神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
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犬の前十字靭帯の損傷に温存療法は有効か?

先週、膝蓋骨脱臼(パテラグレード4)があり、前十字靭帯も断裂してしまったヨークシャテリアちゃんが来院されました。

 

特に落ちたとか、事故に遭ったとか何もないけれど、突然後足を跛行しているとのこと。

参考記事⇒犬のパテラ(膝蓋骨脱臼)グレード分類について

 

 

こちらのヨーキーちゃん、実は以前からパテラグレード4の持病があったのですが、

そのまま様子を見ていたところ、年齢が10歳を超えたあたりで前十字靭帯が断裂してしまいました。

参考記事⇒犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)を「手術しない」とどうなる?

 

このままでは前十字靭帯断裂とパテラの痛みが持続して跛行が続く可能性が高いため、

今回は飼い主様とご相談の結果、前十字靭帯断裂とパテラを整復する手術を行いました。

 

↑BIFORE:大腿骨の滑車溝が浅く、軟骨が糜爛を起こしています

 

 

↑AFTER:滑車溝を深くして脱臼し難くします

 

 

↑BIFORE:関節外法という方法と、パテラの手術(造溝術、内側支帯のリリース、外側関節包の縫縮)を組み合わせて整復しました

 

今回はパテラグレード4と最重度の膝蓋骨脱臼でしたので

滑車溝に整復できるかどうか少し懸念していましたが問題なく整復することができました。

 

やはり、

グレード3以上のパテラがある小型犬では、

今回のように高齢になってから前十字靭帯が断裂することが多いので、

若いうちにパテラを治しておいた方が良いかもしれません。

 

 

 

さて、

犬の前十字靭帯が断裂してしまっている場合、

 

手術をしないで様子を見る保存療法(内科的治療)をしても良いかどうか迷うことがあると思います。

別記事⇒TPLOって何?犬の前十字靭帯断裂とは?治療法(TPLOなど)を解説!

 

前十字靭帯断裂の治療法には、

主に内科治療と外科治療があります。

 

 

■内科治療(温存療法)
消炎鎮痛剤の使用、運動制限(2〜3ヶ月程)、サプリメント(アンチノール)の使用、ダイエットなど

体重が10kg以下の犬には内科治療を行うケースもあります。

 

小型犬では内科的治療で症状の改善(跛行の消失)がみられこともあり、一見正常に見えることが多いようです。

そのため、外科治療を望まれない場合や、

高齢犬や心臓病や腎臓病などの持病がある場合は手術を行わずに経過観察していく場合もあります。

 

ただし、内科的な保存療法では、

関節の不安定性は残存したままのため、跛行が持続したり、半月板を損傷したり、

将来的に変性性関節症を発症することもあり

 

10kg以下の小型犬であったとしても、

経過観察をして跛行などの症状が改善しない場合はもちろん、

できれば早期に治療した方が良いかもしれません。

 

また、特に体重が10坩幣紊慮い牢慇甕蠅進行し易いので、外科手術を受けた方が良いと考えられています。

 

↑前十字靭帯が断裂すると、膝関節が不安定になってしまい、将来的に関節炎が進行したり半月板が損傷するリスクが高まります

 

参考記事⇒膝蓋骨脱臼(パテラ)のサプリメントについて

 

■外科治療
手術により膝を安定化させます。

手術を行う事でより正常な膝の機能を取り戻す事が可能で、将来的な関節炎の可能性を減らします。
犬の場合は前十字靭帯が重要な役目を持つため基本的には外科手術による治療が望ましい場合が殆どです。

 

最近ですと、小型犬にもTPLOという手術法が適用されており、

術後成績が良好と報告されています。

 

参考記事⇒TPLOって何?犬の前十字靭帯断裂とは?治療法(TPLOなど)を解説!

 

 

内科治療を行うのか、もしくは外科治療を行うのか(外科治療を行うのであればどの方法を選択?)

詳しくは動物病院の先生に相談してみてください。

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 犬の膝蓋骨脱臼(パテラ) | 20:26 | comments(0) | - | ↑TOP
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