神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
FIP(猫コロナウイルス、猫伝染性腹膜炎)の新薬

猫伝染性腹膜炎(FIP)という病気をご存じでしょうか?

 

こちらの病気、ペットショップさんやブリーダーさんの所からお家へやってきてすぐの

かわいい盛りの子猫ちゃんに発症することが多いやっかいな病気です。

 

このところヒトで流行中の新型コロナウイルスと同じく、

コロナウイルス科の猫コロナウイルスに分類されます。

 

猫コロナウイルスの中でも、

こちらの強毒性に変異した「猫伝染性腹膜炎ウイルス:FIPウイルス」は感染すると、

治療を行っても徐々に腹水が貯まってきて、最終的にほぼ100%が死亡する致死性の高い疾患であり、

治療に当たった経験のある獣医師であれば、FIPは「不治の病」というイメージを持っている人が多いと思います。

 

その現代の獣医学では不治の病だと思われていたFIPがなんと「治った」という論文がアメリカのカリフォルニア大学デービス校から2019年2月に出されています。

 

こちらの論文によると、

治療を行った31匹のFIP猫のうち、25匹が治癒し健康を取り戻したとのこと。

 

このように、

かなりFIPの治療に期待できる結果が出ているのですが、

 

まだ、たった31匹に投与しての結果ですし、

薬が正式に認可されて発売されるのは先の話かもしれません。

 

 

以下、その論文の概要です。


Efficacy and safety of the nucleoside analog GS-441524 for treatment of cats with naturally occurring feline infectious peritonitis

 

自然発生したネコ伝染性腹膜炎の猫の治療のためのヌクレオシド類似体GS-441524の有効性と安全性
Niels C Pedersen, Michel Perron, Michael Bannasch, Elizabeth Montgomery, Eisuke Murakami, Molly Liepnieks, Hongwei Liu

 

 

Abstract

概要


Objectives

目的
The aim of this study was to determine the safety and efficacy of the nucleoside analog GS-441524 for cats suffering from various forms of naturally acquired feline infectious peritonitis (FIP).

この研究の目的は、さまざまな形態の自然に獲得されたネコ伝染性腹膜炎(FIP)に苦しむ猫のためのヌクレオシドアナログGS-441524の安全性と有効性を決定することである。

 

Methods

方法
Cats ranged from 3.4–73 months of age (mean 13.6 months); 26 had effusive or dry-to-effusive FIP and five had non-effusive disease. Cats with severe neurological and ocular FIP were not recruited. The group was started on GS-441524 at a dosage of 2.0 mg/kg SC q24h for at least 12 weeks and increased when indicated to 4.0 mg/kg SC q24h.

猫の年齢は3.4〜73か月(平均13.6か月)でした。26匹はウエットタイプまたはドライからウエットタイプのFIPであり、5匹は非ウエットタイプでした。重度の神経および眼症状のあるFIPの猫は用いられませんでした。グループは、GS-441524を2.0 mg / kg SC 24hの投与量で少なくとも12週間開始し、4.0 mg / kg SC q24hに指示されたときに増加しました。

 

Results

結果
Four of the 31 cats that presented with severe disease died or were euthanized within 2–5 days and a fifth cat after 26 days. The 26 remaining cats completed the planned 12 weeks or more of treatment. Eighteen of these 26 cats remain healthy at the time of publication (OnlineFirst, February 2019) after one round of treatment, while eight others suffered disease relapses within 3–84 days. Six of the relapses were non-neurological and two neurological. Three of the eight relapsing cats were treated again at the same dosage, while five cats had the dosage increased from 2.0 to 4.0 mg/kg q24h. The five cats treated a second time at the higher dosage, including one with neurological disease, responded well and also remain healthy at the time of publication. However, one of the three cats re-treated at the original lower dosage relapsed with neurological disease and was euthanized, while the two remaining cats responded favorably but relapsed a second time. These two cats were successfully treated a third time at the higher dosage, producing 25 long-time survivors. One of the 25 successfully treated cats was subsequently euthanized due to presumably unrelated heart disease, while 24 remain healthy.

重度の疾患を呈した31匹の猫のうち4匹が2〜5日以内に死亡、または安楽死させられ、26日後に5匹目の猫が死亡した。残りの26匹の猫は、計画された12週間以上の治療を完了しました。これらの26匹の猫のうち18匹は、1回の治療後に論文発表時(2019年2月の論文発表時点)では健康を維持し、他の8匹は3〜84日以内に病気が再発した。再発したうちの6匹は神経症状は無く、2匹は神経症状があった。8匹の再発した猫のうち3匹が同じ投与量で再び治療され、5匹の猫は2.0〜4.0 mg/kg/24時間毎に投与量を増加した。神経症状のある1匹を含む5匹のネコは、高用量で2回目の治療をされ、反応がよく、論文発表時点でも健康でした。しかしながら、低用量で再治療した3匹の猫のうち1匹は神経疾患が再発して安楽死させられた一方、残りの2匹は良好に反応したが、再度再発した。これらの2匹の猫は高用量での3回目の治療に成功し、25匹は長期生存することができた。正常に治療された25匹の猫のうち1匹は、おそらく無関係な心臓病のために安楽死され、24匹は健康なままでした。

Conclusions 

結論
GS-441524 was shown to be a safe and effective treatment for FIP. The optimum dosage was found to be 4.0 mg/kg SC q24h for at least 12 weeks.

GS-441524は、FIPに対して安全で効果的な治療法であることが示されました。最適な投与量は、少なくとも12週間、4.0 mg / kg SC q24hであることがわかった。


 

現状では正式に認可を取った薬は存在せず、

効くも、効かないも、副作用も、自己責任の世界ではありますが、

こちらの成分が入っているのではないかというお薬【※サプリメントとしての扱い(MUTIAN)】を中国から送ってもらい投与されている飼い主さんもおられるみたいです。

 

当院でも、

こちらの治療を試されたい方は、

MUTIAN協力動物病院ではありませんが、その間のフォローをさせて頂くことは可能です。

 

とにかく早く、

効果的な治療法やお薬が正規のルートで開発・販売され、

世の中に広がることを願います。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| tarumioasis2 | 猫の病気 | 19:16 | comments(0) | - | ↑TOP
コロナウイルス

この頃、新型コロナウイルスについてのニュースがよく流れています。

 

当初の国内の報道では、

罹患しても季節性インフルエンザと大差ないという話が多かったような気がしますが、

最近は国内でも症状が重篤化する方が出てきているそうで今後どうなっていくのか予断を許さないため心配ですね。

 

そんなこんなで

動物病院に来院される飼い主さんから、

 

犬や猫に新型コロナウイルスはうつりますか?

犬や猫から人に新型コロナウイルスはうつりますか?

 

というご質問をこのところよく頂きます。

 

答えは、厚生労働省のHPに載っていました。

新型コロナウイルスは動物からうつりますか?
新型コロナウイルスは、ペットからは感染しません。なお、動物を媒介する感染症は他にありますので、普段から動物に接触した後は、手洗いなどを行うようにしてください。

↑厚生労働省HPより https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q3

 

ヒトの病院で看護師をされている飼い主さんも、

「お勤めから家に帰ってきてから動物にウイルスをうつさないように心配している」と

おっしゃっていましたが、いまのところ動物たちは新型コロナウイルスについて心配不要だそうです。

 

ちなみに、

犬には犬のコロナウイルスの伝染病があり、普段の予防接種の中に含まれています(※当院で接種しているワクチン)。

猫にも猫のコロナウイルスが存在し、

それが突然変異を起こすと猫伝染性腹膜炎(FIPウイルス)を引き起こすことがあります。

 

ヒト⇔ヒト、犬⇔犬、猫⇔猫のようにウイルスは伝染しますが、

動物の種差を超えて感染することは基本的にほとんどありません

鳥インフルエンザ、SARS(コウモリ→ヒト)、MERS(ラクダ→ヒト)のような人獣共通感染症のように例外はあります)

 

早くウイルスの流行が収束しますように…。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

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| tarumioasis2 | 猫の病気 | 12:09 | comments(0) | - | ↑TOP
猫の口内炎(歯周病、全顎抜歯)

だいぶ肌寒くなって秋らしくなってきましたね。

秋になると気候も良くて動物も病気をしなくなるのか動物病院もゆったりしています。

 

そんな中、

口が痛くてごはんが食べれない猫ちゃんが来院されました。

口の中を見てみるとまっ赤っかに腫れてとても痛そうになっています。

今回の場合、内科治療に良い反応が見られなかったため改善率(90%程度の効果)が高いといわれている全顎抜歯を行うことになりました。

 

日々診察していると猫ちゃんに口内炎ができてよだれを垂らしたり、

口が痛くて食事が摂れないケースを見かけることがよくあります。

 

この病気の原因は全てがはっきりとはわかっていませんが、免疫機能の乱れが関係していると思われ、口腔内細菌に対する過敏症も原因といわれています。

猫の口内炎では、歯肉、ほほの粘膜や舌などの部位に発赤や腫れ、潰瘍などが見られ、
症状は、痛み、口臭、食欲低下、体重減少、流涎などで、
本症の発症率はさまざまな報告がありますが、約6~7%と意外と多いのです。

歯垢、歯石の付着程度が高くなるのに伴って発症率が高くなりますが、歯石がほとんど無くても口内炎になることもあります。
また、ウイルス(猫白血病ウイルス、猫エイズウイルス)感染が原因となり口内炎を引き起こす場合もあって口内炎の猫のうち白血病ウイルスが感染している割合は15〜20%、エイズウイルスが感染している割合は25〜80%といわれています。

発症年齢は平均7.1歳(4〜17歳)で、缶詰タイプの食事を主食にしている多頭飼育の猫に本症の発生が多いと言われています。治療方法にはさまざまな方法があり報告さてていますが、確立された治療法はなく完治できない症例も多く難治性なことが多いです。

治療方法は、
〇垢・歯石除去による口腔内細菌の清浄化
▲好謄蹈ぅ漂泙砲茲詭髪嵳淦療法
L髪嵳淦剤による治療
す垣己質による治療
ゥぅ鵐拭璽侫Д蹈鵑砲茲觴N
Ε薀トフェリンによる治療
低アレルギー食の給与
炭酸ガスレーザーによる炎症部位の蒸散
各種の酵素
抜歯
などがあります。

まず、口の中の衛生状態を良くして(歯石除去、歯垢除去、上の画像の猫ちゃんは歯石のスケーリング中です)、その後歯磨きやデンタルジェルで維持していくことをお勧めします。しかし、それでも治まらない場合は抜歯をすることで完治もしくはかなり口の炎症が治まります。通常、抜歯することで60%(全顎抜歯の場合は90%)の猫ちゃんが良くなり、20%で程度が軽くなり、13%がまだ内科的な治療が必要で、7%で効果がみられません。

なかなかやっかいな病気ですが、痛くて食べれないと生活の質が低下するので治療をしていくほうがよいと思います。

 

 

↑口腔内の粘膜が腫れており痛そうです。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 猫の病気 | 11:03 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫の去勢手術についての動画

猫の去勢手術の流れについて動画を作ってみました。

最近は動画編集はスマホ一つで撮影して編集することもかんたんに出来て誰にでもできる時代になっているみたいですね。

 

当院の場合は、

患者さん(手術を受ける猫ちゃん)は手術前日の夜10時以降は絶食当日の朝9時以降は絶水にしてもらいます。

 

0、朝9時頃に患者さんが動物病院に到着。

1、午前中に血液検査、レントゲン検査、点滴の管を入れたりするなど必要な検査・処置を済ませます。

2、手術時間になると、麻酔を掛けて寝て貰います。

 

↓ここからは動画で流れをご説明(出演ご協力のイヴちゃん、飼主さまありがとうございます)

 

3、手術が終わり、目覚めた後に点滴の管を外して、エリザベスカラーを着けてもらいます。

4、夕方〜夜に飼主さんにお迎えに来てもらい帰宅。

5、お家では、化膿止めの抗生物質、痛み止めを飲ませてもらいます。

6、1〜2週間後に抜糸し、エリザベスカラーを外します。シャンプーも可能です。

 

という流れになっています。

 

より簡単なやり方では気管挿管をせずに麻酔をかけることも可能ではありますが、

当院ではより安全性を高めるために基本的に全症例で気管挿管をして、去勢手術や避妊手術、各種手術を行っています。

 

今回はいつもとは趣を変えてこんな感じで手術をしているという流れを動画でのご紹介させていただきました。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 猫の病気 | 20:09 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫の口内炎(歯周病、全臼歯抜歯)

猫の口内炎は慢性で難治性のことが多く、なかなか大変な病気です。

ヒトでも口内炎が1個でも口の中にできると、痛くて麻婆豆腐も美味しく食べれなくなってしまいますよね。

猫ちゃんも口内炎になると、よだれ、採食困難、開口時の奇声、口を気にする動作、口を触れるのを嫌がるなどの症状がみられ、

少しずつ痩せてきてしまいます。

そして、ヒトの一般的な口内炎よりもずっと重度ですごく痛そうです。

 

口腔内細菌やウイルスの関与、免疫の異常などが疑われていますが今のところハッキリとした原因は不明です。

 

一般的に治療として、

スケーリング(歯石除去)などの口腔内清掃を行った後に、抗生物質、ステロイド薬の消炎鎮痛薬の投与などを行っていきます。

しかし、内科治療を行うと一時的に症状は改善はするものの完治はせず、数週間〜数か月で再び症状が悪化したり、治療に対する効果が出なくなることが多いです。

 

このような難治性の猫の口内炎に対して、

抜歯を行うと、60%程度(全臼歯抜歯の場合)、90〜95%程度(全顎抜歯の場合)の改善効果が期待できると報告されています。

 

抜歯をすると猫ちゃんには歯が無くなってしまいますが、意外と支障なく生活できます(現代の猫ちゃんはキャットフードを飲み込むように食べていますので大丈夫です)。

 

「激痛の続く口内炎を我慢する」 or「 口内炎を治すために歯を抜歯してしまう」のがよいのか…、

本人に意見を聞けないのが悩ましいところですが、

重度の慢性口内炎の猫ちゃんの場合は抜歯も有効な治療法になります。

 

今回来院された慢性口内炎の猫ちゃんは、

長年の間口内炎に悩まされており飼主さんの希望もあり全臼歯抜歯を行うことになりました。

 

↑口の奥に口内炎が広がっています

 

 

↑奥歯(臼歯)を全て抜歯しました

 

 

↑奥歯(臼歯)を全て抜歯しました

 

術後は痛くて食べなくなってしまわないか心配していたのですが、

術後当日から食餌を採るようになり、翌日にはドライフードも食べてくれたので良かったです。

あとは炎症が引くのを待つばかりです。

猫ちゃんよく頑張りました!

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 猫の病気 | 17:50 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
交通事故の猫(断脚)

台風が直撃しているため今日は動物病院ものんびりです。

大きな被害が出なければいいのですが…、皆さまも気を付けください!

 

さて今回は、

交通事故にあった猫ちゃんが来院されたのでこの件について。

 

↑麻酔を掛けて寝てもらった直後の様子(骨がみえていました)

 

この猫ちゃん、当院へ来院された時から、

右前肢の肘から下部分が「もともと」ありませんでした。

 

「もともと」というのは、

だいぶ以前に交通事故で右前肢を損傷してしまい、

お近くの動物病院で肘から下の部位で断脚をして貰ったことがあるそうなのです。

 

しかし、何故か肘から上の部分を残して断脚されているためそこを着いて歩こうとすると…、

皮膚に穴が開いてしまい骨が見えるようになってしまったのでした。(←こういった場合は肩から断脚する必要がある)

 

「断脚しなければならない」と聞くと、

「せめて少しでも肢や手を残してあげたい」とふつうの飼主さんは思われるでしょうが、

動物の場合は下手に残すと肢や手を着地してしまい皮膚に穴が開いて骨が飛び出てしまうことに繋がってしまいます。

 

外に飛び出すと危険が一杯ですので猫飼いの皆さま気を付けましょう!

 

 

垂水オアシス動物病院

院長 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

 

 

 

 

 

 

| tarumioasis2 | 猫の病気 | 18:37 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫のざそう(ざ瘡)

桜のシーズンも終わりましたね。GWのお休みまであと少しです。

動物病院ではフィラリア予防と狂犬病の予防接種が始まっておりますので4〜5月の期間にご来院ください。

 

温かくなってきて、皮膚病の症状で来院される患者さんが増えてきています。

 

ときどき連れて来られる症状に猫の「ざそう(ざ瘡)」があります。

 

猫のざ瘡とは、猫のにきびみたいなもので顎の下に黒いツブツブが出来てしまう皮膚病です。

原因として、角化異常や皮脂腺の過形成、感染症などいろいろな要因が複合して発生するといわれています。

 

軽度の場合では洗浄などのケアで改善することもありますし、

細菌感染が認められる場合は抗生物質を使ったりすることもあります。

 

本人が気にしている、悪化していくなどの場合は治療していった方が良いでしょう。

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 猫の病気 | 18:22 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫の消化管内異物

猫ちゃんが嘔吐をするという主訴で来院されました。

2日前から泡みたいな吐物を吐くとのこと。

普段から猫ちゃんが嘔吐するのはさほど珍しいことではないと思います。

飼い主さまにお話しをお伺いすると、「熱中症かな?」とのこと。

 

一応念のためにエコー検査など精査してみると…、

異物らしきものが画面に写り、翌日になっても症状が改善しないため試験開腹行うことになりました。

 

↑閲覧注意:手術の画像です:腸の中に異物が詰まってしまっています

 

↑閲覧注意:手術の画像です:腸を切開して異物を摘出しました。膵臓も腫れています。

 

↑摘出された異物。

Q、これはなんでしょうか?

 

↑A、真ん中で切ってみると…、毛玉でした。

 

幸い早めに飼い主さまに気づいてもらい、早めに摘出処置ができたので問題なく回復してくれています。

嘔吐が見られる場合は、腸閉塞の可能性があるため早めに動物病院へ受診してください。

あと、やはり普段からのブラッシングが大切です。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 猫の病気 | 19:31 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫の膿胸
先週、膿胸の猫ちゃんを診察しましたので今回はこの病気について。

膿胸とは胸腔内に膿が貯まってきてしまう病気です。
原因は一般に他の猫からの外傷(ケンカ傷)や植物のノギのようなものが胸腔内に入り込むことなどが挙げられます。
また、気管や食道からの感染や、血流を介して感染することもありえます。
胸の中に細菌が増殖して毒素を産生するため、発熱、食欲不振、呼吸困難などを引き起こします。
治療は、胸部にドレーンチューブを入れて胸の中をキレイに洗浄し、細菌を殺菌するために抗生物質を投薬していきます。

今回診察させて頂いた猫ちゃんは、来院時は瀕死の状態でしたが、胸部にドレーンチューブを入れて洗浄し、
抗生物質を投与し、子宮蓄膿症の手術を行った後には1週間ほどで回復して無事退院していってくれました。
この子の原因は、子宮蓄膿症という生殖器の病気が同時にあったため血行性に胸部へ感染が引き起こされたようでした。

膿胸は重篤化すると死に至りますが、
胸腔チューブを含む積極的な治療を行えば回復してくれる可能性がある病気です。
呼吸がおかしいなど気になる点があれば様子見せずに動物病院へ連れて行ってあげてください。



↑胸に膿が貯まっています


↑胸にドレーンチューブを設置しました


↑胸の膿がきれいになりました


↑元気になって良かったね三毛猫

垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)
 
| tarumioasis2 | 猫の病気 | 10:18 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫の潜在精巣
今日は猫の去勢手術がありました。
去勢手術は毎日のように行っておりますのでとりたてて珍しくはないです。
さて去勢手術をしようかなと精巣を触診してみると…、
「あれ!?2個あるはずの精巣が1個しか無いじゃないか!」という事になりました。
通常では誕生からしばらくすればお腹の中の精巣が、陰嚢の中に降りてくるはずです。
犬ではよくあることなのですが、猫ちゃんではやや珍しいです。

こういった場合は、お腹の中に精巣が残っている(腹腔内陰睾)か皮膚の下に残っている(皮下陰睾)かどちらかになります。
今回の場合は、お腹を開けてお腹の中を探すと萎縮した精巣が見つかり、無事2つとも精巣を摘出しました。






垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)
| tarumioasis2 | 猫の病気 | 20:08 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
胃毛球症

質問です。これは何でしょうか?
答え:うんち?いいえ違います。胃から出てきた毛玉です。

猫ちゃんが毛づくろいをすると胃の中に毛玉が溜まっていくことがあります。
時々猫は毛玉を吐いたり、毛玉を吐こうとして上手くいかず胃液だけを吐くこともあります。
毛玉ができる原因として、普通の毛づくろい行動や、行動・神経異常(過度な毛づくろい)および胃腸疾患が原因のことも有ります。

診断:症状や腹部超音波検査、X線検査、内視鏡検査など必要な検査を組み合わせて診断していきます。

治療・予防:毛球症を防ぐためには頻繁なブラッシングが必要です。
また、毛玉をツルリンと流すために普段からワセリン基材の経口投与をすることもおすすめ。
稀に毛玉が小腸に入り込み、腸閉塞を起こして外科的な除去が必要になることがありますので、
長毛種の猫ちゃんは特に日頃からブラッシングをしてあげて下さい。

垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)


 
| tarumioasis2 | 猫の病気 | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
ネコさんの胆管拡張

冬になりミカンが美味しい季節になってきました。ミカンを食べすぎて黄色くなるのはβカロテンを多く摂取しすぎるから。
ビタミンA過剰になり一時的に肝臓に蓄えられるはするものの、食べることを控えると戻ります。

そんなことならいいのですが、以前から来院されている病気で黄色い顔をした猫さんの手術がありました。

この猫さんは元々肝臓数値の上昇がありまして、肝胆道系の異常(胆管炎)を疑って内科的に対症療法を行っていましたが、
この度黄疸の値(ビリルビン値)と肝臓数値が右肩あがりに悪くなってしまい手術に踏み込むことになったのでした。

猫さんの総胆管は、正常でもワンちゃんより太く蛇行しているとは言われていますが、、、
この子はそれを加味してもかなり太くなっており「しかも中に沈殿物」がありました。

どれほどのものだったかといいますと。。。
 
(←※手術中閲覧注意:拡張した胆管)
猫さんではそもそも胆泥はワンちゃんほど多くは認められませんが、この沈殿物は何だったかと言いますと『膿』でした。
(←※手術中閲覧注意:胆嚢内容物吸引中)
 
なので、よく洗浄して総胆管を一部切開し十二指腸に縫い付けて胆汁の通り道を確保し閉腹しました。

病理検査の結果が腫瘍性疾患ではなくて、単なる細菌感染に伴う胆嚢炎・胆管肝炎でこのまま回復に向かえばいいのになぁと願っています。猫さんの病気ははっきりしなくて頭をかかえることがしばしばあり、症例に教えられることもあります。

明日から大阪で開催される『猫の内科学』JAHAの国際セミナー3日間Dr. Sarah Caney (Vet Professional Ltd.))に出席してしっかり勉強してきます。



垂水オアシス動物病院
獣医師 高瀬
 
| tarumioasis2 | 猫の病気 | 20:04 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
膿胸
先日、呼吸困難を起こした猫ちゃんが連れて来られました。
診察台の上にいる猫ちゃんをみてみるといかにも息が苦しそうに浅く早い呼吸をしています。

さっそく、あまり無理をしない体勢でレントゲン検査をしてみると…
やはり胸腔内に液体が沢山貯まっています。

エコー検査をして液体を少量抜いて調べると、「膿胸」という病気だということがわかりました。

膿胸とは胸腔内に膿が貯まってくる病気で、犬では少なく、猫でときどき見かけます。
どこからか胸に入った細菌とその毒素によって、発熱、食欲不振、呼吸困難などが生じてきます。

今回のケースでは、
胸腔にチューブを入れて温めた生理食塩水で洗浄と、全身的な抗生剤の投与で経過を観察していくことになりました。

↑胸腔にチューブを設置して膿でいっぱいの胸の中を洗浄します


↑胸から抜けた膿汁

呼吸が浅く早い場合、何か重大な病気がある可能性が高いので早めに動物病院へ連れて行ってあげてください。

垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 
| tarumioasis2 | 猫の病気 | 19:35 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫伝染性鼻気管炎

朝晩だいぶ寒くなってきました。
なぜかここ2〜3年毎年風邪を引いているのでインフルエンザのワクチンは打っておこうと思います。
まだの方はお早めにどうぞ
注射

動物病院では、
「野良猫の子猫を拾ったら眼の周りに眼ヤニが出て、鼻水・くしゃみが出ている。」という主訴で来院される方が増えています。
その症状の原因は猫風邪とも呼ばれるヘルペスウイルスの感染によるものかもしれません。


原因

ヘルペスウイルス科属する猫ヘルペスウイルス1を原因とするネコの上部呼吸器感染症です。猫ウイルス性鼻気管炎はネコの呼吸器病の半数を占めるほど多く、呼吸器病の中で最も重要な疾病です。お母さんからの免疫が弱まる612週齢の子猫に多く発生します。

症状
猫ウイルス性鼻気管炎はクシャミ、鼻水、唾液などから接触伝播します。症状は発熱、元気消失、食欲不振、くしゃみ、鼻漏、眼やにの排泄、流涎呼吸困難、結膜浮腫、角膜炎角膜潰瘍などの風邪の様な症状を引き起こします。回復後には猫ヘルペスウイルス1型は潜伏感染し、免疫力の低下などにより再活性化し再発します。一回感染し慢性化すると、ずっと鼻をぐずぐずすることが多く一生付き合わなければならなくなります。早期発見・治療が大切です。


治療法として、従来は抗生物質、リジン、点眼薬、点鼻薬、インターフェロン注射などが一般的でしたが、
抗ウイルス薬(ファムシクロビル)を用いると改善率が高く当院でもよく用いるようになっています。

まずはワクチン接種がなにより大事ですので接種してあげてください。
また、治りにくい猫風邪でお困りの方は動物病院へご相談下さい。

垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

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爪切り
近年、人間界と同じく動物界でも高齢のワンちゃん、猫ちゃんが増えてきています。

ご高齢の猫ちゃんで多い病気は、

○腎不全
○甲状腺機能亢進症
などが有名です。

また身近なところで「爪の伸びすぎ」もけっこう多くみられます。
爪とぎをしなくなるせいか爪が肉球に食い込んでしまうのです。

高齢の猫ちゃん、ワンちゃんは定期的に爪切りをしてあげてください。
当院では爪切りだけでもできますのでお気軽にご来院ください。


↑肉球に爪が突き刺さっています。痛そうです…。


↑爪を切った後、肉球から出血がみられます

垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)
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猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)
猫エイズに感染している屋外飼育の猫ちゃんがたまに来院されるので今回はこの件について。

猫免疫不全ウイルス(猫エイズ、FIV)とははレトロウイルスに属するウイルスで、
多くの猫科動物に感染します。

ウイルスは世界中に分布しており、
数種類のサブタイプ(A〜Eまで)に分類されています。

アメリカでは野良猫の4%、ハイリスクのペット猫で7%
日本は自由に歩き回る猫が多いので感染率は野良猫で29%、疾病状態の猫では44%に達すると報告されています(世界一多いという話も)。

ウイルスは感染力が強く、唾液、血液などに存在しており、1回の咬傷で伝染する可能性があります。
ただ、舐めたり、グルーミングしたりする程度では感染しないため激しいケンカをしなければ問題ありません。

いったん感染してしまうと根治は困難で、発症すると難しい病気のため感染させないように予防することが大切です。

一番確実な予防法は、「家の中で飼育する」ことです。
どうしても家の中で飼育することが困難な場合や、同居猫が猫エイズに感染している場合は「猫エイズの予防ワクチン」を接種するという選択肢も近年出てきています。

詳しくは動物病院までご相談下さい。



↓猫エイズについてのサイト

http://www.animalhealth.pfizer.co.jp/pet/nekoeizu/dekirukoto/
| tarumioasis2 | 猫の病気 | 21:15 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
交通事故
近年、交通事故にあうワンちゃんは減っています。
放し飼いをされている犬は少なくなっていますし、屋内で飼育されていることが多くなっている為でしょう。
そんな中、猫ちゃんの事故はまだまだよく見かけます。
少し前にも病院の前のバス通りで車にひかれて亡くなってしまった猫ちゃんを見かけたことがあります。
外に出る猫ちゃんはケンカによる外傷も受けやすいですし、交通事故やウイルス感染の危険性も高くなります。なるべく出さないようにしてあげて下さい。

今回はその話の続きで、
当院に通われている猫ちゃんが外に出かけてしまい左後肢をひかれてしまいました。
損傷がひどく、あわや「断脚しなければならないかも…」
というところ、モイストヒーリングや創傷治癒剤のキチン、キトサン(カニの甲羅の成分です)を使って無事に皮膚が回復してきてくれました。
キチン、キトサンの力と動物の回復力には恐るべきものがあります。

 
↑受傷当日


↑洗浄、縫合処置後


↑踵部分の皮膚が癒合せず


↑踵部分の皮膚を縫合


↑ほとんど傷が治り、皮膚にも毛が生えてきています


現在は踵の皮膚もほぼ癒合してきておりあともう少しで完治しそうなところまできています。
あと少し、がんばれ猫ちゃん。

外の世界は危険がいっぱいなので気を付けてあげて下さい。

垂水オアシス動物病院
獣医師・院長 井尻
| tarumioasis2 | 猫の病気 | 17:45 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫の口内炎
 
上の画像の猫ちゃんはお口が痛くてごはんを全く食べられなくなってしまい来院しました。
猫ちゃんはこのように口が痛くなることが多いです。
中高齢の猫に多くみられ(平均7歳)、歯肉、咽頭などがおかされます。この病気の原因ははっきりしていませんが、口の中の細菌抗原に対する過敏症だともいわれています。

【症状】
よだれ、口臭、開口時の痛み、食べ物を食べるとき痛がる、食欲不振、体重減少などです。

【診断】
麻酔下で口腔内を観察します。またウイルス感染(猫白血病ウイルス、猫エイズウイルス)が口内炎を引き起こすこともあり、口内炎にかかっている猫のうち約15〜20%が白血病ウイルスに感染し、約25〜80%が猫エイズウイルスに感染しています。そのためウイルス検査が必要です。

【治療】
歯石などに含まれる細菌が原因になることが多いためスケーリングなど歯のクリーニングをしていきます。また抗生物質やプレドニゾロンなどのステロイド剤なども用いることがあります。
歯肉炎がひどい場合には、全部の臼歯を抜歯すると改善することがあります。

今回の猫ちゃんは、スケーリングを実施して歯をきれいにし、抗生剤と抗炎症剤を使ったところ食欲が出てきて激やせしていた体重も回復してきました。
その後も歯肉炎がぶり返すことがあるので歯磨き、T/D(歯垢を抑えるフード)、液体歯磨きなどをつかって状態を維持していく予定です。



| tarumioasis2 | 猫の病気 | 18:47 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫の風邪

最近は朝晩の冷え込みがきつくなってきました。
今回は寒くなる季節に特に多い猫の上部気道感染症について書きます。

少し前に公園へ行く機会があったとき野良猫たちを見てみるとほぼ全ての猫が鼻水・くしゃみをし、両目が目ヤニで塞がり開かない状態になっていました。

人も風邪を引きますが、猫も風邪のような症状を出す病気があり、原因になるのは細菌、ウイルス(ヘルペス、カリシウイルス等)、真菌感染です。
症状はくしゃみ、鼻水、目やに、結膜炎、発熱などがあり、かなり伝染性が強いので野良猫たちや多頭飼育をされている猫たちにはすごい勢いで流行します。
一度感染すると慢性化して鼻を常時ずるずる、グズグズいわせている猫ちゃんになってしまったりする事もあるので気をつけてあげて下さい。

重症化しないためにはワクチンが効果的なので予防接種をしておくことが必要になります。

| tarumioasis2 | 猫の病気 | 10:20 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫伝染性腹膜炎(FIP)
九月に入りましたが猛暑が続いています。
いかがお過ごしでしょうか。

最近、 腹水が貯まっている子猫ちゃんが来院しました。
まだ4ヶ月齢くらいだったのですが身体検査をしていると、お腹が少しぽっこりと膨らんでいるのに気になり念のためエコー検査をしてみると腹水が溜まっているのが見つかりました。
腹水の性状を検査してみると、「猫伝染性腹膜炎(FIP)」という病気の可能性が非常に高いことが判明しました。
この病気は若い猫に時々みられ最近お腹がぽっこり出てきたということや、元気・食欲が無い、発熱しているという症状から診断されることが多い病気です。少しでも楽に良くなるように期待したいと思います。

◎原因
猫コロナウイルスが原因で6ヶ月〜3歳の猫に多くみられます。


◎症状
症状のタイプは大きくウエットタイプ(滲出型)とドライタイプ(非滲出型)に分けられます。

ウエットタイプの場合:元気消失、食欲低下、発熱、腹囲の腫れ、呼吸困難、貧血、脱水、黄疸、下痢などがみられます。

ドライタイプの場合:中枢神経系や眼に病変が認められる頻度が高く、脳・脊髄では病変部位によりさまざまな神経症状(運動失調、けいれん、意識障害、旋回運動など)を起こします。眼に症状がでた場合はブドウ膜炎、脈絡膜炎などを起こし失明するケースもあります。


◎診断
胸や腹に貯留した液体を検査・分析(比重は通常高い)し、持続性の発熱、高ガンマグロブリン血症、神経症状などの所見を総合して診断します。


◎治療
一般的に有効な治療法はなく、全身性あるいは典型的な症状を示す症例はほとんど例外無く数日〜数ヶ月の経過をたどり亡くなってしまうことが多いです。しかし、プレドニゾロンやインターフェロンで治療することで効果があったという報告もあります。


◎予防
効果的なワクチンはありません。感染経路は無症状のウイルスを持つ母猫から、母猫由来の免疫能がなくなる5〜7週齢の子猫への感染と言われています。したがって4〜5週齢に離乳させ、その後母猫を含め他の猫と接触させないようにすると感染する可能性が減らせるといわれています。

| tarumioasis2 | 猫の病気 | 10:23 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫の口内炎
 

日々診察していると猫ちゃんに口内炎ができてよだれを垂らしたり、口が痛くて食事が摂れないケースを見かけることがよくあります。

この病気の原因は全てがはっきりとはわかっていませんが、免疫機能の乱れが関係していると思われ、口腔内細菌に対する過敏症も原因といわれています。

猫の口内炎では、歯肉、ほほの粘膜や舌などの部位に発赤や腫れ、潰瘍などが見られ、
症状は、痛み、口臭、食欲低下、体重減少、流涎などで、
本症の発症率はさまざまな報告がありますが、約6~7%です。

歯垢、歯石の付着程度が高くなるのに伴って発症率が高くなりますが、歯石がほとんど無くても口内炎になることもあります。

また、ウイルス(猫白血病ウイルス、猫エイズウイルス)感染が原因となり口内炎を引き起こす場合もあって口内炎の猫のうち白血病ウイルスが感染している割合は15〜20%、エイズウイルスが感染している割合は25〜80%といわれています。

発症年齢は平均7.1歳(4〜17歳)で、缶詰タイプの食事を主食にしている多頭飼育の猫に本症の発生が多いと言われています。


治療方法にはさまざまな方法があり報告さてていますが、確立された治療法はなく完治できない症例も多く難治性なことが多いです。

治療方法は、
〇垢・歯石除去による口腔内細菌の清浄化
▲好謄蹈ぅ漂泙砲茲詭髪嵳淦療法
L髪嵳淦剤による治療
す垣己質による治療
ゥぅ鵐拭璽侫Д蹈鵑砲茲觴N
Ε薀トフェリンによる治療
低アレルギー食の給与
炭酸ガスレーザーによる炎症部位の蒸散
各種の酵素
抜歯
などがあります。

まず、口の中の衛生状態を良くして(歯石除去、歯垢除去、上の画像の猫ちゃんは歯石のスケーリング中です)、その後歯磨きやデンタルジェルで維持していくことをお勧めします。しかし、それでも治まらない場合は抜歯をすることで完治もしくはかなり口の炎症が治まります。通常、抜歯することで60%の猫が良くなり、20%で程度が軽くなり、13%がまだ内科的な治療が必要で、7%で効果がみられません。

なかなかやっかいな病気ですが、痛くて食べれないと生活の質が低下するので治療をしていくほうがよいです。




| tarumioasis2 | 猫の病気 | 10:59 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫の膿胸
膿胸
昨日は大雨が降りました。
病院の前の道路が川のようになっていて、
ニュース映像で見るようにマンホールから水が噴出していました。
最近の天気は少しこわいですね。

ここ何週間か入院している患者さんがとても多く、看護と治療の日々を過しています。

先日膿胸の猫ちゃんが来院したので書いています。

膿胸とは胸の中に膿が溜まってくる病気です。原因は細菌感染のことがほとんどです。なぜ感染するのかは不明な事が多いのですが、血行性に感染したり、昔のケンカ傷からの感染や植物のノギなどの異物が胸に入ってしまうことが原因の場合もあると言われています。

症状は細菌が大量に感染するので、その毒素などの影響で発熱、食欲不振、体重減少、呼吸困難などを引き起こします。

診断は臨床症状、血液検査、聴診、X線検査、胸水の分析、胸水の細菌感受性試験などで診断できます。

この猫ちゃんの場合は状態が非常に悪く、呼吸が苦しい状態でした。
現在治療中です。

治療は、細菌感染を抑える抗生物質を使いつつ、胸にチューブを入れて胸に溜まった膿をキレイに洗浄します。

この膿胸という病気の場合、早めに治療できれば良くなる確率が高いので、息苦しそうなのを見つけたら早めに動物病院へ連れて行ってあげて下さい。


| tarumioasis2 | 猫の病気 | 18:08 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
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