神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
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猫のSUBシステムの合併症(頻尿、血尿)

以前、

我が家の猫のポタくんが尿管閉塞から水腎症になってしまい、SUBシステムを使って治療したことをブログに載せました。

 

その時の記事はこちらから⇒SUBシステム(ポタくん)

 

あれから、約1年半が経過していていますが、

再び水腎症の症状が出ることも無く、現在までのところ大きな問題は無く元気にしています。

 

ただ、

術後すぐから頻尿が続いており、一日に何回もトイレに駆け込んで残尿感がある感じが続いているのはずっと気になっていました。

 

 

 

↑変な恰好でおしっこをするポタくん。一日何回もトイレに行きます。

 

当院で今までに「SUBシステム1.0(←旧型のシステム)」で手術してきた何例かの猫ちゃん達には、

術後に頻尿は全く認められなかったのですが、

「SUBシステム2.0(←進化した新しいバージョン)」で手術をしたポタくんには頻尿がみられて、残尿感がある様子。

 

SUBシステムの長期予後(1か月以上)で予測される合併症をみると、術後感染15%、再閉塞18%、頻尿<2%の発症率といわれているのですが、

ポタくんは2%以下の頻尿の症状に当てはまってしまったようです。

 

https://norfolkvetproducts.com/products/sub-2/

 

この頻尿どうにかならないものかと、

アメリカのSUBシステムを発明・開発された獣医師に直接問い合わせしてみました。

 

すると、ステロイド薬の投与や、大麻から精製されるオイル(CBDオイル)の投与をしてみたら改善するのでは、

というアドバイスを頂くことができ、試してみることに。

 

しかし、

残念ながらポタくんには合わなかったようで頻尿の症状は全く変わりませんでした。

 

 

私が想像するには、

膀胱内に入っているSUBシステムのカテーテル部分が、

膀胱壁に当たっているため、それが刺激になり残尿感や頻尿に繋がっている可能性が高いような気がします。

 

SUBシステムのセミナーや研修会をされている日本の大学の先生にも相談してみたところ、

大学の先生も、最近は術後の頻尿の発生を懸念して膀胱側のカテーテルを短くカットして使っているとのこと。

 

このまま頻尿や残尿感が続くのは本人(本猫?)もつらいでしょうし、

改善する可能性に賭けてみようと、

SUBシステムの膀胱内に入っているカテーテル部分を、

膀胱壁に当たらないように短めにカットすることにしました。

 

↑SUBシステム2.0では膀胱内にあるカテーテルがループ状になっている仕様です

 

↑膀胱を切開して膀胱内のカテーテルを短くカットしました

 

↑カットされたカテーテル

 

↑膀胱内にあるカテーテルが短くなりました

 

その後は、

残尿感が無くなった様子で、

1週間後くらいに頻尿がほとんど改善しました。

 

 

 

SUBシステム

↑SUBシステム1.0

膀胱側のカテーテルが真っすぐな形状になっているため、膀胱に接触し無さそう

 

↑SUBシステム2.0

膀胱側のカテーテルがピッグテール様に丸くなっているため、

膀胱に接触して刺激になりそうです

 

※注:SUBシステム2.0で正規の手順で手術した猫ちゃんが全て頻尿になる訳ではありません。

問題なく頻尿にならない猫ちゃんも多いと思います。

また、SUBの手術後すぐは多くの場合、血尿や頻尿になりますので経過観察が必要です。

術後何週間も頻尿が継続するようであれば、カテーテルが刺激になっている可能性を考える必要があります。

 

 

最近になって、

SUBシステム3.0(最新システム)も新たに発売されるということになりました。

それはSUBシステム1.0と同じように膀胱側のカテーテルが真っすぐな形状に再び戻ったようです。

 

 

 

SUBシステム2.0で手術を行う動物病院の獣医師は、

あくまで自己責任にはなりますが、

メーカー推奨の正規の手順通りのやり方ではなく、

カテーテルが膀胱を刺激しないように、

膀胱内のカテーテルを短くカットしておくのも一つの方法かもしれません。

 

 

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

 

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