神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
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巨大食道症
「2日前からゲホッと水や泡を吐く」という主訴で来院されたワンちゃんがいました。

症状から異物が食道に詰まっている、もしくは食道の異常を疑い内視鏡検査(胃カメラ)を実施しました。
カメラを挿入していっても食道、胃、十二指腸に異物や異常は認められませんでした。

翌日にも吐き気が続くことから、巨大食道症を疑いバリウム造影検査を行いました。

すると…
食道が拡張している所見がありこれから巨大食道症と診断されます。

 
↑食道が拡張しています


巨大食道症とは、食道の拡張、食道の蠕動運動の消失などを示す、一連の症候群です。

「◎巨大食道症とは?」

【原因】 先天性と後天性に分けられます。

★先天性巨大食道…原因は不明です。

★後天性巨大食道…重症筋無力症(約25%)、副腎皮質機能不全、食道炎、筋障害・神経障害(甲状腺機能低下症)、全身性紅斑性狼瘡、鉛中毒、シャーガス病、犬ジステンパー、皮膚筋炎、自律神経障害、特発性などが原因となって発症します。主に犬に認められます。

【症状】

主に認められる症状は嘔吐ではなく、吐出です。体重減少を伴っていることもあります。また、吸引性の気管支炎や肺炎を起こしている場合、発咳などの症状が認められることもあります。

【診断】

最初に症状が吐出であろうと推測します。続いてレントゲン造影検査や内視鏡検査で閉塞性ではない食道拡張を確認します。また、後天性食道拡張では、その原因を調べることが重要です。原因を調べていっても不明の場合は、特発性後天性巨大食道と呼ばれます。

【治療】

先天性の場合、現在のところ内科的に治療することは不可能です。後天性で、原因が分かっているものは原因に対する治療を行うことで改善します。内科療法としては腸管運動亢進剤を投与することによって改善することもあります。

※いずれの場合でも食餌管理が大切になってきます。この病気の動物に食餌を与えるときは高い台を利用して後肢で立たせ、液状〜半流動の食餌を食べさせます。この状態では、食塊は重力によって食道を通過し、胃に到達しやすくなります。この状態を510分間維持する必要があります。


ゲホッと吐くなどの症状が続く場合は、
嘔吐ではなく食道に問題があるかもしれません。
変な症状が続くようなら動物病院へご相談下さい。

垂水オアシス動物病院
獣医師・院長 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 消化器疾患 | 11:46 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
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