神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
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胆嚢粘液嚢腫
昨日、胆嚢の「粘液嚢腫」と呼ばれる病気の手術があったので今回はこの件について。
胸が深い犬種(シェルティちゃん)で胆嚢を剥離して摘出する際の難易度がやや高めでしたが問題なく摘出できました。

粘液嚢腫と呼ばれる胆嚢の病気は、シェルティ、コッカー、シュナウザーなどの犬種で10歳前後に多発します。

胆嚢内に泥状の胆泥や胆汁などが蓄積していくと「粘液嚢腫」は発症します。
この疾患になると胆嚢が破裂しやすく、
胆嚢が破裂してしまうと致命的になってしまう可能性があります。

腹部エコー検査で診断でき、
粘液嚢腫と診断された胆嚢は10頭中9頭で胆嚢壁の壊死が認めらていることから胆嚢穿孔や胆嚢破裂の可能性が高く、
無症状で粘液嚢腫が診断された場合は速やかに胆嚢摘出術を実施すべきとも報告されています。

同じ粘液嚢腫であっても、

胆嚢破裂なし、黄疸なしの症例(無症状) ⇒ 死亡率5%未満
胆嚢破裂なし、黄疸ありの症例 ⇒ 死亡率25%程度
胆嚢破裂あり、黄疸ありの症例 ⇒ 死亡率25〜68%程度
胆嚢破裂あり、黄疸あり、膵炎ありの症例 ⇒ 死亡率68%程度
(※手術した場合の成績)

と状態によって手術成績や予後がかなり違います。

無症状の粘液嚢腫でも5日後に胆嚢が破裂するかもしれませんし、7年後に破裂するかもしれません。
いつ重症化するかの予測が困難です。

エコー検査で粘液嚢腫と診断された場合、無症状のうちに摘出するのが長期的にみて良いかもしれません。


↑摘出した胆嚢(中身は入っていません)

垂水オアシス動物病院
獣医師・院長 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)
 
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