものの、

術後の感染症や合併症が発生する可能性は、

上記論文のように米国外科専門医の執刀時でもゼロではないと報告されているため、

TPLOを受けられる際には、主治医の先生に事前に考えうる合併症についてもお聞きになられるのをお勧めします。

 

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

| tarumioasis2 | 前十字靭帯断裂(TPLOなど) | 19:36 | comments(0) | - | ↑TOP
前十字靭帯断裂と膝蓋骨脱臼の併発症例

先日、後肢を痛がるという主訴で、

前十字靭帯断裂の犬(トイプードル)が来院されました。

 

以前、反対側の後肢も同症状のため前十字靭帯断裂の手術することになった犬が、

今度は逆の足を着かないという主訴で来院されたのでした。

 

「前十字靱帯断裂」という病気は大型犬や小型犬によく見られる疾患です。
前十字靱帯は後ろ足の膝にある靱帯で、これが急激な運動(外力、外傷など)で突然切れると
急に後ろ肢をかばって歩くようになります。

 

大体は触診やX線検査で診断ができ、
ある日突然、犬が三本脚で歩くようになった場合は膝の前十字靱帯が断裂している可能性が非常に高いです。

 

今回のケースは、

前十字靭帯断裂膝蓋骨脱臼グレードも併発している症例でした。

 

若いころからの持病である膝蓋骨脱臼のため膝関節に関節炎が生じており、

また、膝蓋骨脱臼があると前十字靭帯が断裂し易いことから、靭帯が断裂してしまったものと考えられます。

 

↑術前:膝蓋骨が脱臼しています

 

 

↑手術中の様子(※閲覧注意)

大腿骨の滑車溝がものすごく浅いため、溝を深くしていきます。

長年の膝蓋骨脱臼の影響で関節軟骨が摩耗していました。

 

↑手術中の様子(※閲覧注意)

膝蓋骨の関節軟骨が摩耗して痛んでいます。

 

↑手術中の様子(※閲覧注意)

大腿骨の滑車溝をブロック状に切除し元に戻すことで深くしました。

 

その他、

関節包の縫縮、関節外法などを組み合わせて、

前十字靭帯断裂と膝蓋骨脱臼グレード3の治療を実施しました。

 

 

↑術後:膝蓋骨が整復されました

 

 

前十字靭帯断裂の治療法として、

今回実施した関節外法以外にもより術後の成績が良いと報告されている「TPLO」という手術方法もありますので、

当院では飼い主さんとご相談の上どちらかを選択して頂いています。

 

2〜3か月で徐々に回復する予定ですので、しばらく安静が必要になります。

早く良くなりますように…。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

| tarumioasis2 | 膝蓋骨脱臼(パテラ) | 10:54 | comments(0) | - | ↑TOP
危険性が高い「マダニ感染症SFTS」

昨日、ヤフーニュースにSFTSウイルスについての記事が出ていました。

 

ヒトの場合で致死率は27%にもなる危険なウイルス感染症で、

ペットへの感染も確認されており、犬の致死率は29%、ネコの致死率は60〜70%で西日本を中心に広がりを見せています。

 

詳しくはぜひヤフーニュースの記事を見てみてください。

 

 

主にダニに刺されると感染するウイルスとされていますが、猫からヒトへ感染した例もあります。

 

記事を見ていると、

 

「これまで把握されているだけで獣医療関係者7人とペットの飼い主11人が感染して、その一部は亡くなっているという。」

 

と載っていました。

 

ニュースになっていないだけで、

動物病院関係者とペットの飼い主さんにも患者さんがいるんですね。

正直ビックリしました。

 

ヒトの致死率が27%ということは、やはり感染してしまうと非常に危険なウイルスであり、

気を付ける必要がありそうです。

 

SFTSウイルスからヒトや動物たちを守るためにも、

ノミやダニの予防をしていない場合は予防をしてあげて下さい!

 

ちなみに、

当院では、動物たちの健康はもちろんのこと、

スタッフの安全を確保するためにも、1か月以内のノミダニの予防をお願いしておりまして、

特に、トリミングやペットホテルなどでお預かりする場合は、ノミダニの予防を必須とさせていただいております。

 

トリミングやペットホテルから帰宅したらノミダニが感染していたなんて事になったら嫌ですものね。

 

動物たちのためはもちろん、

マスクと同じように、感染予防のため、

あくまで未然に防ぐための予防のためですので、

皆様のご協力をよろしくお願い致します。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

  

| tarumioasis2 | コラム | 20:23 | comments(0) | - | ↑TOP
肛門周囲の腫瘍(犬のお尻周りのできもの)

先日、お尻の周囲に腫瘍ができた犬が来院されたのでこの件について。

 

 

犬のお尻の周りに腫瘍(できもの)ができることは意外と多くあります。

 

お尻周りに腫瘍ができた場合、

このまま様子を見ていいものか…、それとも治療を受けた方が良いものか…、

悩まれる方が多いのではないでしょうか。

 

今回は犬のお尻周りに腫瘍ができた場合に、

これはどういったものなのか、どうすれば良いのか等を解説していきます。

 

先に結論から申しますと、

肛門周囲の腫瘍が大きくなる前に何とかした方が良いです。

※腫瘍が大きくなってからの手術では、

手遅れになってしまったり、

肛門括約筋ごと摘出が必要になることがあり、

便失禁などが術後も継続する可能性が出てきてしまいます。

簡単に摘出できる腫瘍が小さいうちに動物病院で治療をして貰いましょう。

 


 

お尻周りにできる腫瘍についてのデータを詳しくみていきますと、

 

犬の肛門周囲には、肛門周囲腺や肛門嚢アポクリン腺などの分泌腺があるため、

他の部位に比べて、分泌腺の腫瘍が多く発生します。(猫ではまれ)

 

犬の肛門周囲の腫瘍の、雄雌比率は、雄が76.9%雌が23.1%で、雄に多くみられます。

また、統計的には良性腫瘍が63.4%、悪性腫瘍が36.6%と悪性の確率が約37%程度です。

 

良性・悪性腫瘍を含めた腫瘍の種類では、

良性の肛門周囲腺腫が最も多くみられ(58.3%)、

その次に、悪性の肛門周囲腺癌(15%)、肛門嚢腺癌(12.2%)となっています。

(参照:ファームプレス社小動物腫瘍外科2より)

 

去勢手術をしていない雄犬に多いのが「肛門周囲腺腫」と呼ばれる良性腫瘍で、

去勢手術を済ませている雄犬や、雌犬には少ないです。

 

良性の「肛門周囲腺腫」の場合、お尻の周りにできものが出来ますが、急に大きくなることはあまりありません。

悪性の「肛門周囲腺癌」の場合は、急激に大きくなり、腫瘍表面が自壊して出血したりすることがあります。

ただ、見た目等だけで判別することは困難なことが多く、組織検査などで詳しく調べる必要があります。

 

 

悪性の「肛門嚢腺癌」は、肛門嚢にあるアポクリン腺由来の悪性腫瘍で、

肛門周囲の4時または8時の位置に腫瘍ができます。

リンパ節へ転移したり、ほかの部位に遠隔転移することが多く、

50%以上の転移率があり、1年後の生存率が10%とされています。

腫瘍発生に伴って、高カルシウム血症が認められることもあります。

 


 

動物病院では、

転移の有無、悪性or良性、血液検査上の異常の有無、摘出可能かどうかなどを判断し、

治療可能なものは摘出を行ったり、去勢手術を実施したりします。

 

 

どの腫瘍も早めに対処すれば比較的簡単に摘出可能なケースがほとんどなのですが、

放置すると徐々に大きくなりどんどん摘出が難しくなるため、

お尻周りの腫瘍に気が付いたら早めに動物病院で診て貰ってください。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

| tarumioasis2 | 腫瘍 | 19:22 | comments(0) | - | ↑TOP
フクロモモンガの脱毛

先日、フクロモモンガが来院されました。

 

(※じつは当院にもフクロモモンガのモンちゃん(男の子)が住んでいます。)

 

今回来院されたフクロモモンガちゃんは女の子で、

頭頂部の毛が左右対称に薄くなっているのに飼い主さんが気付かれて来院されました。

 

↑頭部に左右対称性の脱毛がみられました

 

男の子だと頭頂部に臭腺があるため、脱毛しているように見えることもあります。(←去勢手術を行うと、臭腺が退化して臭いが減ります)

ただ、今回来院されたのは女の子です。

 

フクロモモンガで左右対称性の脱毛は主に高齢の雌で報告されており、

プロラクチン産生下垂体腺腫との関連性が考えられているものの、

この頭部の左右対称性脱毛の原因は今だよく分かっていません。

 

こちらの頭部の左右対称性脱毛は原因不明とされているため、

赤くもなっておらず本人も気にしていないため、このまま様子見がすることになりました。

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | フクロモモンガ | 09:57 | comments(0) | - | ↑TOP
ヘビのスペクタクル遺残(アイキャップ遺残)

両生類と爬虫類の診察もおこなっていることもあり、

垂水オアシス動物病院には時々ヘビの患者さんが来院されます。

 

これを見ている方の中には「えっ、ヘビなんて飼っている人居るの?」と思う方もいらっしゃることでしょう。

じつはここ最近でも女性の方も爬虫類を飼育されている方が増えてきています。

 

ちなみに、女優のガッキーこと新垣結衣さんもヘビではないものの、ヒョウモントカゲモドキを飼育されているとか。

別記事⇒ヒョウモントカゲモドキ

 

 

先日、

脱皮が上手くいかず、スペクタクル遺残(アイキャップ遺残)を起こしたヘビさんが来院されましたので、

今回はこのアイキャップ遺残について。

 

↑脱皮後にアイキャップが遺残していました

 

魚と同じように、ヘビには瞼(まぶた)が無く、まばたきをしない生き物です。

そのかわりに眼の角膜の外側にスペクタクルと呼ばれる透明な膜が存在しており、脱皮と同時に脱落するようになっています。

 

ただ、脱皮後にも関わらず、このスペクタクルが取れずに残ってしまうことがあります。

 

こうした時は、まず、湿らしたティッシュなどを敷いた容器にいれておき、

翌日に水で湿らせたティッシュやコットンなどでやさしく拭くようにします。

スペクタクルが簡単に剥がれない場合は、再度、湿度を高くした容器に入れてを繰り返します。

 

どうしても取れない場合は、

ピンセットなどで角膜を傷つけないように慎重にアイキャップを取り除きます。

 

難しそうな時は角膜を傷つけると危険なため、簡単に取れない場合は無理をせずに動物病院への受診をお勧めします。

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 爬虫類 | 09:56 | comments(0) | - | ↑TOP
異物誤食事故(砂)

先日、調子が悪くてグッタリしているというダックスフントちゃんが来院されました。

 

飼い主さんからお話をお伺いしたところ、

砂浜に散歩にいってからしんどくなっているとのこと。

 

早速、身体のどこに異常があるか調べてみると・・・、

 

X線検査をしてみると、胃と腸内に何かが写っています。

これは何かといいますと、「砂浜の砂」です。

この子は、砂浜の砂を大量に食べてしまっていたのでした。

 

多少砂を食べたぐらいでしたら、

ふつうなら問題なく便に排泄されるハズです。

 

しかし、

この子の場合、翌日になってX線検査をしても砂の位置が変わらず、

グッタリしたまま改善の兆しが無いため、

このままでは危険と判断して「砂」を摘出することになりました。

 

↑※手術画像・閲覧注意:胃と腸を切開して砂を摘出しました

 

↑※手術画像・閲覧注意:摘出された砂

 

その後、

2〜3日で状態が改善し、食餌もとれるようになり、

問題なくお家へ帰っていってくれたので良かったです。

 

海岸線に散歩に行く場合は、

まさかという事態が起きないようにするために、

砂など異物を食べないようにお気をつけください!

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

 

| tarumioasis2 | 誤食事故 | 09:08 | comments(0) | - | ↑TOP
短頭種症候群(軟口蓋過長症)

先日、ペキニーズの短頭種のワンちゃんに「軟口蓋過長症」を改善させる手術を行ったので

今回はこの件について。

 

お家のワンちゃんで、いびきをかいている子はいないでしょうか?

 

特に、ブルドッグ、パグ、フレンチブルドッグ、ボストンテリア、キャバリア、ペキニーズなどの短頭種(鼻ペチャの犬種)で

いびきのような呼吸をしている場合は、この短頭種症候群が疑われます。

 

短頭種のワンちゃんでは歳を取ると鼻腔と口腔との境にある「軟口蓋」と呼ばれる部位が腫れて少しずつ伸びて、

気管に吸い込まれてしまいます。

 

4歳以上になるとさらに状態が悪化していき、8歳以上で呼吸ができなくなってしまうぐらい重篤な状態になってしまうことがある

と報告があります。

 

この病気は慢性進行性の病気のため、

若齢の時(できれば1歳まで)に手術を受けた方がよいとされており、歳を取って喉頭虚脱という状態にまで進行すると、

手術を行っても改善できなくなってしまいます。

 

そのため、

当院では短頭種に避妊・去勢手術を行う時には、短頭種症候群に対する矯正手術を同時に行うことをお勧めしています。

 

↑長い軟口蓋に支持糸をかけています。

軟部組織が腫れないように注意して扱わなければなりません。

 

 

↑術後の様子。軟口蓋が短くなりました。

 

 

↑摘出された軟口蓋

 

軟口蓋を電気メスで切ったりすると、術後に腫れてしまい呼吸困難に陥るケースがある、

と米国での外科研修中に専門医から教わったこともあり、

 

当院では超音波メスや半導体レーザーなどは用いずに、

軟口蓋は鋏でカットし、細い吸収糸で縫合する方法で行っています。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

| tarumioasis2 | 呼吸器疾患 | 20:22 | comments(0) | - | ↑TOP
新型コロナウイルスは犬猫に感染するのか?【獣医師が解説】

新型コロナウイルスは犬猫に感染する?

 

このごろ、

飼い主さんから「新型コロナウイルスに動物は感染しますか?」という質問をいただくことが増えています。

 

動物がいるご家庭では「我が家の動物に感染したらどうしよう…!」と気になる方も多いのではないでしょうか?

 

新型コロナウイルスについて現時点での情報をお伝えしますので、

これを見ると現時点での犬猫に対する新型コロナウイルスの情報を把握することができます。

 

 


 

  • 新型コロナウイルス(COVID-19)の発生の最初の4.5か月間(2020年1月1日から5月9日)で、ペットで陽性が確認されているのは世界で5匹だけ。【香港:2匹の犬、猫、米国(ニューヨーク)では2匹の猫の5匹】 それに対して、ヒトの感染者数は全世界で400万人以上、米国では130万人超(5月9日の時点)。

 

  • 米国、韓国、カナダ、ヨーロッパ(ヒトで多数の新型コロナウイルス患者がいる地域を含む)の感染地域にいる犬と猫からの数千もの検体をPCR検査で調べても新型コロナウイルスは検出されなかった。ペットが自然条件下で新型コロナウイルスに感染することはほとんどないようである。

 

  • 世界的にみても、新型コロナウイルスがペットに感染しているという報告はわずかしかない。ペットからヒトへ感染したという報告はない。COVID-19の主な感染経路は、ヒトからヒトへの感染。

 

  • これまでに新型コロナウイスが陽性となった少数の動物では、新型コロナウイルスに感染しているヒトとの接触で感染したと考えられている。

 

  • 動物を使った実験・研究によると、フェレット、シリアンハムスター、および猫は感染しやすく犬、豚、鶏、アヒルなどの家畜はウイルスに感染しにくいことがわかった。ただ、このような動物が通常の環境下で新型コロナウイルスに感染するという証拠は無い。​

 

  • 4月22日に米国で2匹の猫がCDCおよびNational Veterinary Services Laboratories(NVSL)によって新型コロナウイルスに感染していることが報告された。どちらの猫も軽度の呼吸器症状があった。これらの猫の飼い主の一人は、新型コロナウイルスに感染していることが確認された。この感染猫との同居猫は、ウイルス陰性であった。2匹目の陽性猫は屋外にも出かける猫で、ヒトの感染症例数が多い地域に住んでいた。

 

  • 香港での2匹の犬と1匹の猫は検疫所で飼育されている間に検査された。2匹の犬と1匹の猫が新型コロナウイルスに陽性反応を示した。陽性の3匹はいずれも呼吸器疾患の臨床症状を発症しなかった

 

  • 現時点では、ペットを含む動物が新型コロナウイルスの感染源になっていないと考えられている。

 


 

まとめと現在の推奨事項
2020年5月9日の時点での新型コロナウイルスの世界的な症例数は400万件を超えていますが、

陽性となったペットおよび飼育下または飼育されている野生動物はごくわずかです。

 

すべての場合において、

これらの動物の感染源は、新型コロナウイルスに感染したヒトであると推定されています。

 

また、現時点では、

ペットや家畜などの動物が新型コロナウイルスを人に感染させる証拠はありません。

 

したがって、

念のため動物の飼い主は、
ペットを家以外の人や他の動物と接触させないでください。


猫は他の動物や人との接触を防ぐため、可能な限り屋内に置いてください


犬をリードでつないで、他の人や動物から少なくとも6フィート(約1.8m)離してください。

多くの人や犬が集まるドッグパークや公共の場所は避けてください。


人間が他の人との接触を制限するのと同じように、ウイルスの詳細が解明されるまでの間は、

新型コロナウイルスに感染している人はペットや他の動物との接触を制限するべきです。

 

食べ物を分け合ったり、キスしたり、抱き合ったりしないでください。

また、動物と触れ合う前後に手を洗ってください。

 

【アメリカのAVMA(American Veterinary Medical Association)のホームページより引用】

 


追記

2020.05.29

オランダの農場で従業員がミンクから新型コロナウイルスに感染したとみられる事案があり、世界保健機関(WHO)は27日、「最初に確認された動物からヒトへの感染になる可能性がある」との認識を明らかにした。動物やペットが感染を広げるのかどうか、さらにデータを集めて調べるとしている。

朝日新聞 5月28日付記事より

動物からヒトへ感染する事例は報告されていませんでしたが、オランダで動物→ヒト感染が疑われる事例が発生したようです。

 

 

ただ、

現時点では、世界的に見ても感染した犬猫の数はかなり少なく、

新型コロナウイルスに感染しても、重症化しておらず、

犬猫→ヒトへの感染は報告されていません。

 

新型コロナウイルスについて、

まだまだ不明な点が多く、

今後も情報がアップデートされていくと思いますので、

注意して見守っていく必要がありそうです。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | コラム | 20:07 | comments(0) | - | ↑TOP
TPLOの手術費用(前十字靭帯断裂)

前十字靭帯断裂の手術方法には各種の術式が報告されており、

関節外法、TPLO、TTAなどの術式が主流となっています。

 

その前十字靭帯断裂の治療法の中で、

現在のところ最も術後成績が良いとされているのがTPLOという術式です。

 

当院でも前十字靭帯断裂の症例には、

関節外法とTPLOを用いて治療を行っています。

 

前十字靭帯が断裂してしまい、

 

さてこちらのTPLOという手術法、一般的に高額になることの多い手術として知られています。

 

地域性(都会では高額になる傾向、場所代、物価も高め)や、

整形外科専門の動物病院かどうか、

プレートの種類、

超小型犬や超大型犬かなどによっても費用は変わるかもしれません。

 

地域差はあると思われますが、

TPLOの手術費用はいずれにしても高額になるのは確かです。

 

だいぶ以前にアメリカの外科専門医の先生から聞いた話によると、

本場アメリカでは大体4000〜6000ドル(約43〜65万円)程度のコストが掛かるそうです。

(※一昔前に聞いた話なのであくまで参考程度)

   

最近ではアメリカより日本の方が物価が安くなっているようではありますが、

日本国内でもやはりTPLOは動物医療でも高額に分類される手術手技です。

発症しそうな犬種を飼われている飼い主さんは

前十字靭帯断裂発症に備えて動物用の医療保険に事前に加入しておく方が安心かもしれません。

 

また、

コスト的な制約がある場合は、

TPLOの術式を選ぶのでは無くて手術費用が安価な関節外法(糸を使った方法)を用いて治療することも

状況によっては有り(大型犬や、小型犬でも犬によっては術後に糸が切れて再発してしまう可能性は有ります)だと思いますので、

詳しくは主治医の先生に相談してみて下さい。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

 

 

 

 

 

| tarumioasis2 | 前十字靭帯断裂(TPLOなど) | 20:28 | comments(0) | - | ↑TOP
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