神戸市垂水区霞ケ丘の垂水オアシス動物病院は人間と動物の絆を大切にする診療を心がけています。

オアシス便り
猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)
猫エイズに感染している屋外飼育の猫ちゃんがたまに来院されるので今回はこの件について。

猫免疫不全ウイルス(猫エイズ、FIV)とははレトロウイルスに属するウイルスで、
多くの猫科動物に感染します。

ウイルスは世界中に分布しており、
数種類のサブタイプ(A〜Eまで)に分類されています。

アメリカでは野良猫の4%、ハイリスクのペット猫で7%
日本は自由に歩き回る猫が多いので感染率は野良猫で29%、疾病状態の猫では44%に達すると報告されています(世界一多いという話も)。

ウイルスは感染力が強く、唾液、血液などに存在しており、1回の咬傷で伝染する可能性があります。
ただ、舐めたり、グルーミングしたりする程度では感染しないため激しいケンカをしなければ問題ありません。

いったん感染してしまうと根治は困難で、発症すると難しい病気のため感染させないように予防することが大切です。

一番確実な予防法は、「家の中で飼育する」ことです。
どうしても家の中で飼育することが困難な場合や、同居猫が猫エイズに感染している場合は「猫エイズの予防ワクチン」を接種するという選択肢も近年出てきています。

詳しくは動物病院までご相談下さい。



↓猫エイズについてのサイト

http://www.animalhealth.pfizer.co.jp/pet/nekoeizu/dekirukoto/
| tarumioasis2 | 猫の病気 | 21:15 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
交通事故
近年、交通事故にあうワンちゃんは減っています。
放し飼いをされている犬は少なくなっていますし、屋内で飼育されていることが多くなっている為でしょう。
そんな中、猫ちゃんの事故はまだまだよく見かけます。
少し前にも病院の前のバス通りで車にひかれて亡くなってしまった猫ちゃんを見かけたことがあります。
外に出る猫ちゃんはケンカによる外傷も受けやすいですし、交通事故やウイルス感染の危険性も高くなります。なるべく出さないようにしてあげて下さい。

今回はその話の続きで、
当院に通われている猫ちゃんが外に出かけてしまい左後肢をひかれてしまいました。
損傷がひどく、あわや「断脚しなければならないかも…」
というところ、モイストヒーリングや創傷治癒剤のキチン、キトサン(カニの甲羅の成分です)を使って無事に皮膚が回復してきてくれました。
キチン、キトサンの力と動物の回復力には恐るべきものがあります。

 
↑受傷当日


↑洗浄、縫合処置後


↑踵部分の皮膚が癒合せず


↑踵部分の皮膚を縫合


↑ほとんど傷が治り、皮膚にも毛が生えてきています


現在は踵の皮膚もほぼ癒合してきておりあともう少しで完治しそうなところまできています。
あと少し、がんばれ猫ちゃん。

外の世界は危険がいっぱいなので気を付けてあげて下さい。

垂水オアシス動物病院
獣医師・院長 井尻
| tarumioasis2 | 猫の病気 | 17:45 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫の口内炎
 
上の画像の猫ちゃんはお口が痛くてごはんを全く食べられなくなってしまい来院しました。
猫ちゃんはこのように口が痛くなることが多いです。
中高齢の猫に多くみられ(平均7歳)、歯肉、咽頭などがおかされます。この病気の原因ははっきりしていませんが、口の中の細菌抗原に対する過敏症だともいわれています。

【症状】
よだれ、口臭、開口時の痛み、食べ物を食べるとき痛がる、食欲不振、体重減少などです。

【診断】
麻酔下で口腔内を観察します。またウイルス感染(猫白血病ウイルス、猫エイズウイルス)が口内炎を引き起こすこともあり、口内炎にかかっている猫のうち約15〜20%が白血病ウイルスに感染し、約25〜80%が猫エイズウイルスに感染しています。そのためウイルス検査が必要です。

【治療】
歯石などに含まれる細菌が原因になることが多いためスケーリングなど歯のクリーニングをしていきます。また抗生物質やプレドニゾロンなどのステロイド剤なども用いることがあります。
歯肉炎がひどい場合には、全部の臼歯を抜歯すると改善することがあります。

今回の猫ちゃんは、スケーリングを実施して歯をきれいにし、抗生剤と抗炎症剤を使ったところ食欲が出てきて激やせしていた体重も回復してきました。
その後も歯肉炎がぶり返すことがあるので歯磨き、T/D(歯垢を抑えるフード)、液体歯磨きなどをつかって状態を維持していく予定です。



| tarumioasis2 | 猫の病気 | 18:47 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫の風邪

最近は朝晩の冷え込みがきつくなってきました。
今回は寒くなる季節に特に多い猫の上部気道感染症について書きます。

少し前に公園へ行く機会があったとき野良猫たちを見てみるとほぼ全ての猫が鼻水・くしゃみをし、両目が目ヤニで塞がり開かない状態になっていました。

人も風邪を引きますが、猫も風邪のような症状を出す病気があり、原因になるのは細菌、ウイルス(ヘルペス、カリシウイルス等)、真菌感染です。
症状はくしゃみ、鼻水、目やに、結膜炎、発熱などがあり、かなり伝染性が強いので野良猫たちや多頭飼育をされている猫たちにはすごい勢いで流行します。
一度感染すると慢性化して鼻を常時ずるずる、グズグズいわせている猫ちゃんになってしまったりする事もあるので気をつけてあげて下さい。

重症化しないためにはワクチンが効果的なので予防接種をしておくことが必要になります。

| tarumioasis2 | 猫の病気 | 10:20 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫伝染性腹膜炎(FIP)
九月に入りましたが猛暑が続いています。
いかがお過ごしでしょうか。

最近、 腹水が貯まっている子猫ちゃんが来院しました。
まだ4ヶ月齢くらいだったのですが身体検査をしていると、お腹が少しぽっこりと膨らんでいるのに気になり念のためエコー検査をしてみると腹水が溜まっているのが見つかりました。
腹水の性状を検査してみると、「猫伝染性腹膜炎(FIP)」という病気の可能性が非常に高いことが判明しました。
この病気は若い猫に時々みられ最近お腹がぽっこり出てきたということや、元気・食欲が無い、発熱しているという症状から診断されることが多い病気です。少しでも楽に良くなるように期待したいと思います。

◎原因
猫コロナウイルスが原因で6ヶ月〜3歳の猫に多くみられます。


◎症状
症状のタイプは大きくウエットタイプ(滲出型)とドライタイプ(非滲出型)に分けられます。

ウエットタイプの場合:元気消失、食欲低下、発熱、腹囲の腫れ、呼吸困難、貧血、脱水、黄疸、下痢などがみられます。

ドライタイプの場合:中枢神経系や眼に病変が認められる頻度が高く、脳・脊髄では病変部位によりさまざまな神経症状(運動失調、けいれん、意識障害、旋回運動など)を起こします。眼に症状がでた場合はブドウ膜炎、脈絡膜炎などを起こし失明するケースもあります。


◎診断
胸や腹に貯留した液体を検査・分析(比重は通常高い)し、持続性の発熱、高ガンマグロブリン血症、神経症状などの所見を総合して診断します。


◎治療
一般的に有効な治療法はなく、全身性あるいは典型的な症状を示す症例はほとんど例外無く数日〜数ヶ月の経過をたどり亡くなってしまうことが多いです。しかし、プレドニゾロンやインターフェロンで治療することで効果があったという報告もあります。


◎予防
効果的なワクチンはありません。感染経路は無症状のウイルスを持つ母猫から、母猫由来の免疫能がなくなる5〜7週齢の子猫への感染と言われています。したがって4〜5週齢に離乳させ、その後母猫を含め他の猫と接触させないようにすると感染する可能性が減らせるといわれています。

| tarumioasis2 | 猫の病気 | 10:23 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫の口内炎
 

日々診察していると猫ちゃんに口内炎ができてよだれを垂らしたり、口が痛くて食事が摂れないケースを見かけることがよくあります。

この病気の原因は全てがはっきりとはわかっていませんが、免疫機能の乱れが関係していると思われ、口腔内細菌に対する過敏症も原因といわれています。

猫の口内炎では、歯肉、ほほの粘膜や舌などの部位に発赤や腫れ、潰瘍などが見られ、
症状は、痛み、口臭、食欲低下、体重減少、流涎などで、
本症の発症率はさまざまな報告がありますが、約6~7%です。

歯垢、歯石の付着程度が高くなるのに伴って発症率が高くなりますが、歯石がほとんど無くても口内炎になることもあります。

また、ウイルス(猫白血病ウイルス、猫エイズウイルス)感染が原因となり口内炎を引き起こす場合もあって口内炎の猫のうち白血病ウイルスが感染している割合は15〜20%、エイズウイルスが感染している割合は25〜80%といわれています。

発症年齢は平均7.1歳(4〜17歳)で、缶詰タイプの食事を主食にしている多頭飼育の猫に本症の発生が多いと言われています。


治療方法にはさまざまな方法があり報告さてていますが、確立された治療法はなく完治できない症例も多く難治性なことが多いです。

治療方法は、
〇垢・歯石除去による口腔内細菌の清浄化
▲好謄蹈ぅ漂泙砲茲詭髪嵳淦療法
L髪嵳淦剤による治療
す垣己質による治療
ゥぅ鵐拭璽侫Д蹈鵑砲茲觴N
Ε薀トフェリンによる治療
低アレルギー食の給与
炭酸ガスレーザーによる炎症部位の蒸散
各種の酵素
抜歯
などがあります。

まず、口の中の衛生状態を良くして(歯石除去、歯垢除去、上の画像の猫ちゃんは歯石のスケーリング中です)、その後歯磨きやデンタルジェルで維持していくことをお勧めします。しかし、それでも治まらない場合は抜歯をすることで完治もしくはかなり口の炎症が治まります。通常、抜歯することで60%の猫が良くなり、20%で程度が軽くなり、13%がまだ内科的な治療が必要で、7%で効果がみられません。

なかなかやっかいな病気ですが、痛くて食べれないと生活の質が低下するので治療をしていくほうがよいです。




| tarumioasis2 | 猫の病気 | 10:59 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
猫の膿胸
膿胸
昨日は大雨が降りました。
病院の前の道路が川のようになっていて、
ニュース映像で見るようにマンホールから水が噴出していました。
最近の天気は少しこわいですね。

ここ何週間か入院している患者さんがとても多く、看護と治療の日々を過しています。

先日膿胸の猫ちゃんが来院したので書いています。

膿胸とは胸の中に膿が溜まってくる病気です。原因は細菌感染のことがほとんどです。なぜ感染するのかは不明な事が多いのですが、血行性に感染したり、昔のケンカ傷からの感染や植物のノギなどの異物が胸に入ってしまうことが原因の場合もあると言われています。

症状は細菌が大量に感染するので、その毒素などの影響で発熱、食欲不振、体重減少、呼吸困難などを引き起こします。

診断は臨床症状、血液検査、聴診、X線検査、胸水の分析、胸水の細菌感受性試験などで診断できます。

この猫ちゃんの場合は状態が非常に悪く、呼吸が苦しい状態でした。
現在治療中です。

治療は、細菌感染を抑える抗生物質を使いつつ、胸にチューブを入れて胸に溜まった膿をキレイに洗浄します。

この膿胸という病気の場合、早めに治療できれば良くなる確率が高いので、息苦しそうなのを見つけたら早めに動物病院へ連れて行ってあげて下さい。


| tarumioasis2 | 猫の病気 | 18:08 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2018 >>
ページのトップへ