神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
<< 椎間板ヘルニア(グレード5) | main | 犬の陰嚢炎 >>
胆嚢

先日、胆嚢にできた「粘液嚢腫」の手術があったので今回はこの病気について。

粘液嚢腫
(ねんえきのうしゅ)はシェルティ、コッカー、シュナウザー、ポメラニアン他の犬種にもよく見られる病気です。胆嚢(たんのう)は肝臓で作られる消化酵素である胆汁を蓄える役割をする臓器です。

正常だと胆嚢の中にはサラサラの胆汁が貯まっているのですが、
この病気になると濃縮した半固形状の胆泥あるいは胆汁などのドロドロした粘液が蓄積してきます(粘液嚢腫が発生)。

粘液嚢腫になると、胆嚢が拡張して血行を遮断→胆嚢壁が壊死→胆嚢破裂してしまう場合があります。

原因
ホルモンの異常、ステロイド投与、胆嚢運動性の低下などが考えられていますが、詳細は明らかにはなっていません。

症状
嘔吐、食欲不振、元気低下など。粘液嚢腫になると、腹部エコー検査で特徴的な「キウィフルーツ状」の放射状の星形のようなパターンが認められます。

 

治療
胆嚢摘出術を行います。
粘液嚢腫の胆嚢の組織検査で10頭中9頭で胆嚢壁の壊死が認められていることから、胆嚢穿孔・胆嚢破裂が簡単に発生する可能性が高いと言われています。

予後
もし胆嚢破裂によって腹膜炎が合併している場合、手術を実施したとしても死亡率は68%と報告されています。無症状で粘液嚢腫が診断できたならば、早めに胆嚢摘出術を実施することが推奨されます。
 

 

今回来院され手術したわんちゃんはポメラニアンのワンちゃんで、嘔吐して、ぐったり、黄色い尿をしている、という主訴で来院されました。一年ほど前に腹部のエコー検査で胆嚢に異常が見つかり手術の話もあったのですが、

飼主さんとご相談の結果、高齢な事や他の持病もあることから手術はせずに経過観察することになっていました。

 

来院時にエコー検査をしてみると…、

胆嚢が破裂しておりすでにショック状態で、緊急で胆嚢を摘出しても回復させてあげることができませんでした。

 

やはり、胆嚢に疾患(胆嚢粘液嚢腫など)が見つかった場合、

様子をみていくとある日突然急変することがあるため、問題が無いうちに早めに予防的に摘出しておいた方が良いかもしれません。

 

こういった胆嚢の疾患はエコー検査の普及に伴い、診断されることが増えてきています。
また食生活の変化や動物の高齢化に伴い、当院でも胆嚢関係の病気(胆泥症、胆石症、粘液嚢腫など)を診断することが激増しています。

その中でも粘液嚢腫は破裂すると突然死してしまう危険性の高い病気であることから、
症状が出ないうちに健康診断でエコー検査をして年に1回程度は胆嚢の様子も見ておかれた方がよいでしょう。


垂水オアシス動物病院
獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

| tarumioasis2 | - | 19:31 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://blog.tarumioasis.com/trackback/848
トラックバック
S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< August 2018 >>
ページのトップへ