神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
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ホルネル症候群

こんにちは犬曇り

8月にゴールデンレトリーバー(6歳、避妊雌)のRちゃんが受診されました。

「左目がしょぼしょぼしているのだけれど、外傷など特に何も心当たりがない」ということでした。

確かにRちゃんの左目は、

・まぶたが垂れ下がっている

・瞬膜が露出している

・縮瞳(瞳が小さくなっている)

・眼球がおちくぼんでいる

状態でした。

 

これは「交感神経の障害」によっておこる『ホルネル症候群』という眼徴候です。原因はわからない(特発性)ことが約50%ですが、中耳炎や内耳炎による炎症の波及からきた末梢前庭障害や、頸胸部の外傷、腫瘍などが頸椎から第三胸髄までにおこる場合、交通事故などによる上腕神経叢根の損傷、中枢性や甲状腺機能低下である場合もあります。

 

この『ホルネル症候群』に関連する眼への交感神経路は第一次〜三次ニューロンがあり、いずれの障害でも同側側に徴候を認めます。局在を考える上で、耳の検査や斜視や眼振、眼瞼反射、威嚇瞬き反射といった脳神経検査の他、フェニレフリン点眼による薬理学的な検査が利用できる場合があると言われています。

 

Rちゃんの両目にフェニレフリン点眼(5%)を行いました。

すると、15分後にはこの通り!!

左目が元通りになりました。

Rちゃんの場合は、脳神経検査でも異常は認められず、その他の胸部X線検査でも問題はなかったことからも「三次ニューロン(節後ニューロン)」の部分の異常が一番に疑われました。解剖学的な用語でピンとこないかもしれませんが、鼓室胞に隣接する前頚神経節から眼に向かう部分の神経(三叉神経眼枝に併走した部分)です。耳や眼窩付近の交感神経の障害が疑わしいということです。

 

この場合6週間以内に自然に回復することが多く、Rちゃんも今は点眼を行わなくてもしっかり眼は開いています。

元に戻ってよかったですねグッド

 

垂水オアシス動物病院

勤務獣医師 高瀬

 

| tarumioasis2 | 眼科 | 11:55 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
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