神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
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橈尺骨骨折(両前肢の骨折)

昨日、またまた前足を骨折したワンちゃんが来院されました。

この子はまだ若いチワワちゃんで、かわいそうな事に両前肢が折れてしまっています。

両前肢が折れると片側の肢で体重が支えられないため、やっかいです。

 

こういった場合の選択肢として(上から順にお勧め順)、

1、プレート固定(ステンレス製 or チタン製)

2、創外固定

3、髄内ピン+外固定(ギプス固定)

4、外固定のみ(ギプス固定)

 

などが挙げられます。

コスト的には上の方が高い(治療成績が良い順)です。

 

プレート固定の中にも種類があり材質にステンレスかチタンがあります。

ステンレスの場合は固い金属のため、ちょうどいいタイミングで再手術を行いスクリュー(ネジ)を抜いてあげて

固定強度を弱めたり、再々手術でプレートを抜去したりして段階的に強度を落とす必要がでてくることが多いです。

(プレートをそのままにしておくとプレート下の骨が脆く細くなってきてしまうことがあります)

↑以前診察させて頂いたこのような状態に陥ってしまった症例

 

それに対してチタン製プレートは柔らかい金属で生体親和性も高いため、

2回目や3回目の再手術が基本的には必要なく、

コスト的に問題が無ければ当院では第一にこのプレートを採用しています。

初期コストはステンレスより高いのですが、

ほとんどの場合再手術が不要(再手術分のコストと患者さんの負担が不要になるので、トータルコストは同じくらい?)、

そして問題なく癒合することからおすすめしています。

 

また、この部位の骨折は治療が非常に難しくなることがあり、

手術したものの癒合不全に陥ってしまうケースも有り得るのがやっかいなところなのです。

 

飼主さんとよくご相談の結果、

コスト面で優れている外固定(ギプス固定)を選択されたため、

両前肢をキャスト包帯(骨折した時に病院で着けてもらうアレです)で固定しました。

 

通常、手術をしないでギプス固定だけでは上手く治らず、癒合不全に陥ってしまう確率が高いといわれています。

外固定のみでは「トイ〜ミニチュア種の8頭中6頭が癒合不全になった」、「82%で癒合不全になった」、という報告があります。

このような危険性がありますので、よほど変位が少ないヒビ程度の骨折以外では基本的にギプス固定を行うのは本来は避けた方よいのかもしれません。

両前肢が何とか治りますように…!

 

 

垂水オアシス動物病院

院長 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | 整形外科 | 13:35 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
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