神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
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SFTS(重症熱性血小板減少症)について

野良猫を捕まえて動物病院へ連れて行こうとした女性の方が、

猫に咬まれてしまい後日亡くなられたという痛ましい事件の報道が昨年ありました。

猫がもっていたSFTSウイルスが感染してしまったのが原因でした。


「厚生労働省は24日、野良猫にかまれた50代の女性がマダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を発症し、10日後に死亡していたと発表した。かまれたことが原因とみられ、猫からヒトへの感染事例が明らかになるのは初めて。

厚労省や国立感染症研究所によると、女性は西日本に在住。昨年、衰弱した野良猫を動物病院に連れて行こうとして手をかまれた。数日後にSFTSを発症したという。女性がダニにかまれた形跡はなく、感染研は野良猫が最初に感染し、女性にうつしたとみている。

これまでSFTSは森林や草地に生息するマダニに人が直接かまれることで感染すると考えられていた。

厚労省は今年に入り、SFTSウイルスに感染し、発症した飼い猫と飼い犬も確認。感染はまれで、屋内で飼っている猫にはリスクはないとしているが、屋外にいる体調不良のペットに接触する場合は注意するよう呼び掛けている。

SFTSの初期症状は発熱やだるさなど。5〜6日後に意識障害や出血などが起きることがあり、致死率は約20%とされている。特効薬はない。国内ではこれまで、西日本を中心に266人の患者が報告された。死亡例は全て50代以上で、高齢者が重症化しやすいと考えられている。シカやイノシシなどからも、ウイルスに感染していたことを示す抗体がみつかっている。」

 マダニ感染症、猫から感染 女性死亡 「ネコからヒト」初確認 日本経済新聞より


 

西日本中心に発生が見られているSFTSウイルスは感染すると人間の死亡率が30〜63%ともいわれており、

従来は「マダニから人間へ」感染すると考えられていた危険なウイルスです。

 

それが、「犬や猫から人間へ」感染することが分かったのでニュースになったのだと思います。

動物病院で勤務する立場として、犬や猫に接触したり咬まれることもあるため、「怖い事件だな…」と思っていました。

 

すると最近、

獣医師と動物看護師がネコからSFTSに感染!

というニュースが飛び込んできました。


「致死性のSFTS(重症熱性血小板減少症)ウイルスがイヌとネコからヒトに感染した事例については、このホームページの一般向け情報(イヌとネコは致死性SFTSウイルスを媒介する;2018年5月28日)でお知らせしたところです。今般、宮崎県において小動物臨床を行う動物病院に勤務する獣医師がネコから感染した事例が明らかにされましたので紹介したいと思います。

2018年8月16日に体調が悪いネコを診察・治療しました。当該ネコは前日に別の獣医師が診察したところ、SFTSを疑い、診断のため宮崎大学に遺伝子検査を依頼しており、8月18日にSFTSと診断されました。獣医師はネコとの接触から10日後に発熱と倦怠感を訴え、県内の医療機関を受診しました。臨床所見からSFTSが疑われたため、県内の高次医療機関に転院し、SFTS検査を受けるも、当初の診断結果は陰性でした。疫学的所見および臨床所見から依然とSFTSが強く疑われたことから、SFTSを念頭に置いた治療が実施されました。その後の継続的な再検査で、3および4病日目にSFTSウイルス遺伝子検査が陽性となり、8月31日にSFTSと確定診断されました。診断前の早期の治療の結果、獣医師はその後回復したそうです。

また、獣医師がネコを治療した時に補助した動物看護師も、12日後の8月28日に症状を訴え、県内医療機関を受診しました。この時、臨床所見からSFTSの可能性は低いと判断され、通院治療にて間もなく回復したようです。しかし、獣医師の件を踏まえ、動物看護師のペア血清を用いたSFTSウイルス抗体検査を実施したところ、SFTSと診断されました。

なお、SFTSのネコは皮下点滴の際に出血し、獣医師と動物看護師が血液のふき取りと止血処置を行ったそうです。また、獣医師と動物看護師は治療を行う際に、感染予防対策としてグローブとマスクを着用していましたが、ゴーグルやフェイスシールドは着用していなかったそうです。

以上のように、小動物病院で来院したイヌやネコの通常の治療過程で、グローブとマスクを着用していたにも係らず、容易にSFTSウイルスに感染することを示しております。疑わしい症例に遭遇した場合は、完全なる院内感染防止対策をとることが必要であることを、今回の事例は示しています。」

酪農学園大学HPより


 

診察中に猫ちゃんからSFTSウイルスが動物病院のスタッフに簡単に感染してしまったということです。

 

 

動物病院の獣医師やスタッフが診察中にノミ・ダニの予防をお勧めすることがあると思います。

 

以前から当院ではトリミングやペットホテル、手術などの際はワクチン接種とノミ・ダニの予防を必ずお願いしています。

「うちの子にノミやダニなんて居ないし、予防接種なんて必要ない」とお叱りを受けることが時々あるのですが、

感染症予防のため、動物たちのため、飼主さんのため、動物病院など動物に関わるスタッフのためにも普段から予防をお願いしたいと考えています。

 

垂水オアシス動物病院

獣医師 井尻

 

(神戸市垂水区霞ヶ丘にある動物病院です)

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