神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
短頭種症候群

もうすぐGWですね。

当院では通常通り診察を行っておりますのでご来院ください。

 

先日、短頭種気道症候群のワンちゃんが来院されたので今回はこの病気について。

短頭種気道症候群とは、外鼻孔狭窄(鼻の孔が狭い)、軟口蓋過長(軟口蓋というノドの奥の部分が長い)、喉頭小嚢外転、喉頭部組織が肥厚しているなどの短頭種によく見られる異常です。
この病気は短頭種と呼ばれる鼻の短い犬種(ブルドッグ、パグ、ボストンテリア、キャバリア、シーズー、チワワなど)に多く、年齢と伴に徐々に悪化していきます。

簡単に言うと、呼吸するのに大切な「鼻の孔」や、「のど」が狭いので呼吸が苦しく、
「ブヒブヒ、フガー」と呼吸したりします。
また、寝ているときに「いびき」の症状が出ることが多いです。
短頭種のワンちゃんを飼われている飼主さんはたかが「いびき」では無い可能性が高いので注意してください。

診断方法は軟口蓋の部分をレントゲン写真で診断したり、麻酔下でのどの奥を目視して状態を確認していきます。

治療方法は、軟口蓋切除術という手術(余分な軟口蓋という部分を取り除き呼吸の通路を広げる手術)、外鼻孔狭窄の手術(鼻の孔を広くする)、喉頭小嚢切除術(喉頭小嚢という部分を取り除き呼吸の通路を広げる手術)を行います。

短頭種気道症候群は、慢性進行性の病気なので若いうちに改善させる方が良いといわれています。
呼吸の通路が狭いのに無理に息を吸うことになるので、これが持続すると4歳以上では気道の形を保つことが出来にくくなり、8歳以上で喉頭虚脱という末期の状態になってしまうと手術しても改善させることがなかなか出来なくなります。

手術成績は手術時の年齢が関係していることが報告されており、1歳以前に手術を受けた動物はそれ以降に手術を受けた動物よりも予後が良いです。一般的には4〜24か月齢での手術が望ましいと思われます。
若齢であればほぼ安全に手術をすることができるので、症状のある短頭種のワンちゃんを飼われている飼主さんは去勢・避妊手術時に同時に実施するのがお勧めです。

 

今回のワンちゃんは軟口蓋過長症がひどくいつも「ガー ガー 」と呼吸の度に大きな音がしていたため、

他の手術のついでに今回はこの手術を行ったところ、息苦しそうなガーガー音がだいぶ改善されました。

 

↑軟口蓋と喉頭部分(手術後)

 

↑摘出した軟口蓋の過長部分

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 呼吸器疾患 | 18:42 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
軟口蓋過長症(短頭種気道症候群)

2日前に4歳齢のパグのこむぎちゃんの手術がありました。

一時ひどかった咳はおちついてきたのですが、努力性の呼吸(吸うこむときの時間が長い)や、いびきがありました。

レントゲン写真でも明らかに気道内にひきこまれているもの(長くなった軟口蓋)がありました。

 

実際に麻酔をかけて喉を観察してみると、

息を吸った時に、喉頭蓋(喉の入口)に長くなった軟口蓋(ヒトでいう、のどちんこの部分)が吸い込まれて、ガーガーという音が発生しています。

※通常の軟口蓋は喉頭蓋にわずかに覆いかぶさる程度です。

 

ですので、長くなった部分の軟口蓋を慎重に切除し鼻咽頭腔や鼻孔を広げて、陰圧を解除するような手術を試みました。

 

術後の合併症も起こさず、本日退院できましたキラキラ

呼吸するときに音はしますが、呼吸は少し楽そうです。

避妊手術や乳歯の抜歯も同時に行いましたが、こむぎちゃん本当によくがんばりました花丸

 

垂水オアシス動物病院

高瀬

 

| tarumioasis2 | 呼吸器疾患 | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
短頭種気道症候群

短頭種気道症候群

先日、短頭種気道症候群のワンちゃん(パグ)の手術を行ったので今回はこの病気について。
短頭種気道症候群を簡単にいうと、「鼻の孔や、のどの奥が狭いために息苦しくなってしまう」病気です。
避妊手術と同時に治療を行ったところ、ブーブーガーガーといびきのような呼吸が、術後はかなり無くなり楽になりました。

短頭種気道症候群とは、パグ、フレンチブル、ボストンテリア、ブルドッグ、シーズーなどの鼻の短い犬種(短頭種)で見られる気道障害(要は息が吸い込み難い)をいいます。短頭種特有の、平たい鼻、丸い頭、短く太い首などが原因となり、鼻孔が狭い、軟口蓋の過長、喉頭小嚢の反転、気管の低形成などが合併して起こります。

【症状】
いびき
・いびき様呼吸
・開口呼吸
・呼吸困難(とくに吸気)
・チアノーゼ(特に運動後に多い)
・運動不耐性
・高体温(熱中症になり易い)

【診断】
犬種、症状などから診断したり、麻酔をかけた状態で軟口蓋の長さを調べます。

【治療】
外科的・内科的治療があります。
外科的治療としては、可能な限り気道の径を増大させ、気道抵抗を減少させることを目的にし、
鼻孔の狭窄、軟口蓋の過長、喉頭小嚢の反転は手術により治療することができます。
内科的治療は今ある症状を緩和する目的で、体重のコントロール、鎮静、涼しい環境での飼育、抗炎症薬の投与などを行います。

【外科手術の時期】
短頭種気道症候群は、徐々に進行していく病態のため、現在では若いうちに外科手術を計画するほうが良いと考えられています。短頭種気道症候群の手術成績は、1歳以降に手術を受けた動物より、1歳前に手術を受けた方が成績が良いいうデータも出ている為、4〜24か月齢での手術実施が望ましいと考えられています。
無症状あるいは軽度の症状であったとしても将来的に重症化するリスクもあるため、(高齢になってから、短頭種気道症候群が進行してからの手術リスクは高い)手術を行うのであれば避妊・去勢手術時などの若年齢での実施が望まれます。※
※参考文献 インターズー社 SURGEON91 



↑長くなった軟口蓋を器具でつまんでいます。この部分が気道に吸い込まれていびきや呼吸困難の原因になっていました。
この部位を切除します。


↑軟口蓋を切除して吸収糸で縫合していきます。


↑軟口蓋を縫い終わったところです。気道に吸い込まれていた余分な部分が無くなりました。この子の場合、手術後にはいびきが無くなりました。


↑切除した過剰な軟口蓋部分。


垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)
 
| tarumioasis2 | 呼吸器疾患 | 10:21 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
短頭種気道症候群
先日、短頭種気道症候群のワンちゃんが来院されたので今回はこの病気について。

短頭種気道症候群とは、外鼻孔狭窄(鼻の孔が狭い)、軟口蓋過長(軟口蓋というノドの奥の部分が長い)、喉頭小嚢外転、喉頭部組織が肥厚しているなどの短頭種によく見られる異常です。
この病気は短頭種と呼ばれる鼻の短い犬種(ブルドッグ、パグ、ボストンテリア、キャバリア、シーズー、チワワなど)に多く、年齢と伴に徐々に悪化していきます。

簡単に言うと、呼吸するのに大切な「鼻の孔」や、「のど」が狭いので呼吸が苦しく、
「ブヒブヒ、フガー」と呼吸したりします。
また、寝ているときに「いびき」の症状が出ることが多いです。
短頭種のワンちゃんを飼われている飼主さんはたかが「いびき」では無い可能性が高いので注意してください。

診断方法は軟口蓋の部分をレントゲン写真で診断したり、麻酔下でのどの奥を目視して状態を確認していきます。

治療方法は、軟口蓋切除術という手術(余分な軟口蓋という部分を取り除き呼吸の通路を広げる手術)、外鼻孔狭窄の手術(鼻の孔を広くする)、喉頭小嚢切除術(喉頭小嚢という部分を取り除き呼吸の通路を広げる手術)を行います。

短頭種気道症候群は、慢性進行性の病気なので若いうちに改善させる方が良いといわれています。
呼吸の通路が狭いのに無理に息を吸うことになるので、これが持続すると4歳以上では気道の形を保つことが出来にくくなり、8歳以上で喉頭虚脱という末期の状態になってしまうと手術しても改善させることがなかなか出来なくなります。

手術成績は手術時の年齢が関係していることが報告されており、1歳以前に手術を受けた動物はそれ以降に手術を受けた動物よりも予後が良いです。一般的には4〜24か月齢での手術が望ましいと思われます。
若齢であればほぼ安全に手術をすることができるので、症状のある短頭種のワンちゃんを飼われている飼主さんは去勢・避妊手術時に同時に実施するのがお勧めです。


今回、来院されたワンちゃんはシーズーの10歳を超えた子で、来院時「ガー!ガー!ガー!」と
開口呼吸をしていました。
飼主さんにお聞きすると、以前からいびきをかいたり、フガフガ言ったりすることは多かったとのこと。

さっそく、ICU(酸素室)に入れて冷房で冷やすと落着きを取り戻しましたが、吸気時の「ガー!ガー!」音は全く消えませんでした。
状態を改善させた後、麻酔下でノドの奥を見ると、軟口蓋過長症が見つかりこれを切除し、鼻の孔を広げる手術も実施しました。

10歳以上の高齢であったため、手術でどれくらい改善できるか心配でしたが、
幸いなことに術後は吸気時のガーガー音はほぼ無くなり呼吸はとても楽にできるようになってくれました。よかったよかった。

短頭種のワンちゃんを飼われている飼主さんは、いびきをかいていないか、フガフガブヒーブヒーなどと言わないかよく見てあげて、もし症状があるようなら動物病院へご相談下さい。
フガフガ言っているのを何年も様子を見ていると歳をとっていった時、呼吸が出来なくなる恐れがあります。


垂水オアシス動物病院
獣医師・院長 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)


↑短頭種気道症候群のため呼吸が苦しそうなワンちゃん
| tarumioasis2 | 呼吸器疾患 | 19:38 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
気管虚脱

気管虚脱は 中高齢の小型犬(チワワ、ヨーキー、ポメラニアンなどのトイ腫)に多い病気です。
文字通り、呼吸をするときに気管がペッタンコに扁平に閉じてしまい(気管が虚脱してしまう)息が苦しくなり、原因ははっきりとはしていませんが遺伝的な素因が関係していると言われています。
症状は興奮した時などに「ガーガー」といったり、咳込んだり、呼吸困難になってしまったりします。

診断はX線検査にて吸気・呼気時の二枚を撮影すると診断がつくことが多く、
中高齢の小型犬の子で咳をよくしたりガーガー鳴くことが多い場合は気管虚脱のことが多いので一度診断してもらってください。
小型犬でよく似た咳などの症状を出す病気に僧房弁閉鎖不全症という心臓の病気があり中高齢によく見られ、気管虚脱とは治療方法が違いますので診断が大切になります。



| tarumioasis2 | 呼吸器疾患 | 18:42 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
<< November 2017 >>
ページのトップへ