神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
甲状腺腫瘍

先日、首の喉ぼとけの下辺りが腫れているワンちゃんが来院されました。

飼主さんが触っていて、「喉の辺りが腫れているような気がする」と気づかれて連れてこられたのでした。

 

頸部周辺が腫れている場合、リンパ節が腫れている場合や、唾液腺が腫れている場合や、

その他の腫瘍などが原因として考えられます。

 

このワンちゃんの首が何故腫れているのか詳しく調べるために針生検を実施したところ…、

甲状腺腫瘍」を疑わせる細胞が採取されました。

 

甲状腺腫瘍とは、

犬においてみられる甲状腺腫瘍の多くは悪性の甲状腺癌であり、浸潤性が高く、

転移しやすい腫瘍(リンパ節、肺、肝臓など多臓器へ転移率は初診時で35〜40%)だと言われています。

 

比較的珍しいタイプの腫瘍なのですが、

中高齢(平均10歳)で発症し、ビーグル、ゴールデンレトリバー、ボクサーは好発犬種ですので、

これらの犬種を飼われている飼主さまはときどき喉の辺りを触ってみて腫瘍が出来ていないか観察することが大切です。

 

気づかずに時間が経過すると症状が進行し、

発咳、呼吸困難、元気消失、体重減少、嘔吐、食欲不振、嚥下困難、顔面の浮腫などが認められるようになります。

 

診断は、

血液検査、レントゲン検査、超音波検査、細胞診、触診などを実施して診断していきます。

 

治療は、

腫瘍組織に可動性があり、周囲組織への浸潤がなく転移の見られない腫瘍は外科的に摘出することができます。

また、周辺組織へ浸潤していて切除困難な腫瘍に対しては放射線療法(できない場合は化学療法)が有効だと言われています。

 

今回のワンちゃん(チワワちゃん)の場合は、

幸いなことに腫瘍組織に可動性があったため甲状腺腫瘍を摘出することが可能でした。

 

 

喉の辺りを触ったり、全身を触ったりしてあげていると腫瘍の早期発見につながるため、

普段からワンちゃんをナデナデしてあげてスキンシップを取ることをお勧めします。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

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乳腺腫瘍

先日、淡路島から来院された乳腺腫瘍のワンちゃんの摘出手術があったのでこの腫瘍について。

 

乳腺腫瘍とは、乳腺の組織が腫瘍化してしこりができる病気です。

乳腺部にしこりができていることに飼主さまが気づかれて来院されるケースや、動物病院での身体検査で発見されるケースもあります。

「しこりが小さいものは良性、大きいものは悪性(乳癌、乳腺癌、乳ガン、乳がん)」と簡単に言い切ることはできませんが、

急激に大きくなるようであれば悪性の可能性が發と考えられます。

論文によると、乳腺腫瘍のしこりの直径が1〜3cmを超えると予後が悪くなる(転移したりする)ことが報告されています。

 

 乳腺腫瘍は、乳腺の細胞が雌性ホルモンの影響を受けると発生します。

そのため、性成熟に達する前の6か月齢くらいに避妊手術をすることで、乳腺腫瘍の発生が少なくなります

避妊手術をしていない雌犬では約4頭に1頭(26%)の確率で乳腺腫瘍が発生しますが、

初回発情前に避妊手術を受けている場合、発生率は0.5%と低くなります。

 

今回のワンちゃんの場合は、

避妊手術を受けておらず乳腺腫瘍ができてしまったケースでした。

 

女の子のワンちゃんの飼主さまは、

乳腺部にしこりが出来ていないかときどきお腹をみてあげてください。

 

 

↑乳腺部に腫瘍ができています

 

↑手術後。片側の乳腺を一列摘出しました

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

| tarumioasis2 | 腫瘍 | 19:25 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
脾臓の腫瘍

先日、脾臓の腫瘍の手術がありました。
1年以上前の健診時に腹部の超音波検査(エコー検査)で脾臓にできものがあるのが判ってはいたのですが、

飼主さまとご相談の結果、摘出手術をご決断されたため今回摘出することになったのでした。

脾臓にしこりがあっても症状はでない事が多いです。
よほど大きくなった場合はお腹が腫れてきたりするので太っているのと勘違いされてしまっているケースもあります。またこのしこりがお腹の中で破裂すると出血性のショックで急変してしまうことも有りえます。

脾臓にできるできものには、
血管肉腫、リンパ腫、脂肪腫、平滑筋腫、血管腫などがあり、このなかで一番多いのが血管肉腫です。これは基本的に悪性の腫瘍で高齢犬(平均罹患年齢11歳)に多く発生します。

しこりが巨大になり進行すると破裂するリスク、手術のリスク、転移していくリスクも増えるので早めに見つけることが大切になります。

触診ではお腹の中の事までは判らないので、
中高齢(7歳以上〜)は腹部のエコー検査で脾臓などにしこりが無いかみる定期健診(半年〜1年に一回は)をお勧めします。

 

↑脾臓のできた腫瘤

 

↑摘出した脾臓腫瘤

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 腫瘍 | 18:53 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
肥満細胞腫

中高齢になると身体の表面に出来物がよくできるようになります。

たいていはイボみたいなものだったり、良性腫瘍だったり問題ないものが多いのですが、

その中に悪性腫瘍が混じってくることがあります。

 

今回診察、手術させて頂いたトイプードルちゃんは、

右後肢の太ももの部分に1cmくらいのしこりがあるのに気づかれ、

他の用事で診察中に念のため細胞を採取して調べてみると…「肥満細胞腫」と診断されました。

 

↑黄色〇内にあるのが腫瘍病変

 

犬の「肥満細胞腫」は見た目がさまざまで、転移率、治療に対する反応などにかなりばらつきがあります。
良性に近いグレードから悪性度の高いグレードまで幅があるのですが、
実際の症例ではほとんど中程度のグレードが多く予後の判定が難しくなっています。

普段の診察で、体に小さい出来ものができた場合などに念のため細胞診をすると肥満細胞腫と診断されることが意外と多く、しこりを見た目だけで判断することはできません

この腫瘍の場合は、
外科的に摘出することが一番確実な方法であり、側方2~3cmのマージン・深部方向の筋膜マージンをとって大きく切除することが必要です。
その他に、腫瘍を取りきれなかった場合には放射線治療を術後に行ったり、
化学療法(プレドニゾロン、ビンブラスチン、CCNU、グリベック...)などを行うこともあります。

体幹の皮膚にしこりが出来ている場合は皮膚が伸びるので大きく摘出することができますが、
足などに肥満細胞腫ができると2cmものマージンがとれず、根治をめざして断脚が必要になるケースもあります。しかし、顔周りなど取り除くことが難しい場合は治療に難儀するケースも珍しくありません。

しこりを見つけた場合は早めに「細胞診」を受けさせてあげて下さい。

 

↑摘出しました。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 腫瘍 | 12:48 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
外耳の腫瘍

耳の中に腫瘍ができているワンちゃんが来院されました。

以前から長い期間耳がジュクジュクしているそうです。

 

また、かなり高齢であるため全身麻酔をかけずに

腫瘍の摘出を飼主さまがご希望されたため、

「局所麻酔下+半導体レーザー」を用いて摘出しました。

↑耳の中に腫瘍ができています

 

↑半導体レーザーで腫瘍の根元から摘出・蒸散しました

 

全身麻酔がかけれない子でも、

こういった局所麻酔と半導体レーザーを用いた治療が可能な場合がありますので

お困りの方はお気軽にご相談ください。

 

垂水オアシス動物病院

院長 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

| tarumioasis2 | 腫瘍 | 19:54 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
脂肪腫

西日本は大雨が降っています。

明石海峡大橋や高速道路も通行止めになっており、地震に続いてほんとうに大変な事態です。

不要不急の外出は控えて、川や側溝に注意するなど皆さま十分にお気を付けください。

 

さて、

先日、脂肪腫のワンちゃんの治療がありましたので、

今回は「脂肪腫」について。

 

この脂肪腫、犬のできものの中でもかなり多くみられる腫瘍でして、

ごく日常的に診断や診察をしている腫瘍です。

 

「脂肪腫」ですと飼主さんにご説明すると、

「太っているからなったの?」とよく聞かれますが、

決して太っているからなった訳では無く、脂肪細胞が腫瘍性に増殖してしまうためなってしまうのです。

ですから、痩せたワンちゃんでもなります。

 脂肪腫の大きさや形状はさまざまで、成長はゆっくり、

通常は軟らかい感じの腫瘍(筋肉間に発生した場合は硬く触れることもあり)です。

 

しかし、触った感じで軟らかいので脂肪腫だろう、と思って検査(細胞診)を行うと、

別の悪性腫瘍(肥満細胞腫など)だったということも有り得るため、触診だけで判断することは危険です。

 

脂肪腫は基本的に良性腫瘍であるため経過観察をしていても良いのですが、

足などの関節部にできて機能や運動性を低下させている場合や、飼主さんが見ていて気になる場合は摘出が必要になります。

(※浸潤性脂肪腫とよばれる再発しやすいタイプもあります。)

 

↑右脇下に脂肪腫ができています。細胞診で脂肪腫と診断しました

 

↑脂肪腫を摘出しました

 

↑術後の様子

 

垂水オアシス動物病院

院長 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 腫瘍 | 09:56 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
できもの(腫瘍)

先日、ダックスフントの腫瘍摘出手術がありました。

 

背中に1つ丸い腫瘍ができています。

だいぶ前(半年前かそれ以上前)からできていました。

↑腫瘍ができています(毛はバリカンで刈っています)

 

ここ1週間程でも、こういった「だいぶ前からあるから良性?2〜3mm小さいから良性?」と思われるできものを念のため検査(細胞診)すると、肥満細胞腫という悪性腫瘍だと分かるケースが4、5例ほど続いています。

 

できものができた場合、細い針を刺して細胞を採取して診断する検査(細胞診)で悪性か良性かを診断できることが多いですので

一度検査しておくことをおすすめします。

 

 

 

 

↑腫瘍摘出後

 

垂水オアシス動物病院

院長 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 腫瘍 | 19:21 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫の肥満細胞腫

先日、下顎に小さなできものが出来た猫ちゃんが来院されたのでこの件について。

 

この子はもう10歳程度の高齢なのですが、避妊手術を行う予定で来院されたのでした。

どうも夜鳴きなど発情が激しくてお家の方も困ってしまわれたそうです。

時々、夜に赤ちゃんみたいな鳴き方をする猫っていますよね…。

 

避妊手術をおこなうため診察をしていると「そういえば唇にできものがあって…。」と飼主さんが仰ったため

できものも調べてみることになりました。

↑下顎の皮膚にしこりがあります

 

手術当日、麻酔で寝て貰ってから細胞診を行い調べてみると…、

「肥満細胞腫」と呼ばれる腫瘍と診断されたため、しこりを同時に摘出しました。

 

↑肥満細胞が多く検出されます

 

猫の肥満細胞腫は良く見かける腫瘍でほとんどは良性の挙動をとりますが、

まれにリンパ節、脾臓、肝臓、骨髄などに転移することがあります。

 

基本的に、

猫の肥満細胞腫のほとんどは完全切除により根治が期待できるため切除することが多いです。

(※犬の肥満細胞腫は悪性度が高い場合があります)

 

中高齢の猫ちゃんでこういったイボ?みたいなできものが出来ている場合は、

肥満細胞腫だったりする可能性がけっこう高いですので時々できものが出来ていないか探してみてください。

 

垂水オアシス動物病院

院長 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

 

| tarumioasis2 | 腫瘍 | 18:09 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
乳腺腫瘍

先日、乳腺腫瘍のワンちゃんの摘出手術があったのでこの腫瘍について。

 

乳腺腫瘍とは、乳腺の組織が腫瘍化してしこりができる病気です。

乳腺部にしこりができていることに飼主さまが気づかれて来院されるケースや、動物病院での身体検査で発見されるケースもあります。

「しこりが小さいものは良性、大きいものは悪性」と簡単に言い切ることはできませんが、

急激に大きくなるようであれば悪性の可能性が發と考えられます。

論文によると、乳腺腫瘍のしこりの直径が1〜3cmを超えると予後が悪くなる(転移したりする)ことが報告されています。

 

 乳腺腫瘍は、乳腺の細胞が雌性ホルモンの影響を受けると発生します。

そのため、性成熟に達する前の6か月齢くらいに避妊手術をすることで、乳腺腫瘍の発生が少なくなります

避妊手術をしていない雌犬では約4頭に1頭(26%)の確率で乳腺腫瘍が発生しますが、

初回発情前に避妊手術を受けている場合、発生率は0.5%と低くなります。

 

今回のワンちゃんの場合は、

以前に子宮の病気で中高齢になってから避妊手術を受けていたものの、乳腺腫瘍ができてしまったケースでした。

 

女の子のワンちゃんの飼主さまは、

乳腺部にしこりが出来ていないかときどきお腹をみてあげてください。

 

 

 

垂水オアシス動物病院

院長 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 腫瘍 | 10:19 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
体表腫瘍(乳腺腫瘍、乳腺癌)

脇の下にしこりがあるミニチュアダックスちゃんの腫瘍摘出手術がありました。

 

中高齢になる避妊手術を受けていない女の子のワンちゃんには乳腺腫瘍が多発します。
この子の場合、乳腺部に米粒大〜3cm程度の大きさの腫瘍が数個みつかり、乳腺腫瘍摘出手術を行うことになったのでした。

犬の乳腺腫瘍の発生は非常に多く、雌犬の全腫瘍中52%を占め堂々の「発生率第1位」です。
中高齢になると雌犬には大体26%程度(4頭に1頭の割合)の確率で乳腺腫瘍が発生してきます。
そしてそのできた腫瘍のうち50%が良性腫瘍、50%が悪性腫瘍です。
かなり高めの発生率なのですが、
この確率(26%の発生率)をさげる為には避妊手術が有効だということが判っており、
避妊手術を6か月齢くらいの時期に済ませておけば確率を低くすることができます。

未避妊の雌犬を飼われている飼主さんはお腹にできものが出来ていないか

ときどきチェックしてみてあげてください。

 

↑黄色○の位置に腫瘍ができています

 

 

 

垂水オアシス動物病院

院長 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

 

 

| tarumioasis2 | 腫瘍 | 17:40 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
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