神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
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門脈シャント(門脈体循環シャント:PSS)

先日、門脈体循環シャントという疾患のワンちゃんが来院されたのでこの病気について。

 

門脈体循環シャント(PSS)とは、

門脈系の血管と体循環系の血管が短絡(シャント)した状態をいいます。

簡単にいいますと、

腸から流れてきた栄養分が含まれた血液が本来流れていくべき肝臓に流れ込まないため、いろいろな症状が発生します。

 

症状は、

神経系(ふらつき、旋回、発作)、消化器系(嘔吐、よだれ)、尿石症、発育不良などが認められ、

一歳未満の若齢で症状がでることが多いと言われていますが、高齢になってから症状がでるケースもあります。

 

国内では好発犬種として、

ヨーキー、シュナウザー、マルチーズ、パピヨン、トイプードルなどに多くみられます。

 

PSSの治療では、

外科的にシャント血管(本来あってはいけない血管)を結紮する必要があります。

PSSが外科的に治療されずに放置されると、肝臓の萎縮や脂肪変性、肝臓組織の線維化がおこり、肝不全に陥るため、

できるだけ早期に手術を実施した方が良いと考えられています。

 

今回のワンちゃんは好発犬種のヨークシャテリアで、健診で肝臓がやや小さかったため、

血液検査(アンモニア、総胆汁酸測定)や造影CT検査で精査したところ左胃静脈ー横隔膜静脈シャントと診断しました。

 

↑造影CT検査にてシャント血管の走行を確認します

 

↑シャント血管を見つけ完全結紮しました

 

 

外科的な治療法には、

 

1、糸で完全に結紮する

2、糸で部分的に結紮する

3、セロファンで血管を閉塞させる

4、アメロイドコンストリクターで血管を閉塞させる

などが挙げられますが、

今回は術中の門脈圧や腸などの状態をみた後、糸でシャント血管を完全に結紮することにしました。

 

その後、数日入院下で様子をみた後、

問題なく元気にお家に帰っていってくれました。

 

とくに好発犬種のヨークシャテリアは、

若いうちに一度血液検査(総胆汁酸TBA)の測定を行って生まれつきの異常がないか確認しておかれた方が良いかもしれません。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

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