神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
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犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)を「手術しない」とどうなる?

 

はじめに

 

 

膝蓋骨脱臼(パテラ)とは、

膝蓋骨が大腿骨遠位にある滑車溝から内方もしくは外方に脱臼する疾患です。

 

ペットショップから迎え入れる時には見つかったり、

動物病院の健康診断で発見されたり、

後足をケンケンと跛行して発覚したり、

 

パテラを持っている犬を飼育されている飼い主さんは意外と多く、

「どうすれば良いものか…」、と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

 

パテラと一言でいっても、

無症状のものから、かなり重度なものまで様々です。

 

今回は、

膝蓋骨脱臼の治療をしなかった場合、

最悪のケースではどういうことが起きるのかを解説していきます。

 

 

参考記事⇒犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)

 

 

パテラの症状

 

 

膝蓋骨脱臼の症状がある犬では、

 

  • 突然キャンとないて後足を痛そうにする
  • 後足を曲げ伸ばしした時に膝からコキコキと変な音が聞こえる
  • 時々後足でスキップ様の歩行をする(ケンケンする)
  • 脱臼している膝蓋骨を自分で戻そうとして後足を伸ばす動作をする


などの症状がみられます。

 

膝蓋骨脱臼のグレードや状態にもよりますが、 

 

参考記事⇒【グレード分類についてはこちらへ

 

グレード1〜2で全く無症状の場合は手術をせずに経過観察することもあります。

無症状のグレード1〜2の小型犬の場合、

床を滑らないようにマットを敷いたり、

太らないように体重を管理したり注意をして、

膝蓋骨脱臼があったとしてもなるべく関節炎や痛みを引き起こしにくいようにする必要があります。

(※グレード1、2であっても手術が必要になるケースもあります)

 

また、

グレード1〜2でも症状がある場合や、

グレード3以上の場合は、

手術しないで放置すると、

高齢になってから最終的に変形性関節症(関節炎)になる可能性が高いことから、

若いうちに整復手術を受けた方が良い場合が多いです。

 

また、

文献によると膝蓋骨脱臼のある犬の少なくとも15%から20%では、

高齢になると最終的に前十字靭帯が断裂すると報告されています。

 

【前十字靭帯断裂と膝蓋骨脱臼の併発症例の当院治療例 参考記事,呂海舛

 

【前十字靭帯断裂と膝蓋骨脱臼の併発症例の当院治療例◆参考記事△呂海舛

 

これは膝蓋骨が脱臼することで膝の生体力学が変化してしまい、

前十字靭帯により多くのストレスと負荷が掛かり、

前十字靭帯が断裂してしまうと考えられます。

 

以上のことから、

膝蓋骨脱臼を手術しないで放置すると、

関節炎が進行してしまったり、前十字靭帯が断裂してしまったりするため、

特に、

グレード1、2でも症状のある犬、

またはグレード3以上の場合は若い頃に整復手術を行った方が良いと思います。

ただ、

グレード2〜3の犬では、意外と無症状で飼い主さまにも気づかれていないケースも多くあります。

 

 

まとめ

 

症状が認められている場合や、

グレード3以上のパテラを治療せずに放置すると、

中高齢になってから前十字靭帯が断裂したり(15〜20%の確率)、膝の関節炎がひどくなり患肢が不自由になることもあります。

 

 

さいごに

 

 

膝蓋骨脱臼などの整形外科疾患を治療するには特殊で専門的な知識や技術が求められるため、

どの動物病院でも治療や手術をしているわけではありませんが、

経験のある慣れた獣医師であれば十分に治療していくことが可能です。

 

垂水オアシス動物病院では整形外科を得意としておりまして、

AO(Arbeitsgemeinschaft für Osteosynthesefragen)という

骨折治療を研究しているスイスを拠点とする国際的な研究財団

AOVETが開催する整形外科研修をマスターコース(上級)まで全て修了しています。

Small Animal Masters Course(マスターコース:上級)修了

また、

アメリカなどの海外へ研修に何度も渡航して専門技術を習得し、

今までに数多くの膝蓋骨脱臼症例の診断・治療や手術の執刀をして経験を積んできました。

 

パテラの治療・手術をご希望の場合は、

これまでの症状や経過などが分かるようにして頂いたうえでご来院ください。

 

パテラの治療が必要かどうかなど、

飼い主さんには判断が難しいケースも多いと思います。

 

「パテラがあるけれど治療が必要?」

「様子を見ていても大丈夫?」

「手術の適応か否か?」

「どのような治療を行うのか?」

 

などのアドバイスもできますので、

パテラが気になる方は一度ご相談に来院してみてください。

 

 

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

| tarumioasis2 | 犬の膝蓋骨脱臼(パテラ) | 19:24 | comments(0) | - | ↑TOP
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