神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
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猫の便秘

こんばんは夜

9月に入り、ようやく朝夕は涼しい風が吹くようになってきて少し過ごしやすくなった印象があります。

 

今日は昨日トリミングにいらっしゃった猫さんのお話です。2年ぶりに寄られたとっても性格の穏やかな長毛の猫さんでしたが、体重計にのってもらうと体重が激減(5.4kg⇒3.6kg)しています。最近食べる量が減ってきているのも気になられていましたので、まずは身体検査から受けて頂くことになりました眼耳聴診器手鼻・・・・すると、何やらお腹の中に【握りこぶしより少し大きいくらいの硬いもの】が触知されます。

 

既往歴などもあったので、血液検査やレントゲン検査もしておくことになりました。

その猫さんのレントゲン写真です。

触診で触れた硬いものは、なんと『うんち』でしたうんち

これは『巨大結腸症』という猫に比較的多く認められる頑固な便秘肥大ないしは拡張した結腸を特徴とする疾患で、多くの獣医師が日常の診療において悩む疾病の一つでもあります。私も実際に何度かこの病気の猫さんを診る機会がありました。

 

原因は不明であることが多いのですが、食餌性の問題や、排便に行けない環境(習慣性)、交通事故などによる骨盤骨折(解剖学的な問題や神経損傷)が原因となったり、結腸平滑筋の機能障害などがあることが明らかになっています。

 

治療には通常、脱水を改善しながら浣腸や瀉下剤を使用し、そして可溶性線維食ご飯結腸の蠕動運動亢進薬薬を用いた保存療法が主流です。また、この猫さんの様に明らかに骨盤より大きなサイズの宿便がある場合は、手指により便を揉みほぐしながら掻きだすという事が必要になります。

 

(←掻きだした便の一部を袋に入れたものです)

 

 

それでもどうしようもない重症例では、結腸亜全摘術という外科手術を考慮しないとならないといわれていますが術後に下痢が続いたりと結構大変です。(もちろん術後も低残渣食がすすめられています。)

 

なかなかハードルが高いですし、侵襲的な治療法を行う前に是非行ってもよいのではないかと思われる治療方法があります。それはPEG(ポリエチレングリコール)による持続的な経口投与です。一時お預かりして行わなければならない処置ではありますが、その後再発がなくなったという猫さんもいるくらい良い方法のようです。(2010年アメリカ獣医内科学学会で発表された方法)

 

長期間の排便障害は食欲不振や体重減少を引き起こし、嘔吐や嗜眠を呈する場合もあります。

巨大結腸症でお悩みの方は、よろしければご相談下さい。

 

垂水オアシス動物病院

勤務獣医師 高瀬奈美

 

| tarumioasis2 | 消化器疾患 | 18:27 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
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