神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
外傷性横隔膜ヘルニア

先日、車にはねられた?かもしれないというワンちゃんが来院されました。

近年都会では放し飼いにされているワンちゃんもほぼ居ないですし、車にはねられるケースは結構珍しいです。

早速、レントゲン検査を行ってみたところ、骨折など骨には問題が無かったのですが、

腹部の内臓が胸腔へ入ってしまっており呼吸がやや苦しい状況になっていました。

これは胸とお腹の間にある横隔膜という膜が破れてしまっているのが一目瞭然です。

↑横隔膜が破れ胃や腸が胸腔へ脱出しています(外傷性横隔膜ヘルニア)

 

こういった場合、すぐに整復手術を行うと亡くなってしまうことがあり得るため、

状態を安定化させた後に手術を実施しました。

↑術後の様子(腹部の臓器が腹腔に戻されて横隔膜ヘルニアが整復されています)

 

手術は無事に終わり、術後も特に大きな問題も発生せずお家へ帰っていってくれたので良かったです。

 

あまりありませんが、この辺りでも今までに交通事故で骨盤骨折、大腿骨骨折、股関節脱臼、肋骨骨折、膀胱破裂、横隔膜ヘルニアなどになったワンちゃん、猫ちゃんを診察・治療したことがありますので、

リードを離したり、目を離さないようにお気をつけください。

 

垂水オアシス動物病院

院長 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 犬の病気 | 19:35 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
犬歯の破断

先日、

フレンチブルのワンちゃんが来院されました。

 

飼主さんからお話をお伺いすると、

硬いものを噛んだ後に歯が折れているのに気が付いたとのこと。

 

牛の蹄(ヒズメ)などという商品が犬が遊ぶおもちゃとして当たり前に販売されているため、

あげてもいいんだと思われると思いますが、

こういった硬いものを与えると、歯が欠ける事があります。

ですので、硬すぎる骨とか蹄とかではなく、

ある程度軟らかさのある歯磨きガムなどがベストだと思います。

 

愛犬デリ スモーク牛のひづめ 6個入 DK-81

↑こういった商品は硬いので、歯が欠けることがあり注意が必要

 

今回来院されたワンちゃんの場合は、

右側下顎の犬歯(いわゆるキバ)が途中で折れてしまっており、

その折れた歯によって舌が傷ついてしまっていました。

↑右下顎犬歯が破断しています

 

↑舌がえぐれてしまっていました。痛そうです…。

 

↑抜歯をして舌を吸収糸で縫合しました。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

| tarumioasis2 | 犬の病気 | 18:59 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
パルボウイルス感染症

GW前?くらいに何人かの飼主さまから、

 

「SNSで回ってきたんですが、神戸市北区でパルボウイルスが出たって本当ですか?」

「ツイッターで見たんですが、垂水区内でも発生したって本当ですか?」

と尋ねられることがありました。

 

私自身その情報を知らなかったのと、パルボウイルスの患者さんを診ていないため、

「いやー、聞いたこと無いですね〜」としか答えられなかったですが、

 

後で「神戸市北区 パルボウイルス」で検索すると…、

ソースは不明ですが、このような画像が見つかりました。

恐らくこの情報を見られてお尋ねになられたのかと思われます。

 

ちなみに、

パルボウイルス感染症は感染力が非常に強く、激烈な症状を出す感染症です。

 

●パルボウイルス感染症とは

症状

Parvoviridae科Parvovirus属に属する犬パルボウイルス(CPV)によって起こるウイルス性の感染症です。犬のパルボウイルス感染症としては、1967年に報告された「犬微小ウイルス (Minute Virus of Canines)感染症」と1970年代後半に突如として出現し、爆発的に世界に広がった致死性の「犬パルボウイルス(2型)感染症」の2つが知られています。

両感染症ともパルボウイルスを原因としていますが、ウイルス学的に全く異なるウイルスであることから前者を「犬パルボウイルス1型」、後者を「犬パルボウイルス2型」として区別しています。

現在、臨床上重要なパルボウイルス感染症は、「犬パルボウイルス2型」を原因とする「犬パルボウイルス(2型)感染症」であり、本感染症は、臨床上・病理学的に腸炎型と心筋炎型の2つに大別されます。 腸炎型は、母犬から初乳を介して受け取る免疫抗体の減衰に伴って認められる場合が多く、発熱、元気・食欲の減退、特に下痢、嘔吐、ひどい場合は血便を呈し、脱水や白血球の減少等が見られ、死に至ることもあるとても怖い感染症です。

一方、心筋炎型は最近では報告は少なくなりましたが3〜12週齢の子犬に見られ、特に8週齢以下では急性の経過をたどります。前駆症状として突然の吐き気や不整脈が認められる場合もありますが、急性症例では突然の虚脱や呼吸困難を起こし多くは急死してしまいます。

 

原因ウイルスである犬パルボウイルスは、環境に対して非常に強い耐性を示し、通常の環境中では数ヵ月から場合によっては数年間生存すると言われています。本ウイルスは酸やアルカリ、さらに50℃近い熱に対しても耐性を示し、次亜塩素酸ナトリウムやホルマリンと言った効果の非常に強い消毒薬でなければ死滅させることはできません。

犬パルボウイルス(2型)感染症と診断された場合には、インターキャット(東レ株式会社)の投与による支持療法、もしくは嘔吐や下痢による脱水症状の緩和のための点滴や二次感染予防のための抗生物質投与などの対症療法が中心となります。
尚、他の感染症同様に感染した犬の速やかな隔離と徹底した消毒は言うまでもありません。

(※共立製薬HPより引用)

 

ワクチン未接種の子犬だったり、ワクチンを受けたもののまだ抗体が出来ていない場合などにパルボウイルスに感染するとかなり危険度が高いです。

 

ただ、

便に含まれるウイルスは数か月〜数年間ものあいだ通常の環境中で生存すると言われていますし、

人間の靴に付着して既に世界中どこにでも運ばれてしまっているでしょうし、

ウイルスは眼に見えないだけですでにその辺りや日本全国や全世界に広まっていると思われるため、

突然蔓延したわけではないです。

 

この情報をより正しくするならば、

「日本を含む全世界で犬パルボウイルスはすでに広がっています」が正解でしょう。

 

予防のためのワクチンをきちんと接種している成犬であれば全然大丈夫なのですが、

特にまだワクチンを受けていない子犬 or ワクチンの効果がまだ完全には出ていない時期の子犬

は要注意ですので気を付ける必要があります。 

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 犬の病気 | 18:54 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
マムシの咬傷事故

最近、当院では淡路島から来院されている患者さんが多くなっています。

そんな中「マムシ」に咬まれたという淡路島に在住のワンちゃんが来院されました。

咬まれてから比較的すぐに連れてきて頂いたのですが、

来院された時には咬まれた顔がかなり腫れてしまっていました。

 

本州では毒ヘビといいますと、「マムシ、ヤマカガシ」の2種類が重要です。

それ以外のヘビ(アオダイショウ、アカマタなど)などによる咬傷事故も起こることがありますが、

毒ヘビと異なり患部が腫れたり、全身症状の低下などは伴いません。

毒ヘビに咬まれると、

低血圧、出血、腫脹などが引き起こされ、ヘビ毒の影響は数日間続くとされています。

 

診断するには、症状やヘビ咬傷を疑わせる特徴的な咬み跡から疑っていきます。

 

毒ヘビに咬まれると、ショック状態から虚脱状態になるケースもあり、

急性腎不全やDICと呼ばれる危険な状態に陥る可能性があることから、輸液などを行い早期の治療開始が必要です。

 

この子は数日間の入院治療の後、顔の腫れも引いて無事に回復して帰っていってくれたのでほんとうに良かったです。

草むらやアウトドアに行くワンちゃんは要注意です。もちろん飼主さんもお気を付けください!

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| tarumioasis2 | 犬の病気 | 12:35 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
断耳手術

先日、ドーベルマンの断耳手術のご依頼がありました。

 

なぜか最近、

大阪や京都、岡山など遠方の飼主さんからの断耳手術のお問合せ電話が増えています。

遠方ですのにどうされましたか?と飼主さんにお伺いすると、

いろいろ問い合わせたものの断耳手術を引き受けてくれる動物病院が全然見つからないとのこと。

中にはどうしても断耳手術がしたいと東京の動物病院を探して

はるばる断耳手術を受けに行かれることを考えている方もおられました。

 

確かに、断耳手術は大学で勉強することはありませんし、

現在は昔と比べると、断耳手術をする機会自体が非常に少なくなっています。

そもそも、ドーベルマンやボクサー、ピットブルなど、

耳を短くする犬種自体が少なくなったこともありますし(近年は飼育されるのは小型犬がほとんどです)、

動物愛護の精神が浸透してきたことによるものか、

手術せずにそのまま飼育する飼い主さんが増えてきているのかもしれません。

 

美容目的で行われる断耳手術、断尾手術や、声帯切除手術、猫の抜爪手術などは動物自身にとっては必要でない手術ですし、

デメリットやリスクもあるため当院では基本的に推奨しておりません。

飼主さんによくデメリットやリスクを含めご説明・ご相談させて頂いてから、

熟考の後にどうするかを決めてもらっています。

 

ご希望の方は手術するかどうか含めてご相談のうえ決定して頂いておりますので、お電話のうえご来院ください。

 

↑断耳手術後の様子

 

 

↑断耳手術後はテープ等で耳が立つようにしばらく固定する必要があります

 

垂水オアシス動物病院

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

 

| tarumioasis2 | 犬の病気 | 10:13 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
断耳手術

今日はアメリカン・ピットブルのワンちゃんの断耳手術が2件ありました。

現在は昔と比べると、断耳手術をする機会自体が非常に少なくなっています。

 

そもそも、ドーベルマンやボクサー、ピットブルなど、

耳を短くする犬種自体が少なくなったこともありますし、

動物愛護の精神が浸透してきたことによるものか、

手術せずにそのまま飼育する飼い主さんが増えてきているのかもしれません。

 

美容目的で行われる断耳手術、断尾手術や、声帯切除手術、猫の抜爪手術などは基本的に動物にとって必要でない手術ですし、

デメリットやリスクもあるため当院では基本的に推奨しておりません。

飼主さんによくデメリットやリスクを含めご説明・ご相談させて頂いてから、

熟考の後にどうするかを決めてもらっています。

 

ご希望の方はご相談のうえ決定して頂いておりますのでご来院ください。

 

| tarumioasis2 | 犬の病気 | 20:08 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
肛門腺自壊

今朝、大きな地震がありましたね。

こちら神戸の辺りもけっこう揺れて阪神大震災が思い起こされました。

 

大阪では小学生のお子さんが亡くなられたとのこと痛ましい限りです。

亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

 

今回の地震が前震で、本震が2〜3日後にやってくることもあり(10〜20%位の確率?)要注意だそうですので、

近畿にお住まいの皆さまお気を付けください。

 

 

ここのところ肛門腺が自壊してしまったワンちゃん、猫ちゃんが多く来院されています。
肛門腺の自壊は小型犬によく見られる疾患で、お尻を気にして擦りつけたり、舐めているようだと
この病気になっていることがあります。
たいていはきちんと2〜3週間治療すれば治ります。
しかし、再発を繰り返し治りにくい場合は肛門嚢を袋ごと取り残しの無いように摘出してしまえば完治が期待できます。

 

肛門嚢自壊が治りにくい子向けに、米国製の「肛門嚢摘出キット(肛門嚢の中にゴムみたいな液体を注入⇒時間が経つとゴムが固まり、肛門嚢ごと摘出し易くなるキット)」を念のために用意しています。

今のところ、そのキットの出番は1回も無いので、ほとんどの場合は自然に治っています。


お尻を舐めたり気にしているようなら早めに動物病院へご相談ください。

 

 

↑お尻の斜め下から出血しています

 

↑毛刈りをすると皮膚に孔があいて出血しているのが分かります(肛門嚢自壊)

 

垂水オアシス動物病院

院長 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

| tarumioasis2 | 犬の病気 | 18:07 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
門脈シャント(門脈体循環シャント:PSS)

先日、門脈体循環シャントという疾患のワンちゃんが来院されたのでこの病気について。

 

門脈体循環シャント(PSS)とは、

門脈系の血管と体循環系の血管が短絡(シャント)した状態をいいます。

簡単にいいますと、

腸から流れてきた栄養分が含まれた血液が本来流れていくべき肝臓に流れ込まないため、いろいろな症状が発生します。

 

症状は、

神経系(ふらつき、旋回、発作)、消化器系(嘔吐、よだれ)、尿石症、発育不良などが認められ、

一歳未満の若齢で症状がでることが多いと言われていますが、高齢になってから症状がでるケースもあります。

 

国内では好発犬種として、

ヨーキー、シュナウザー、マルチーズ、パピヨン、トイプードルなどに多くみられます。

 

PSSの治療では、

外科的にシャント血管(本来あってはいけない血管)を結紮する必要があります。

PSSが外科的に治療されずに放置されると、肝臓の萎縮や脂肪変性、肝臓組織の線維化がおこり、肝不全に陥るため、

できるだけ早期に手術を実施した方が良いと考えられています。

 

今回のワンちゃんは好発犬種のヨークシャテリアで、健診で肝臓がやや小さかったため、

血液検査(アンモニア、総胆汁酸測定)や造影CT検査で精査したところ左胃静脈ー横隔膜静脈シャントと診断しました。

 

↑造影CT検査にてシャント血管の走行を確認します

 

↑シャント血管を見つけ完全結紮しました

 

 

外科的な治療法には、

 

1、糸で完全に結紮する

2、糸で部分的に結紮する

3、セロファンで血管を閉塞させる

4、アメロイドコンストリクターで血管を閉塞させる

などが挙げられますが、

今回は術中の門脈圧や腸などの状態をみた後、糸でシャント血管を完全に結紮することにしました。

 

その後、数日入院下で様子をみた後、

問題なく元気にお家に帰っていってくれました。

 

とくに好発犬種のヨークシャテリアは、

若いうちに一度血液検査(総胆汁酸TBA)の測定を行って生まれつきの異常がないか確認しておかれた方が良いかもしれません。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 犬の病気 | 12:52 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
犬の陰嚢炎

学生の頃、外科学教室の教授から教わったことはいっぱいありますが、

その中に「犬の陰嚢にはバリカンを当てるな!」というものがありました。

ちなみに猫は大丈夫なのです。

 

犬の場合、去勢手術などで陰嚢の毛刈りをバリカンでして、消毒などをしていると、

後日、陰嚢炎を起こして大変なことになるケースがあります(注意していてもなるかもしれないデリケートな部位なのです)。

そのため、

去勢手術時にも陰嚢には絶対にバリカンの刃を当てたり、過度に消毒して刺激しないように気を付けています。

 

さて、先日、陰嚢炎を起こしたワンちゃんが来院されました。

その子は尿をあちらこちらでしてしまうそうで、仕方が無くオムツを付けていたそうです。

すると、オムツのせいでカブレてしまい陰嚢皮膚が壊死して腐ってしまい、

飼主さんもびっくりされて来院されたのでした。

 

こうなってしまったら、経験的には投薬などの内科治療では改善させてあげることは大変難しく、

陰嚢を切除しないといつまで経っても治りにくいため切除を行わなければなりません。

 

オムツをしているワンちゃんは、

カブレて無いか、オムツが食い込んでいないか、時々みてあげてください。

 

↑陰嚢皮膚が壊死してしまい穴があいています

 

垂水オアシス動物病院

院長 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 犬の病気 | 18:18 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
特発性慢性角膜上皮欠損(SCCEDs)

動物病院ではいろいろな症状の動物たちが来院されます。

 

そのうち、

眼科の診察では、眼に傷がついて、痛そう、眼をシバシバしている、といって来院されるワンちゃんが

おそらく一番多いのではないでしょうか。

 

このような場合、見逃しがないようにスクリーニング検査として、

眼科スリットランプで観察(逆さまつ毛の有無の確認など)、眼圧測定(緑内障の有無)、眼底検査、涙量(ドライアイ)の測定などの他、角膜に傷がないか色素(フルオレセイン染色)で染めてみて傷があるかどうかチェックしていきます。

 

傷が存在する場合、これ以上眼を擦って悪化しないようにエリザベスカラーを装着し、

点眼治療をしていけば2日〜2週間以内くらいでふつうの角膜の傷は改善してしてきます。

 

しかし、点眼療法で全く改善せず、角膜表面の上皮が剥がれてしまい数週間から数か月以上角膜の傷が治らない場合もあり、

これは特発性慢性角膜上皮欠損(SCCEDs)と呼ばれています。

 

この病気の治療方法は、

点状角膜切開術格子状角膜切開術などと呼ばれる外科的な処置を行うことで改善させることができます。

この方法は、角膜のキズ部分をさらに人為的にあえて傷つけることで治療に導くという方法です。

 

その治癒率は、

角膜表層を綿棒で擦る方法では約50%、

点状、格子状角膜切開術では80%

ダイヤモンドバーによる外科的治療では90%以上(←新しい方法)

と言われています。

 

今回、診察させていただいたワンちゃん、なかなか治りが悪かったのですが…、

麻酔下で点状+格子状角膜切開術を2回実施して改善させることができました。

なかなか治りにくいこともあり、飼主さまも獣医師もフラストレーションが溜まり易い病気です。

 

従来の格子状角膜切開術よりも治療成績(90%以上)が良いと言われているダイヤモンドバー(Alger Brush,Alger Equipment,USA)をアメリカから輸入し取り寄せたので、

今後は同じ病気の子でももっとスムーズに改善させてあげれるといいな、と思っています。

 

 

↑ダイヤモンドバー(Alger Brush,Alger Equipment,USA)

 

↑ダイヤモンドバーでの治療の様子(youtubeより)おとなしいワンちゃんです。

 

垂水オアシス動物病院

院長 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

| tarumioasis2 | 犬の病気 | 19:25 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
断耳手術

今月に入ってからアメリカン・ピットブルのワンちゃんの断耳手術のご依頼が2件ありました。

現在は昔と比べると、断耳手術をする機会自体が非常に少なくなっています。

 

そもそも、ドーベルマンやボクサー、ピットブルなど、

耳を短くする犬種自体が少なくなったこともありますし、

動物愛護の精神が浸透してきたことによるものか、

手術せずにそのまま飼育する飼い主さんが増えてきているのかもしれません。

 

美容目的で行われる断耳手術、断尾手術や、声帯切除手術、猫の抜爪手術などは基本的に動物にとって必要でない手術ですし、

デメリットやリスクもあるため当院では基本的に推奨しておりません。

飼主さんによくデメリットやリスクを含めご説明・ご相談させて頂いてから、

熟考の後にどうするかを決めてもらっています。

 

ご希望の方はご相談のうえ決定して頂いておりますので、

まずご来院ください。

 

 

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 犬の病気 | 10:10 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
椎間板ヘルニア

だいぶ寒くなってきましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

冬季は日が落ちるのが早いため、夜の時間帯(午後7時半以降〜)は患者さんもあまり来院されずのんびりしています。

冬季営業時間を設けようか…、と考える今日この頃です。

 

先日、ミニチュアダックスフントのワンちゃんの後肢が麻痺してしまっているということで来院されました。

診察すると両後足の痛覚が消失し、完全に麻痺しており引きずって歩いています。(グレード5)

こちらの飼主さんのお宅にはダックスが2頭居るのですが、数年前1頭が同じように後足が麻痺してしまい当院で椎間板ヘルニアの手術を行っています。なんと、同居している2頭とも椎間板ヘルニアになってしまったのでした。やはりダックスフントにはかなり要注意な病気です。

今回も前回と同じようにMRI撮影の後、椎間板ヘルニアの手術(ヘミラミネクトミー、片側椎弓切除術)を行いました。

 

重症度(グレード5)が高いため、予後は要注意ですが術後3日目には痛覚が回復してきたため、また再び歩けるようになる期待が持てます。

この子が無事回復しますように…。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

| tarumioasis2 | 犬の病気 | 17:49 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
大腿骨頭壊死症(レッグペルテス)

先日、大腿骨頭壊死症(レッグペルテス)のワンちゃんが来院されました。

犬種はトイプードルのワンちゃんです。飼主さんと治療方針についてご相談のうえ大腿骨頭切除手術を行いました。

 

レッグペルテス病とは、1歳以下の若齢犬にみられる病気です。トイ・プードルなどの小型犬によく発症します。 
【原因】
原因は不明です。大腿骨の頭部に分布する血管が損傷を受け、血液供給が不足または停止することで局所性虚血となり、骨頭が壊死します。
【症状】
痛みがあり、びっこを引くことが多いです。また発症した足のふとももの筋肉が萎縮してきます。症状は通常は片側に現れますが、左右両側に発症することもあります。
【診断】
レントゲン検査では、大腿骨の骨頭と頸部の変形および萎縮がみられます。
【治療】
普通は壊死した骨頭の切除手術を行います。これによって偽関節が形成され、正常に歩行できるようになります。運動制限と鎮痛薬の投与でも効果がみられることがありますが、進行性であるために最終的には手術が必要になります。
ヒトの医療とは違い費用面の課題がありますが、最近では大腿骨頭切除手術をおこなう以外にヒトと同様に人工関節による手術も行われるようになってきています。

↑左肢(画像右側)の骨頭が壊死して変形しています。筋肉量も減少していました。

 

↑骨頭部分を切除しました。

 

↑※閲覧注意!手術の画像です!:大腿骨頭が壊死して変形しています。確認後、大腿骨頭・頸部を切除し摘出しました。

 

翌日には肢を着けて歩けるようになってきました。驚異の回復力です。

がんばって、トイプーちゃん!

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

| tarumioasis2 | 犬の病気 | 19:02 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
会陰ヘルニア

先日、「会陰ヘルニア」の手術があったので今回はこの病気について。

会陰ヘルニアとは肛門周囲の筋肉が高齢になると薄くなってきてしまい孔が開き、腸や膀胱などの内臓が孔を通って肛門の横から飛び出てきてしまう病気です。会陰ヘルニアは去勢手術をしていない雄犬に高い確率で起こります(去勢手術をしている子や、女の子のワンちゃんはまずならないです)。

原因
会陰ヘルニアは去勢手術をしていない高齢の雄犬によくみられ、雄性ホルモンが影響している可能性が高いといわれています。おとなしい子でも起こりますし、特によく吠えるワンちゃんでよく見かけることが多いです。

症状
会陰ヘルニアになると排便時のいきみ(うんちが出にくい)、しぶり、排便困難、排尿困難などの症状がみられます。またお尻の横が腫れているのがわかります。

治療
手術でお尻周りの筋肉を修復して孔を塞ぎます。色々な手術の方法があり状況により適宜使い分けます。今回のワンちゃんは「内閉鎖筋フラップ法」という再発率が低い方法で実施しています。

この病気になると便が出なくて苦しい思いをすることが多く、飼い主さんが定期的に浣腸や便をかき出したりしないといけません。高齢になってから定期的に便をかき出さないといけないのは動物も飼い主さんも大変ですので手術になるケースが多く見られます。

会陰ヘルニアでお困りの方はご相談ください。
予防の為にも高齢になる前の若いうちに去勢手術を済ませておくことをお勧めします。


垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

↑左側の肛門辺りが腫れています(腸が皮下に出てきて便秘になっています)

 

↑横から見た様子

 

 

| tarumioasis2 | 犬の病気 | 09:35 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
会陰ヘルニア
湿度も高く暑くてもう夏みたいですね。
動物病院の前の青果屋さんにも美味しそうなスイカが並んでいます。
ほんとに美味しいので一度見てみてください。

今回は去勢手術を受けていない雄犬がなりやすい病気について。
先日、「2週間前ぐらいからいきみがあって便がスムーズに出なくて苦しんでいる。いきみすぎて血便が出ている。食欲も無くなってきた。」という主訴でワンちゃんが来院されました。

詳しく診てみると…、
右側の肛門側が腫れています。直腸検査といって手袋をはめて直腸に指を入れると便がそこに貯留してしまっており便秘になっています。
この病気は「会陰ヘルニア」とよばれており、去勢手術を受けていない男の子のワンちゃん限定でなり易い病気です。
雄性ホルモンの影響で骨盤の筋肉が萎縮してきており、筋肉の隙間から直腸や膀胱が出てきてしまい便秘や尿閉(尿が出ない)が引き起こされます。
つまり、この会陰ヘルニアという病気は去勢手術で予防ができるわけです。

今回のワンちゃんの場合では、ヘルニアの孔から直腸が出てきてしまっていたため手術で修復しました。
無事に問題なく便も出るようになり退院していってくれました。ほっ



↑会陰ヘルニアによって肛門の右側が腫れています。

↑閲覧注意!:手術の画像です。今回は総漿膜を使った修復法を選択しています。

垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)
| tarumioasis2 | 犬の病気 | 19:26 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
胆嚢切除術(胆石症、胆泥症)
先月から今月にかけて胆嚢に疾患があるワンちゃんが立て続けに来院されました。
あるワンちゃんは胆石が胆管に詰まってしまい胆嚢が破裂寸前になっていたり、掛かりつけの動物病院の主治医の先生から胆嚢を摘出した方がよいとの指摘があり当院を探されて来院していただいたそうです。毎度のことながらふしぎと同じ病気が重なるときは重なります。

胆石などではある日突然石が詰まってしまったり、胆嚢が破裂してしまい急変してしまうことが有り得ます。破裂すると急死する可能性が高いものの、ひょっとすると一生石が詰まらず問題なく生活していけるかもしれない…ということもあり飼主さまもどうするか悩まれるところです。
飼主さまとご相談の結果、胆嚢の摘出手術を実施することになりました。

この胆嚢の手術は肝臓近くやや深い部位の細かい操作することになり、すでに胆嚢が破裂していたり、胆石が総胆管に詰まってしまい押しても引いても動かず摘出が難しい場合、腸を切開して胆管を通す必要がある場合があるなどイレギュラーで難しいケースに遭遇することもあり難易度は高めなのですが、みな無事に元気に退院していってくれました。

胆石は、胆汁がうっ滞することなどにより、その成分が変化して結石状になったもので、胆嚢や総胆管に形成されます。ただし、イヌやネコでは胆石症の発生はまれだと言われていましたがエコー検査をすると偶然発見されるケースも結構あります。胆泥症は、胆汁が濃縮して黒色化し、泥状の胆泥として貯留した状態です。

 
【原因】
細菌感染、肝外胆管通過障害、胆嚢や胆管の穿孔、あるいは二次的に肝臓が傷害された場合など、併発症を生じたときにみられます。
【症状】
胆石症や胆泥症は、これ単独では症状がないことが多く、超音波検査で偶然発見されることがほとんどです。胆嚢炎や総胆管閉塞症を起こしているものでは、黄疸や嘔吐、食欲不振などの症状がみられます。
【診断】
超音波検査やレントゲン検査によって診断されます。また特異的ではありませんが、血液検査で黄疸や肝酵素の値が上昇することもあります。
【治療】
胆石症や胆泥症の大部分は症状を示さないため、治療が常に必要とは限りません。胆石症では症状がある場合、イヌやネコでは内科的な治療では効果を得にくい為、手術で摘出します。胆泥症の場合は、胆嚢炎や内分泌疾患を併発している場合はそちらの治療を行います。また利胆剤や抗生物質の投与によりやや改善する場合もあります。


↑摘出した胆嚢と
胆石

垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)


 
| tarumioasis2 | 犬の病気 | 17:14 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
糖尿病
このところ「糖尿病」のワンちゃん、猫ちゃんが来院される機会が多くなってきましたのでこの病気について。
人間の場合、5人に1人が糖尿病もしくは糖尿病予備軍だといわてるそうです。
犬、猫の場合はそれほどまでには多くありませんが、日常の診察で見つかってくることは珍しくない病気です。

犬の糖尿病の原因は、クッシング症候群などのホルモン異常、未避妊のため卵巣ホルモン過剰分泌が関連して起こることがほとんどです(犬は避妊手術が有効)。猫の糖尿病の原因は、肥満感染症膵炎ストレスなどがあります(猫は肥満は万病の元)。

糖尿病になると、多飲多尿、体重減少、空腹時血糖値が高い、尿糖陽性などが見られ、
無治療で放置されると、「糖尿病性ケトアシドーシス」と呼ばれる命にかかわる危険な状態に陥ってしまうこともあり要注意です。

治療方法は食事管理やインスリン注射を行い血糖値をコントロールしていきます。
最近ではご自宅でも飼主さんに注射をして頂いたり、ご自宅で血糖値を測定することもできるようになってきています。

↑動物用血糖値簡易測定器 

猫の場合は普段から肥満にさせないように注意してあげてください。
多飲多尿が見られるなど症状があるかどうか見ていただき早めの受診や日頃からの定期健診をおすすめします。

垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻

(神戸市 垂水区 霞ヶ丘にある 動物病院 です)

 
| tarumioasis2 | 犬の病気 | 19:47 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
喉頭麻痺
四国から喉頭麻痺のワンちゃんが来院されました。
喉頭麻痺とは喉頭という部位が正常に機能しなくなることにより呼吸ができなくなる病気です。
大型犬に見られることが多く、症状が進行すると息を吸いづらい、呼吸困難で倒れるなどの症状が見られるようになります。
 このワンちゃんも3年以上前から徐々にゼーゼーという呼吸をし始め、呼吸困難で失神したりしたことがあったそうです。
近くの動物病院では原因がはっきりせず、そうしているうちに4〜5日前から完全に元気と食欲が無くなり、セカンドオピニオンを求めて来院されたのでした。

息が吸いづらい、呼吸困難を起こす病気は他にもあるため(気管虚脱、呼吸器系腫瘍、喉頭虚脱、心臓病、肺水腫 ...etc)、X線検査や軽い麻酔下での喉頭を直接観察する検査を行い診断していきます。

来院時、全身状態を診るために血液検査をすると腎臓の数値がかなり悪化していました。
まず、輸液を行い腎臓の値を下げ、全身状態を改善させたのちに喉頭麻痺の手術(披裂軟骨外側移動法)を行うという方針を立てましたが、手を尽くしたものの残念ながらもはや体力が残されておらず、四国から遠路はるばる来院して頂いたのにお役に立てませんでした。

喉頭麻痺の初期症状は声の変化とそれに続く咳などで、特に食事中と飲水中にみられるようになります。
気道の閉塞が悪化するにつれ、吸気時の喘鳴音が増加します。症状はゆっくり進み、動物が激しい呼吸困難を起こすまでに数か月から数年も経過することがあります。
そのため内科治療(緩和治療)を行うか、外科治療(根本治療)をどのタイミングで行うか獣医師も飼主さんも悩むところです。
息苦しそうにする、食欲が無いなど調子がおかしいようでしたら早めに受診させてあげて下さい。

垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻

(神戸市 垂水区 霞ヶ丘 にある 動物病院 です)









 
| tarumioasis2 | 犬の病気 | 19:49 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
遺残乳歯
今回は、新しくワンちゃんを飼われた方向けのお話です。
みなさま犬にも乳歯と永久歯があるのを御存知ですか?

犬の場合は、生後5〜7カ月齢頃までに乳歯が抜けて永久歯に生え変わりますが、この時期を過ぎても乳歯が抜けないことを乳歯遺残と言います。
(小型犬に多いですが、中型犬や大型犬にも見られます)。
乳歯遺残は「不正咬合(ふせいこうごう)」などさまざまなトラブルの原因にもなるため、多くの場合は動物病院で抜歯する必要があります。

↑白矢印=乳歯  黒矢印=永久歯



↑細い小さめの歯が遺残した乳歯です。この後乳歯は抜歯しました。

【症状】
口腔内が傷つき、食べ物が食べにくく、歯周病になりやすいです。
また、永久歯が本来の位置に生えることができず、歯のかみ合わせが悪くなります(不正咬合)。そうなれば口腔内の粘膜を傷つけ、さらには痛みでうまく食べることができなくなります。
 

【治療】
初期の段階で抜歯すると歯の位置を本来の位置に移動させることが出来るため、遺残する乳歯をできるだけ早く、永久歯を傷つけないように抜歯します。抜歯には全身麻酔が必要になります。(去勢・避妊手術など他の手術と同時に行うことも可能な場合もあります。詳細はご相談下さい。)
 
【予防】
愛犬が生後5〜7か月間は、月に一度は動物病院で乳歯遺残のチェックを!!
それ以降もお口の中の観察を続けていきましょう。

垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻

(神戸市 垂水区 霞ヶ丘 にある 動物病院 です)
| tarumioasis2 | 犬の病気 | 09:46 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
免疫介在性溶血性貧血(Immune-mediated hemolytic anemia [IMHA])
一昨日に極度の貧血を起こしているマルチーズのワンちゃんが来院されました。
通常だとピンク色の歯ぐきの色も真っ白です。動きたがらず、ぐったりしています。
こういった急性に発生した貧血の場合、ダニが媒介する「
バベシア症」や「免疫介在性溶血性貧血」などが疑われます。
このワンちゃんはダニに寄生された経歴も無く、血液の検査から免疫が関与する貧血と診断しました。

犬の免疫介在性溶血性貧血(IMHA
)とは、自分の免疫システムが自分の赤血球を敵だと見なして壊してしまい貧血になる病気です。

 
【症状】
貧血の一般的な症状(元気がなくなる、散歩や運動をしたがらない、すぐにバテるなど)が現れます。食欲が落ちることもあります。赤血球が破壊されるためワインのように真っ赤な血尿がでることや白眼の部分が黄色っぽくなることがあります(溶血性黄疸)。
免疫介在性溶血性貧血が起きることが多い犬種は、マルチーズ、コッカー・スパニエル、オールド・イングリッシュ・シープドッグ、プードル、シーズーなどで、メスに多く見られます。

【原因】
免疫介在性溶血性貧血は、体内に侵入したウイルスや細菌などを攻撃・破壊・排除する免疫が、自分の赤血球を攻撃して、壊してしまうことによって発症します。原因として、ワクチン接種やウイルス感染、薬物の投与などがあげられますが、原因不明で突然発症することが大半です。
【治療方法】
この病気の治療法には、赤血球を壊す免疫を抑えるために、ステロイド剤や免疫抑制剤を投与します。症状が重い場合は輸血をおこなうこともありますが、輸血により症状が悪化する可能性もあるため、状態が極めて悪い場合などでは慎重に判断して輸血します。
【予防】
原因が不明なことが多いので予防することは難しいのが実情ですが、早期発見・早期治療がとても大切です。

免疫介在性溶血性貧血では播種性血管内凝固(DIC)という状態が引き起こされ、血栓塞栓症が死因になることが多いため(重篤な急性IMHAだと死亡率30〜80%)、予防するためのお薬(低分子ヘパリンなど)を点滴投与したり、必要があれば輸血を行ったり基本的には入院してもらい治療していきます。

歯ぐきの色が白い、動きたがらない、黄色い濃い尿が出る、などおかしい症状があれば早めの受診をお勧めします。


垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)
 
| tarumioasis2 | 犬の病気 | 13:06 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
椎間板ヘルニア
一時のミニチュアダックスブームもあり、それに伴い「椎間板ヘルニア」という病気を診察する機会も増えています。
昨日、「突然後ろ足が立たなくなってしまっていた」というミニチュアダックスの子が来院されました。

程度の軽いグレード1〜3までのヘルニアでしたら手術をせず内科的な治療(投薬、レーザー、オゾン療法など)を行えば回復することも多くみられます。しかし、深部痛覚が消失した重症のグレード5の場合、内科的な方法では回復する確率がとても低くなってしまうので緊急で減圧手術を行う必要があります。(内科療法での回復率5%VS外科療法を行った場合の回復率50%)


今回来院されたワンちゃんはグレード3(中程度)の椎間板ヘルニアの症状でしたがMRIを撮影してもらうと
11〜12番目の胸椎の間の椎間板ヘルニアと診断され、脊髄がかなり重度に圧迫(脊髄の断面で7割程度が圧迫を受けて潰された状態)を受けた状態でした。

まず飼い主さんのご希望もあり2週間程度内科療法で様子をみても改善が乏しく悪化の傾向が見られたため
ご相談の結果、当院にて椎間板ヘルニアの手術(片側椎弓切除術)を行うことになりました。


↑突出した椎間板物質(矢印部)が神経(白い部分)を下から上に圧迫しています


↑椎間板物質がほとんど取り除かれ神経の圧迫が解除されました


↑摘出された椎間板物質

無事に圧迫を解除できたので後はリハビリが重要になります。
このワンちゃんの場合は術後1週間程度で正常の歩行に改善しました。

垂水オアシス動物病院ではグレードの軽いヘルニアの症例には「半導体レーザー」「スーパーライザー」「オゾン療法」などを用いた内科療法で治療を行い、
改善が乏しい場合や重度のヘルニアの場合には片側椎弓切除術などの外科療法を行うことができます。

とくにダックスフントを飼われている方は、後ろ肢が麻痺していないか気を付けてみてあげてください。


垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)
 
| tarumioasis2 | 犬の病気 | 12:32 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
肛門嚢炎
今の期間はお盆休み中の方も多いと思います。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
当院ではお盆期間中も通常通り診察を行っております。

ここのところ肛門腺が破裂してしまったワンちゃんが立て続けに来院されました。
肛門腺の自壊は小型犬によく見られる疾患で、お尻を気にして擦りつけたり、舐めているようだと
この病気になっていることがあります。
たいていはきちんと2〜3週間治療すれば治ります。
しかし、再発を繰り返し治りにくい場合は肛門嚢を袋ごと取り残しの無いように摘出してしまえば完治が期待できます。
お尻を舐めたり気にしているようなら早めに動物病院へご相談ください。


↑破裂した肛門嚢(孔があいています)

垂水オアシス動物病院
(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)
獣医師 井尻
| tarumioasis2 | 犬の病気 | 18:33 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
足の痛み
 今回も足に痛みのあるワンちゃんのお話です。

2日ほど前から前肢を挙げてしまい、痛がっているということでトイプーちゃんが連れてこられました。

さっそく足を触ってみると…、
足先がとてもむくんで腫れています。

こんなにも腫れていて、触るのを嫌がる場合は骨が折れている可能性が高いため、
痛いところを触診をする前にX線検査を行いました。


↑足先が腫れています


すると、足先が明らかに腫れていますが骨折もありません。

次に痛い部位を触って見てみると…、
なんと輪ゴムが手首に巻き付いて食い込んでいるではありませんか!


↑輪ゴムが巻き付いていました

こんなことは今だかつて見たことが無かったのでビックリでした。
飼主さんにお聞きしたところ、自然にはまってしまったのではないか、とのことでした。

今回のように輪ゴムであったとしても、
危ないことがあるため気を付けないといけないと思います。
輪ゴムに限らず、飼主の皆様ご注意ください。

垂水オアシス動物病院
獣医師・院長 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)
| tarumioasis2 | 犬の病気 | 20:08 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
狂犬病の予防接種について
4月に入り狂犬病の予防注射を打ちに来院される患者さんが増えてきました。 
今日は狂犬病について書きます。

狂犬病は人はもちろん全ての哺乳類、鳥類に感染し、現在のところ治療法はなく発症するとほぼ100%死亡してしまう恐ろしい病気です。
戦後、近年日本国内での発生はみられていませんが、中国やインドネシア、ロシアなど諸外国と交流が盛んな現在ではいつ狂犬病が侵入するか予断を許さない状況にあります。
狂犬病は現在のところほとんど治療法がない病気で予防をすることが大切になります。

また、飼われている狂犬病ワクチンを接種していないワンちゃんがよそのお子さんを咬んでしまい大変なトラブルになったりする例も多いので予防接種はきちんとしてあげてください。

1年中予防接種は可能ですが、当院でも特に4月から6月の間に狂犬病の予防接種を行っております。(ワクチン接種の費用は集合注射の場合と同じ2,650円です)
予約制ではありませんのでそのままお越しいただければ身体検査後にすぐワクチンを注射できますのでお越しください。



【以下狂犬病予防法とは】
「狂犬病予防法では犬の所有者は、犬を取得した日(生後90日以内の犬を取得した場合は、生後90日を経過した日)から30日以内に、その犬の所在地を管轄する市町村に登録の申請をし、鑑札の交付を受けなければならないと定められています。

狂犬病予防注射については室内犬を含む生後91日以上の犬を所有する者は、毎年1回、4月から6月までに狂犬病予防注射を受け、注射票の交付を受けなければならないと定められています。加えて鑑札や注射済票は犬につけておかなければなりません。これらのうちひとつでも違反があれば、20万円以下の罰金または科料が課せられます。」
| tarumioasis2 | 犬の病気 | 11:39 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
フィラリア検査時に血液検査もできます

フィラリア検査の時期が来ました。

垂水オアシス動物病院では全てのワンちゃんに健康でいて欲しいと考え、フィラリア検査時に血液検査を実施するフィラリア健康チェックを導入しました。この血液検査は外部検査機関の協力によって、通常の検査費より安価(血液検査料15項目:3400円)で実施することができます。

血液検査を実施することで、見た目にはわからない体の異常のサインを見つけることができます。病気になってしまうと動物たちは痛みやストレスを抱えますし、経済的にも負担がかかってしまいます。
早期発見のチェックが実施しやすいこの時期にフィラリア健康チェックをご活用ください。



【参考】
血液検査に含まれる15項目の解説
検査センター[株]モノリスより


TP
肝臓・腎臓の機能や栄養状態を示します。肝・腎疾患や多発性骨髄腫、感染症などで異常値を示します。

ALB
血液中の血清に最も多く含まれているタンパク質で、肝臓で合成され、腎臓でろ過されます。肝疾患や栄養不良で低下、脱水で上昇します。

A/G比
血清タンパク成分のアルブミンとグロブリンの比を表しています。慢性炎症、肝疾患、ネフローゼ症候群、M蛋白血症などで比の値が低下します。

TBil
ビリルビンとは赤血球中のヘモグロビンが壊れてできる色素で、肝臓で処理されます。肝疾患や黄疸で上昇します。

AST
肝臓、心臓、骨格筋に含まれる酵素で、中でも肝臓に多く含まれています。肝疾患や心疾患などで上昇します。

ALT
肝臓に多く含まれている酵素で、肝疾患では、有力な指標となります。

ALP
エネルギー代謝に関わる酵素の一つで、ほとんど全ての臓器や組織に含まれています。特に胆道系に多く含まれているため、肝胆道系疾患で上昇します。骨の疾患でも上昇します。

γGTP
肝胆道系疾患の検査として行われます。犬猫ではごく微量しか検出されません。

BUN
血液中に含まれる尿素量。腎機能の指標として利用され、腎不全、やけど、消化管出血や高タンパク食摂取で上昇します。

CRE
タンパク質が分解されたときにできる物質で、腎臓でろ過されて尿として排泄されます。腎機能の低下で濃度は上昇します。

TCho
細胞膜や血管壁の構成、副腎皮質ホルモンや性ホルモン、胆汁酸をつくる材料になります。糖尿病や甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群などで高値になり、肝障害や甲状腺機能亢進症などで低値を示します。

TG
血液中ではタンパク質と結合したリポ蛋白という形で存在し、生体エネルギーの貯蔵と
運搬に関与しています。肥満や糖尿病、甲状腺機能低下症、肝疾患で高値、甲状腺機能亢進症、アジソン、肝硬変などで低値を示します。

Ca
骨代謝だけでなく筋収縮、血液凝固にも必須な物質。PHT、ビタミンD、カルシトニンなどがCaの血中濃度をコントロールし、Caの低下はビタミンD欠乏や腎不全などで起こり、多発性骨髄腫やビタミンD過剰などは上昇します。


IP
無機リンの代謝はCa調整ホルモンの影響を強く受けます。腎不全、甲状腺機能亢進症などで高値になり、ビタミンD欠乏症、呼吸不良症候群などで低値になります。

GLU
血液中のブドウ糖を示し、脳や筋肉のエネルギー源となります。主に血糖は糖尿病の診断において基本的な検査になります。

| tarumioasis2 | 犬の病気 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
老犬性前庭疾患



近年犬猫などの動物達の高齢化も進んでいます。

そこで今回は
「老齢性の前庭疾患」についてお話します。
前庭とは平衡感覚を司る部位で、そこの調子が狂うと立ち上がれなくなったり、転倒や運動失調を起こしたりすることがあります。

この病気の原因ははっきりしていませんが、高齢(平均発症年齢12.5歳)になると突然発症するのが特徴的です。
症状は、斜頚、運動失調、転倒、嘔吐、食欲不振などで目は眼振しているケースが多いです。
おそらく船酔いになったみたいに、めまいや気持ちの悪さがあると思われます。
その他の神経学的な異常はありません。

診断は、前庭の異常を起こすほかの病気(外耳炎など)を除外して、臨床症状が改善するか観察していきます。
この病気の場合、眼振は数日で改善し、運動失調も2週間くらいで少しずつ改善し予後も良いです。

こういう状態だと、「脳の血管が切れた?」と勘違いしてあきらめてしまったり、安楽死を希望されてしまう場合もありますが経過を注意してみていけば治る確率が高いので、あきらめずに看病してあげてください。

上の動画のワンちゃんの場合は、眼振がみられ、来院時立ち上がれずに転倒したり、食事を吐いたりしていましたが点滴などで支持療法・看護を続けると、2週間程で改善し退院できました。
この子の場合も15歳をこえてかなりの高齢だったのですが、この暑い夏を乗り越えて調子良く元気でいてくれればと願っています。












| tarumioasis2 | 犬の病気 | 09:41 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>
ページのトップへ