神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
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炎症性腸疾患(IBD:inflammatory bowel disease)
下痢や血便が続いている炎症性腸疾患(IBD)のワンちゃんが先月末に来院されたのでこの病気について。
IBDとは胃、小腸、大腸などの消化管粘膜に原因不明の炎症を起こし、血便や下痢などの消化器症状を引き起こす症候群です。犬や猫のIBDの原因などははっきり分かっていませんが、ヒトと同じく遺伝的な素因があったり、食餌、腸内細菌叢、腸管免疫などが複雑に関係していると考えられています。

診断は、(世界小動物獣医師会WSAVAによる診断基準)
1、慢性の消化器症状が3週間以上続くこと
2、病理組織学的検査により消化管粘膜の炎症性変化が明らかであること
3、消化管に炎症を引き起こす疾患が認められないこと
4、対症療法、食餌療法、抗菌薬などに完全には反応しないこと
5、抗炎症薬、免疫抑制療法によって症状が良化すること
のほとんどすべてを満たす必要があります。
上記の診断を見極めるために、食餌の変更を行ったり、投薬をしたり、その他の病気が無いか調べたりしていきます。

今回のワンちゃんの場合も、食事の変更や、抗菌薬などにも一時的に反応するものの血便や下痢が続いてしまうため、
内視鏡検査を行うことになりました。


↑大腸カメラで大腸内部を観察しています


↑大腸(上行結腸辺り)に病変が見られます


↑バイオプシー(組織生検)を実施します

組織検査もIBD疑いということでしたのでこの病気向けの投薬を行うと血便や下痢などの症状が改善してくれました。
下痢止めや整腸剤などで治らない慢性の下痢や血便は、IBDや腫瘍が隠れている可能性がありますので詳しい検査が必要なことがあります。

垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)


 
| tarumioasis2 | 消化器疾患 | 18:14 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
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