神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
免疫介在性溶血性貧血(IMHA)

最近、台風が来たり曇りか雨かという秋雨が続いています。

先日、免疫介在性溶血性貧血貧血を起こしたワンちゃんが来院されました。

 

免疫介在性溶血性貧血(IMHA)は、血液中の赤血球が破壊されてしまい貧血を起こす病気です。

犬に多くみられ、マルチーズ、コッカースパニエル、プードルなどが好発犬種で中年齢に多く発生が見られます。

 

症状は、

貧血を起こして歯ぐきなどの粘膜部分が真っ白になり、ぐったり、尿が黄色からオレンジや赤色っぽく変色します。

 

診断は、

溶血を疑う貧血、球状赤血球出現、赤血球自己凝集あり、直接クームス試験陽性などの所見があるか見ていきます。

その他に、溶血を引き起こす玉ねぎ、ネギ類の摂取が無いか、低リン血症、腫瘍などがないか調べて除外して診断が行われます。

 

治療は、

免疫抑制剤(ステロイド薬、シクロスポリン、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル…)などを投与し赤血球の破壊を抑えていきます。それに加え、ヒト免疫グロブリン製剤(ガンマガード)の投与を行うこともあります。←【とても高額なお薬なのが難点】お薬が効いてくるまでに貧血が急激に進行すると容態が急変してしまうため、輸血を行う場合もあります。

 

 

↓血液を試験管に入れて遠心分離した後の様子。左がIMHAの犬の血液、右が普通の犬の血液です。黄疸が出ており、貧血を起こしているため赤血球部分が少なくなっています。

 

 

↓IMHAの犬の赤血球。自己凝集あり(赤血球同士がくっついています)  ↓ふつうの犬の血。自己凝集無し

 

今回のワンちゃんは、輸血を行い、免疫抑制剤を投与し、常備していたガンマガードを投与し、貧血が改善したため無事に退院していってくれました。しかし、貧血が急激に進むと命の危険性が高くなるため、血尿が出ていたり、歯ぐきが真っ白になっていたり、ぐったりしているようなときは命が危ないので、普段と様子が違うときは早めに動物病院へ連れて行ってあげて下さい。

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

| tarumioasis2 | 輸血 | 09:51 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
輸血
重度な貧血のわんちゃんが来院しました。
その子は貧血がとてもひどく、ぐったりして立っていられない様子です。
原因は重度の貧血と子宮蓄膿症が合併した症状によるものでした。
この場合、輸血をして子宮蓄膿症の手術をすれば救命できる可能性がでてきます。

飼い主さんにお話をお伺いしてみると、
当院に来院される前に、ご近所の病院と大阪の動物病院を3件ほど受診されたそうです。
しかし、「貧血がひどく子宮蓄膿症の手術ができないし血液型が合う血が用意できない。」ということになり大阪の動物病院の先生から「当院なら対応できるだろう」ということでご紹介頂きました。

診察してみると確かに、貧血がひどいのでそのまま手術をするとかなりのリスクがありそうです。
希望をつなぐため当日来院されていた中型犬〜大型犬の飼い主さんにご協力をお願いしたところ、とても有難いことにドナーを引き受けて頂けることになりました。ほんとうに感謝です。

さっそくクロスマッチ試験をして輸血の適合性を調べると、問題なく輸血できることがわかりました。
採血、輸血後に手術をして無事に麻酔からも覚め、術後2日目の今日には早くも食欲旺盛でとても元気になってきてきます。

日本では人間と違って血液バンクというものが存在せず、輸血するには適合する血液を探さないといけません(アメリカには動物の血液バンクがあるそうです)。
病院の犬では血液型が適合しないこともあるので飼い主さん、患者さんに輸血のドナーをお願いすることがこれからも有るかもしれません。
もし、そのような事があった場合には可能であればドナーにご協力をお願い致します。

垂水オアシス動物病院
獣医師・院長  井尻







 
| tarumioasis2 | 輸血 | 19:46 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
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