神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
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SUBシステム(ポタくん)

先月のとある水曜日、

家の何処かからか「ウボッ、ウボッ、オェッ!」という不思議な音が聞こえてきました。

「あれ!?何の音だろう?」と

 

音の出所へ近づいてみると、

我が家の雄猫の「ポタ(3歳)」がゲロ(嘔吐)を吐いていました。

 

もともと時々吐くことがあったので、

今回も「大丈夫かな…。」と心配しながら様子をみていたのですが、

立て続けに10回以上も吐いて、終いにはぐったりしてしまいました。

 

経験上、いつもの嘔吐とは違う感じで、

これは何か良からぬことが体の中で起きているに違いない症状です。

 

嘔吐する場合、

膵炎異物誤食事故、などが良くみられる原因です。

 

「何か変なものでも食べたのかな。」と思いつつ、

すぐに動物病院に連れていき、

血液検査、エコー検査、レントゲン検査をしてみると…、

 

事前の予想とは全然違って右の腎臓が腫れて「水腎症」を呈していました。

他の検査からは膵炎や異物などは無さそうです。

おそらく結石など何らかの原因で尿管が閉塞してしまったため、このような状態になってしまったのでしょう。

 

腎臓で出来た結石が尿管に詰まってしまうことがあります。

すると、腎臓で作られた尿が膀胱へ流れて行かないため、腎臓が腫れてきます(水腎症)。

 

こうなってしまったまま放置して時間が経過すると、

腎臓が壊れてしまい永久的に治らなくなって、両方の腎臓がダメになると最悪急変してしまいます。

 

腎臓は左右に1個ずつ2個ありますので腎臓が片側だけになっても生きていけるはずなのですが、

もちろん腎臓は2個あった方が良いですので、右の腎臓を摘出するのではなく、

今回はSUBシステム(尿管皮下バイパスシステム)を使って右の腎臓を何とかして助けようということになりました。

 

 

↑右側腎臓が水腎症になっています(右の尿管に石が詰まってしまい腎臓から尿が流れないため)

 

↑術後のレントゲン画像(造影剤を流して腎臓から膀胱まで流れるか確認しています)

 

術後は頻尿や血尿がしばらく続きましたが、

尿が溜まって水腎症になっていた腎臓のサイズも小さくなり落ち着いてきて状態も良く通常通りの様子です。

 

原因はシュウ酸カルシウムによる尿管結石だと推測できますので、

今後も再発や反対側の腎臓の結石にも気を付けなければなりません。

 

やっぱり3歳と若くても何か様子がおかしいなと思ったら、

やはり様子を見ずに動物病院へ連れていってあげた方が良いですし、

ある程度詳しく検査もした方が良いと改めて思わされました。

 

続編はこちら⇒猫のSUBシステムの合併症(頻尿、血尿)

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

 

 

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